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ポスト&ビーム別荘20年点検・水が切れてない・断熱材ペチャンコ

2021.07.20|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

霧深い森の中に佇むPOST&BEAM(ポストアンドビーム)。

前職の工務店で建てた別荘ユース宅の20年点検に訪れました( ^)o(^ )

数年前にオーナーチェンジがありまして、あらたなオーナーさんと引き続きお付き合いを継続させていただいております。

接している道路から7~8mほど急坂をのぼって、やっとこさ軽トラが入れます。

こういうとき4WDは便利・ステキダナ~と思う訳でありまして。

いまやブルーの軽トラはRebornの代名詞となっており(なってないか?)、そろそろ記念すべき10万キロに達します。

 

軒裏のすご~く高いところにやられているキツツキ穴。

どうやら住んではいないようですが、え~っ、どうしても塞いでって!?

足場代がすごくかかりますよー((+_+))

さらに、塞いでもまたやられますよ~>_<

別荘など普段住人がいない家はだいたい被害に遭っているわけですが、

これ、解決方法あみ出したらノーベル賞もんだわ、ホント。

 

外部で問題になったのは、この土台水キリのこと。

恥ずかしながら水切りがほぼ水平に取り付けられていて(こげ茶色のやつね)、

そこに雨水が残り、水がきれてな~い(泣)

おまけにカラマツなんかの木の葉も乗っかっており、

さらに具合の悪いことに、外壁仕上げ材(=サイディング)が直接乗っかっちゃってる。

シリコンコーキングがしてあるとはいえ、当然永年にわたり盤石ではない。

結果どうなるかというと、サイディングの下端木口から水を吸い上げ、基材が凍害によって割れはじめ、表面の塗装が膨らんでくる。北側で顕著です。

水切りにそれなりの勾配(2寸勾配以上)があり、サイディングとの隙間が10~15㎜ほどあればこういうことにならない。

いつかは張り替えなきゃならないな、コレは・・・汗

デッキテラスも腐朽菌が蔓延しており、それほど寿命は長くない。

この写真ポチると拡大するのでご覧いただきたいが、白いのがカビというよりは腐朽菌のかたまり。

触ると木材自体がブニョブニョしています。

前回のブログでも紹介しているCBウッドなる防腐処理をした材料ですが、こちらは20年でチ~ン。

マイトレックACQ加圧注入材による全面更新をお勧めしましたが、費用的にどうか?

ウッドショックの影響で1.3倍ほどに価格が高騰中!

いやはやデッキテラスの維持管理も大変だ。

 

恥さらしのついでにもう一つ。

2階天井裏の断熱材の様子。

今でこそ断熱職人と自らを称し、こだわりの断熱術を施しておりますが、

20年前は袋入りのロックウール100㎜を敷きならべているだけでした。

まあ、20年前ですからまだ高断熱高気密なんて言葉もほとんど聞かない世の中でした。

点検時あるあるなのですが、この空間を点検したりする際に、ロックウール断熱材を踏んづけると、ほとんど復元力がありません。

ご覧のようにペッちゃんこになってそのまま…。

グラスウールの方がやや復元力が高いかと思いますが、まあ似たようなもの。

だから点検時に歩を進める場合にはいちいち断熱材を跳ね上げて通路とし、帰路でまた元の位置に戻すということが必要となります。

まあ、そんなことより、防湿シートを全面に貼っていないので、気密もク〇もないのですが・・・。

ここは現在の技術革新(!?)によって、いったんこれら袋入りロックウール断熱材をはねのけ、全面に防湿シートを張り、高性能グラスウール16K品200㎜厚マット品なんかをみっちり敷きならべるとよいですよ~、とアナウンスしてきましたが果たして新たなオーナーさんの心に響いたかどうか?

 

早いもので私も大学卒業後、この工務店業界に身を置くことになって早25年が経ちました。

断熱材・気密の正しい施工方法や考え方、換気や暖房・給湯設備の必要性やあり方、

災害や事件を踏まえた、耐震に対する評価方法や様々な技術革新がこの間に行われました。

私自身は20年ほど前から高断熱・高気密に切り替えて取り組んできましたが、この家はちょうどその前後で、

悲しいことにまだ低断熱・低気密だと言わざるをえません。

ここ数年続いているのですが、築後20年を迎えたOB宅を訪問するにつけ、

「何とか、相当な断熱レベルまで引き上げることができないか」

と考え、各オーナーさんたちに提案を繰り返していますが、すべて撃沈・・・。

もっと安価に高気密化、高断熱化する手法を考え、オーナーさんにも将来的に長持ちする家、資産価値の高い家への転換をより強く訴えてゆかねばと思うのです。

 

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