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ログハウスは雪に埋もれるものです。(屋根・デッキ・窓、雪害修繕)

2022.10.08|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

長野県内でもトップ3に入るであろう極地、奥志賀高原。

10/7の朝は外気温3℃でした。

紅葉もこの1週間でずいぶん進みました。

気温も低いのですが、積雪量も半端ない。

だから私は県内の極地と呼んでいます。

 

手すりは過去に2度つくりかえています。今回で3回目の修繕。

手すりは過去に2度つくりかえています。今回で3回目の修繕。

昨年の豪雪はかなりの雪害をもたらしました。

周囲の別荘や小屋もことごとく破壊されております。

例年の1.5倍ほど降ったとのことですが、しかも年末一気に降ったので除雪するタイミングがなかったそうです。

その量、5m・・・泣

泣いても涙が凍ったことでしょう。

 

遠隔シャッター付きデジカメをつけた伸縮棒により被害状況を確認した一枚。
少し歪んでいるだけのようにも見えるが、屋根の被害は雨もりにつながるので放置は厳禁。

遠隔シャッター付きデジカメをつけた伸縮棒により被害状況を確認した一枚。 少し歪んでいるだけのようにも見えるが、屋根の被害は雨もりにつながるので放置は厳禁。

雪解けと共に、煙突は曲がり、デッキテラスは破壊され、棟換気の板金はめくれました。

火災保険適用の申請を行いましたが、他にも同様な被害が多発していたためか、保険屋さんのがま口はしぶく、満額まではいきませんが、ようやく納得できる回答が来たのはお盆も近くになってのこと。

なんだかんだで、この時期での修繕工事となってしまいました。

 

一般に屋根足場は軒先から架けてゆくのですが、今回は妻面にタワー足場をつくり、そこから少しずつ棟をまたぐように足場をつくっていった。

一般に屋根足場は軒先から架けてゆくのですが、今回は妻面にタワー足場をつくり、そこから少しずつ棟をまたぐように足場をつくっていった。

もっとも難航したのは屋根のテッペンにかけた足場でした。

足場屋さん(時に鳶(トビ)と呼ばれます)はホントすごいですね。

下から見上げてるとそんなに大したことない気がするんですが、上から見ると屋根は絶壁ですぜい。

棟換気っていっても、ただ頂部に隙間をつくって、空気が抜けるだけのしくみ。
空気は抜けるが雨は強風時でも室内に入らない、それがミソ。

棟換気っていっても、ただ頂部に隙間をつくって、空気が抜けるだけのしくみ。 空気は抜けるが雨は強風時でも室内に入らない、それがミソ。

私が前職の工務店に入社してすぐの別荘ですから、築25年のログハウス。

なんと!、棟換気が付いています!

そしてその棟換気をカバーしているガルバリウム鋼板の笠木が付着した雪でもがれて剥がれてしまうという雪害が起こりました。

先ずは解体撤去。

さらっと「棟換気」って書きましたが、25年前の1997年の時点で、棟換気は一般的ではなかったはずです。

私は幸いにも、わりと先進的な工務店に入社したのだなあ、と思う訳です。

この棟換気がないと、小屋裏(天井裏)の空間に暖かく湿った空気が流入した際、屋根面は当然外気温に近いわけなので冷たく、屋根の裏側で結露するのが常です。

 

棟換気部材はJBECKの「テッペン」だったはず。商品名が子供じみているのが建築業界の商品名にたくさんある。

棟換気部材はJBECKの「テッペン」だったはず。商品名が子供じみているのが建築業界の商品名にたくさんある。

そういったことが起こらないように、棟換気部材を取り付けるのです。

高断熱高気密住宅が一般化した近年では、その重要性がいろいろなところで指摘・報道されているので、おおよそのハウスメーカーや工務店は標準採用しているようです。

サッシの障子交換は一人ではなかなか困難。二人でやるのが結果的に早くて安全。

サッシの障子交換は一人ではなかなか困難。二人でやるのが結果的に早くて安全。

雪害は屋根や煙突だけにとどまりません。

窓ガラスにも及びました。

アンダーセン(米国)の木製窓、ガラスが破損しました。

雪囲いと呼ばれる横棒でガードしていたハズですが・・・

アンダーセンは今もたまに採用していますが、どうやらトリプルガラスのものも発売されたそうです。

はるばる米国より空輸で部材が新潟にある上野住建さん(アンダーセンの販売代理店)に納品され、

これまたはるばる3時間近くかけて奥志賀に来てくれました。すかさずフローリング材などの営業も受けましたが(笑)

コロコロとモデルチェンジを繰り返しもう部品がない、なんてことを良く聞く国内メーカーと違い、米国の部品供給体制のすごさに関心します。25年も前のものと、令和4年のものがすんなり交換できるということがいかにすごい事か。

気密部材の仕様変更(もちろん気密水密性能が向上する方向での変更)はパッキン部で見られましたが、形状、色、製造工程も含めすべて同じであることを、こうして横に並べて検証させていただきました。

 

今回もスギ材にACQを加圧注入してある材料を用いて復旧。壊れるのが先か?腐るのが先か?

今回もスギ材にACQを加圧注入してある材料を用いて復旧。壊れるのが先か?腐るのが先か?

デッキ手すりの破損のほうは、社員大工が風間らが担当。

初めてこの現場に来てもらいましたが、こんな山奥に人家があるのかと道中で肝を冷やしたそうです。

甘いぞカザマ君!

真冬にきてみろ、ここに。

車でつけられるのはここから200m程手前で、あとはカンジキはいて、ソリに道具つんでラッセルだわ。

新入社員のころ、真冬になんどここに来たことか。

この業界に入って25年。

死を最も近く感じたのは、入社1か月、建て方で高いところに登った時でもなく、冬の高速道路でスリップした時でもなく、ダントツ真冬の奥志賀ラッセル&水道管凍結修理だわ。

今度は少し頑丈グレードアップさせましたよ。

それしても奥志賀は寒い・・・。

まっすぐに育っている樹が、ない。

私も現役を終えたら、ぜひこういう所で暮らしてみたい。

ログハウス、薪ストーブ、カンジキ、風力発電、酒(ビール党)・・・

結局全部「北の国から」の影響なのですがね。

高断熱高気密住宅をウリにしている工務店兼設計事務所ですが、なにか?

 

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