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軒の出は太陽60°で検討すべし

2017.08.24|間取り・設計・デザイン
塩原真貴

子供たちも学校に行き始めました。

少年少女が激しい西日と闘いつつも家路へ向かうその姿は、1か月前よりずいぶんたくましくなったではないか、と感じさせる眼をしています。  

ナイスロケーションに建つ平屋チックな木の家。

道路から5mほどでしょうか、2段高い位置に低い感じで建っています。

南面には大きな窓が連なっています。

今日は完了検査が2棟あり、その合間を縫って、 「8月下旬におけるひさしの日射遮蔽効果」を確認して参りました。

太陽熱を室内に採り込もうという発想のパッシブハウスでは、冬は太陽高度が30°、夏は78°で考えがちになります。

30℃は冬至、78°は夏至のお昼頃の地平線からの太陽高度です。

しかし夏至は6月22日。梅雨の時期です。気温は30℃近くまで行く日もありますが、何と言っても一番暑いのは8月上旬。

そしてお盆明け8月下旬は残暑が厳しく、今日も32℃くらいまで上がったのではないでしょうか?

そして本日のお昼頃は太陽高度62°(長野市)。

ちなみに8/6は65°。 何が言いたいのかというと、夏至の78°基準ではなく、9/10頃の60°基準でひさしや軒の出は検討すべきだということです。

この写真は午後1時の軒の出がつくる影の状態。ちゃんと軒の出が役割を果たしています^^

西側、子供部屋の窓。この時間はひさしによって窓全部が影になっていますね。

この後陽が傾くにつれて直射日光が入ってくるので、そこはやっぱりすだれなどが必要になってきます。

ところで先ほどの窓からはこんな眺望が。

千曲川越しに、北信濃の山々をのぞみます。

窓は光を採り込んだり、風を入れて換気する、という機能がありますが、 「外を見る」という重要な役割があります。

街並みを見渡すと、この時期カーテンで陽射しをシャットアウトしている南側の窓がなんと多いことか。

この窓は、人の眼を気にする必要もない好条件が備わっています。

逆に冬の晴れた日は、この窓から燦燦と日光が入ってきます。

1月20日のお昼の太陽高度は33°。カーテンを開けて美しい冬の山並みを臨めるのも、高性能なガラスのおかげだと言えるでしょう。

リビングダイニングは勾配なりの、非常にのびやかな、どこか北欧の香りのする杉板張り天井に。 登り梁は構造材です。

8月もあと残り1週間。

ここしばらくは天候不順で、この家のまわりのリンゴの生育にも影響しているそうですが、 実り多い秋にするには、この1週間の踏ん張りが大事なんだと、40歳を過ぎたあたりから自己認識しています。  

 太陽高度を調べたサイト  

2017.8.24 Reborn塩原(本日の虫刺され箇所数、推定20)

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