実はわたくし塩原の出身は松本市でありまして。
千葉県津田沼にある大学卒業後、就職活動はUターン志向でした。
いろいろあって大学は5年通ったのですが、信州人にあの暑さはもう耐えられなかった。
当時すでにバブルははじけたあとで、第二次ベビーブームの昭和48年生まれ。
ひどい就職難で、長野県内のログハウスメーカーへの就職を決意。
当時、県内に97社ほどあったログハウスメーカーに求人お尋ねのお手紙を発送したのは、就職活動を始めたちょうど今くらいの季節ではなかったか。
返信用切手を同封させた直筆の手紙を発送し、レスポンスがあったのはたったの4社。
その後、履歴書を送ったり、直接会社を訪問し面接を受けたりすることに至ったのだが、同時に多少のコネもあって地元松本市の大手ゼネコンの人事課の方ともコンタクトをとり、面接を受けていた。
結果長野市内のちいさなちいさなログハウスメーカーに就職するに至ったわけであるが、当時松本の両親にはその小さなログメーカーに就職することを反対され、松本市内のゼネコンに就職するようすすめられたのである。
撤回せよ。
しごく当然のアドバイスだ。
そんな親心を蹴っ飛ばし、単身長野市に身を寄せることとなったのである。
あれから25年。
前出のログハウス雑誌「木の家」(すでに廃刊)の表紙をかざるまでにも小さなログハウスメーカーは成長をしていったのは、ささやかな自慢である。
本ブログを愛読されている諸兄はすでにご存知だろうが、その小さなログハウスメーカーは10年前に倒産にいたり、その後私は設計事務所として独立開業する結果となったわけであるが、
どうやら松本市出身のわたしの身には、このような擬洋風建築の意識があるのではないかと最近になって分かってきた。
(松本市公式観光情報「新まつもと物語」のHPより拝借)
職業柄、車を運転しているときでも、信号待ちしているときでも、まわりの建物をキョロキョロ眺めるのは当然として、ついじっくり眺めているのは純和風木造でもログハウスでもなく、どうもこうした和のような洋のような、一般的には擬洋風建築とよばれる建物が多いのだ。
考えてみれば松本市にはこの手の建物が実は多い。
物件調査で松本市波田を訪れ、ふと波田支所の駐車場に存在するこちら、
和瓦で大きな上げ下げ窓が均等に配列された総二階の建物。
玄関ポーチにあたる角を斜め45°に切り取り、△の切り妻をみせて退屈になりがちな総二階の表情を引き立てています。
薄いホワイトブルーの塗りつぶしペンキも、けばけばに剥がれまくっていますが、あえて表現するならそんな風合いがほほえましい。
白い窓枠、深い軒の出、すぎ板をよこ方向によろい張り。
なんとも、これは塩原の深層心理に残っていて、自分でも気づかぬうちに外観デザインのルーツになってしまっているのではあるまいか。
現在は公民館として利用されている様子でしたが、中は無人で入れず。
雨のなか傘をさして、作業着の短足男が建物をまじまじと眺めている様子は、「変態」そのものではなかったか。
松本市・波田支所の駐車場の片隅にあります。
建築士のみなさんも、ぜひ機会があったらこの建物見てみてください。
相当古い感じがしましたが、「残る建築」の一つの型・ヒントが隠されていると思うのです。
一昨日笠井クンがブログ記事をアップしていましたが、
現在工事が進行中の御代田町の家も、ある意味こうした擬洋風建築の型が練り込まれていると感じます。
設計冒頭で建築主からは「米軍ハウスのイメージで」と伝えられました。
米軍ハウスも擬洋風建築もルーツはやっぱりアメリカで、欧米の建築家あるいはカーペンターが日本にやってきて、日本にある素材を使って建てるとこんな感じになるんでしょうね。
今、ウッドショックというのが建築業界の最大の懸念材料となっています。
日本から材木があっというまに消えてしまいました。
指をくわえて再び輸入材が入荷するのを待つのか?
この機会に長野県産の木材や国産材の木材を使うようにシフトするのか?
まわりの工務店やハウスメーカーは受注を停止したりと、暗雲がたちこめて参りました。
「自分のところだけはなんとかしたい」という利己主義的な発想で、買い占めが行われている予感がします。
オイルショックの後には住宅に省エネ化(=グラスウールなど断熱材を50㎜以上)が義務化されました。
〇〇ショックのあとにはイノベーションが起こりやすい。
ミスターポジティブの1973年生まれの男は、この状況を前向きに捉えています。
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