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寒い家で暮らしたくない

2019.02.19|断熱職人
塩原真貴

今日の長野市は暖かく雨が降っていましたが、まだまだ寒い日が続きます。

こうしてブログを8年間ちかく綴っていると、 「なんで床が冷たいのか分からないので」 というメールや電話での問い合わせをしばしばいただくのですが、 本当のところは実際に現場を見て感じないとなかなか分かりません。

それだけ暮らしている人にとっては謎の空間ですから。

少しでも手助けになればと思い、暖かい家にするコツのようなものをお伝え出来たらと思います。

今回は床下。ご覧の画像はよくある昭和50年代~平成10年くらに多い袋入りグラスウールによる床断熱。  

入っていればまだしも、寒冷地長野でもまったく床に断熱材がないこともあります。

ぶら下がっている、という表現のほうが近いでしょうか。50㎜厚のグラスウール。

おそらく大工さんによる施工だと思いますが、最初はピーンと張っていたのかもしれません。

両端はタッカーで止まっているかと思いますが、年月と共に中央はだら~んと。

床下は換気のため風が通り抜けているのが理想ですが、地熱の影響もあり、外気温が0℃の気温でも多少は暖かい。5~7℃程度か。

断熱材がだらんとなった状態では、全くとは言いませんが、室内の床の裏面が冷やされ、場合によっては結露しています。

断熱材がだらんとならない方法はいろいろあるはずです。

まず袋入りの断熱材は用いないほうがよいと考えます。

断熱材が直接気流にさらされないよう、タイベックと呼ばれる通気性のあるシートを全面に貼るのが理想です。

しかし1棟あたりの工事金額は5~8万円程かかることが多く、理想ではあるが省くことも検討に値すると考えています。

帯状のシートを複数列タッカー打ちして落下防止としている例。

ほとんど材料コストがかかっていません。帯状のシートはタイベックで、端材を使ったのか、 コスト削減の姿勢に床下で脱帽しました。

もう一歩先へ、という場合は木の棒(ラス下とかガラ板と呼ばれるもの)を打つ方法。

釘やビスを用いるのでより外れにくい。

とにかく重要なのは断熱材が落下しないこと。

断熱材が床の裏面に密着していること。

通常床下ではおだやかに自然通風が行われていますが、床歩行振動や、台風時など極端に風が吹いたときなどに落ちない、たるまないことが第一です。

グラスウール以外にも、発泡スチロール的な、ボード状の断熱材もありますね。

この場合でも落下防止を甘く見てはいけません。

専用の金具が見られますが、引っ掛かりが甘かったのか、金具の先端が曲がって落下しているケースもしばしばあります。

新築した当時はピタッとなっていたのかもしれませんが、木の乾燥収縮によって数ミリずつ隙間ができたはずです。

ボード状断熱材を使用する場合、その落下防止金具の選定は、普通現場監督さんが行うんだと思いますが、断熱材の厚みや種類によって各メーカーから発売されているものをできるだけ使いましょう。メーカーさんは開発時にいろいろなシチュエーションで実験しているはずですから。

キッチンなんかで奥様のリクエストが多い、床下点検口兼床下収納庫も床が冷たくなる原因の一つです。

調査にいくと梅酒とかワインとかが入ってますね^^

保存に適した温度で重宝するのは分かりますが、それと引き換えに、氷のように冷たい床になってしまっているはずです。

もしどうしても天然の保冷庫が欲しい、という場合は床下とは別の場所で考えたほうが賢明です。

次にユニットバスの下をみてみましょう。

ユニットバスの床の裏側に1~2cmの発泡スチロール断熱材がついているので問題ないように見えるかもしれませんが、 これだけでは床が冷たい、すぐに浴槽のお湯が冷めてしまう、といった症状がでます。

床下は冬の間、5℃前後の気温でとても寒い空間であることを念頭においてください。

ユニットバスの床下断熱材は効果はないとは言いませんが、この程度の厚みでは熱の移動はどんどん進んでゆきます。

ユニットバスの床下は、寒い風が入ってくる「床下ではない空間」にすることが大切です。

床下ではない空間とは、室内空間という意味です。

基礎断熱といいますが、基礎コンクリート面にボード状の断熱材を張り付け、 床下換気スリットをふさいでしまうことです。

これで入口の点検口をふさぐと、部分的にユニットバスの床下は屋内空間とつながり、脱衣室で暖房をすると、連動してこの空間も温度が上がります。

点検口も断熱材で作ります。縁には気密テープを張って、時として点検が出来るようにしておきます。

泡状のものは発泡ウレタンという断熱材です。

「我が家が寒いので診てほしい」とご連絡をいただき、 床下に潜ってこんな風になっている家は、残念ながら過去一棟もありません。

ということは、こんな風に配慮されていれば床が冷たいなんてことがないということです。

この「家」にしてよかった第③号が発行されました。 (第②号にはRebornの掲載があります)

暖かい家に暮らすためのコツのような記載がいたるところにある良書です。

これから家づくりをしようと考えている人は必ず読んでください。

寒い家にしないためにはまず読書! やっぱり紙がよい。じっくり何度も読む山道は、暖かい家づくりにそのままつながってゆきます。  

特別な工法や、先進的な方法によらずとも、暖かい家に暮らすことはできます。

2019.2.19 Reborn塩原  

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