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サッシの性能競争は果たしてヒートアップするか!?

2021.05.01|設計・デザイン
塩原真貴

ついに出してまいりました!

シャノンさん(株式会社エクセルシャノン)によるその名は

「シャノンSPG(エスピージイ)」

シャノンのSとパナソニックのPに、Glabenir(グラベニール)のGでSPG。

グラべニールはパナソニックが開発した真空断熱ガラスです。

シャノンとパナソニックが資本提携したのは昨年の春。

わずか一年で商品化するとは恐れ入りました。

トリプルガラスの室内側に0.1mmの真空を持つGlabenirを組み合わせ、Ug値=0.29を達成。

結果2つの空気層と1つの真空層をもつ4枚のガラスで構成されてるわけですが、U値0.29は相当優秀な値で、

外壁で例えると、高性能グラスウール16Kが150㎜充填された大壁に匹敵します。

水槽のような透明スケスケの部屋も、快適性を保つことができるので、

もしも開発が100年早かったら、ミースやF.ジョンソンのガラスの家でも、採用することが出来たならすごいことになっていただろう。

地球温暖化もここまで進んでいなかったのかも。

 

 

ガラスがそんなことになってくると、今度の問題はフレーム(枠)のほうになってくる。

エクセルシャノンさんは、枠の中空部分にウレタンを充填させた枠を持つシャノンウインドUFを数年前に発売している。今回のSPGにも当然このウレタンが注入された枠が採用されており、

結果Uw=0.59W/㎡・Kという驚異的な断熱性能を持つ窓の登場となったのだ。

 

先ほどのシャノンウインドUFの断面写真には、さりげなく強力なライバルを滑り込ませている。

ドイツのUNILUX(ユニルクス)というメーカーの樹脂サッシだ。

当然ながらトリプルガラスで、ガラスの厚さが4㎜もある。

こんにち一般的には3㎜のガラスがサッシには用いられるが、大きな面積のガラスは破損の恐れありなので、

一定面積以上には4㎜のガラスが使われるが、どちらかというと特殊。

それをUNILUX社は標準で4㎜厚としている。

 

特筆すべきは枠の断面で、細かな中空部分(「チャンバー」と呼ばれる)が数多くあるのが特徴で、

これが枠の断熱性能を高める構造となっているわけだが、ウレタンなり断熱材を充填するのは困難。

つまりチャンバーの数を増やして、樹脂で成形されたフレームで勝負するか、

チャンバーはシンプルにして、そこに断熱材を詰め込んでゆくか、

今後各サッシメーカーは性能競争をするうえで、どちらかの方向性に向かってゆくのだと思われます。

 

 

 

 

数年前にドイツのバウ展という建材メーカーの展示会では、すでにサッシ枠に断熱材が入ったものが多くあり、

リサイクルの観点から、シャノンさんのようにウレタンを充填するのでは処分時に分別ができないというので、

ご覧のように「抜き取ることができる」が充填断熱材の選定基準になっていました。

このあたり、シャノンウインドUFが発売された際、シャノンの社員の方に聞きましたが、たしかにそこは課題になっていて、回収後、特殊洗浄液でウレタンを溶かし出して、さらに再利用するような工程を検討しているとおっしゃっていました。

現在に至り、そのリサイクル工程が確立されたのかは存じませんが、製造~廃棄~リサイクルまで考えるならば、

原発同様、けっこうなコストになってきてしまうのではないかと思います。

 

 

さらにエクセルシャノンさんは、枠の内側も外側もブラック、

まっくろなサッシを発売しました。

残念なのはドレーキップ窓は、今現在室内側がホワイトになるそうで、

DK(ドレーキップ)を設計時にけっこう盛り込むタイプの私は、

「いったいどうした? いじわるだなー」という気持ちを抱いています(笑)

 

さあさあ、黙ってられませんよYKKさん、LIXILさん、三協さん!

これでようやく日本にもドイツに匹敵する断熱性能を持つサッシが登場しました^^(祝)

シャノンウィンドウSPG

サッシの歴史年表におそらくその名を刻むことになるでしょう(‘ω’)ノ

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