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中野市B様断熱・耐震・水回り同時改修

2016.09.15|リノベーション
塩原真貴

花束を抱えて「これからもよろしくね」、もよし。 ケーキを買って早めに家に帰る、もよし。 「これで好きなもの買って」は、ちょっとやだなぁ~。

いろいろ考えたんだけれども、 結局、朝起きたときに 「おはよう、これからもよろしく」 って、ぶっきらぼうに言ってしまい後悔。

「え?なんのこと?」 って、そりゃぁないでしょう~( ;∀;) 昨日は14回目の結婚記念日でした^^

中野市で始まった、断熱・耐震・水回り同時改修。

かなり大規模で、派手にやってます^^

築40年程の木造住宅です。

過去、千曲川の氾濫で、床上1.5mほど浸水した経験を持つB様邸。

建て替えではなく、リフォームを選んだのは、費用面ということもさることながら、愛着のある間取りや先代が苦労して造った家を、ハイソレと壊せない、 現状の状態がそれほど傷んでいない、という理由からです。

今春、晴れて定年退職を迎えたB様はこれまで転職が多く、本格的に家に鎮座するのはこれが初めて。

暗い室内、ため込んだ不用品の整理、寒さや段差解消など、今後の老後を見据えてのリフォームとなります。

しっくい真壁造の外壁に、早々に構造用合板を貼りました。

耐震性を上げるため、という理由も当然ですが、防湿層、という意味を同時に持ち合わせています。

だから合板の継ぎ目には気密テープが貼ってあります。

構造用合板はねじがよく効きます。この面に、よこ間柱(30×105)を455mmピッチで止めつけます。

ここにいずれ高性能グラスウール105mmが充填されます。いわば外張り断熱。

断熱材の下地でもありますが、建物のいたるところに立っている柱同士をつなぐ役割を、 構造用合板と横間柱で受け持っています。

この工法は、壁が土塗り壁の場合、よく採用しています。

土壁は解体するのがタイヘンで、産廃処分費もけっこう高くつきます。

現場も土埃が、もうもうとして、近所迷惑にもなりかねません。

木造住宅の断熱の基本は、柱間にグラスウールやロックウール、セルローズファイバーなどの”もこもこ”した質感の断熱材を隙間なく、かつフワッと詰め込むことですが、かつては土壁が主な壁でした。

土壁はいわば竹と泥で造るわけですが、稲わらを細かく刻んだものを混入して嵩を増し、藁がもつ空気層が若干の断熱効果をもたらしていたのです。

しかし土は土。けっして断熱材ではありません。

多くの人が勘違いしているのですが、断熱材は、断熱材を構成しているガラス繊維や紙屑が断熱するわけではなく、その細かい繊維によって形成されている動かない空気が熱を遮る役割を果たしています。発泡スチロールのようなボード状の断熱材はその中にある空気の粒(泡のように)が熱を遮っているということになります。

土壁の家は暖かい、 実はそうではありません。

むしろ熱を蓄える性質もあるので、 冬は、暖房しても暖房してもなかなか暖かくならない 夏は、夜になっても、窓を開けても、なかなか涼しくならない、 ということにもなっています。

今回、家の外側をグラスウールで丸ごとくるむ外張り工法を採用したのは、現状ある土壁を蓄熱体として残し、そこに蓄えた輻射熱によって室内環境をよりマイルド(安定した温度)にしたいという考えからです。

床はすべてはがしました。一部シロアリ被害もありました。

柱を入れ替えた箇所もあります。

「へぇ~、こんな風になってるなんてびっくりした。」とBさま。

構造計算から割り出された、柱の引き抜き防止用の金物をいたるところに、とはいっても計算をもとにして取り付けました。

和室の天井を剥ぐと、ありました松丸太。

どうやら40年前も古材を利用したようです。

小屋組みの木材は健全ですが、野地板は張り替えます。

40年以上ここに住みながら、こうした骨組みを目にすることは、普通の人はまずありませんね。

ここでも「へぇ~こんなふうになってたんだ~」とBさま。

天井高さを、これまでよりも高くできるのかな?って聞かれました。

5cm程はあがるでしょうか。でもこれからは背が縮んでゆくでしょうから、どんどん天井が高くなりますよ、なんて失礼を申し上げてしまいました<(_ _)>  

本日、床下に防湿用のコンクリートが打たれます。

万が一の大洪水、床下浸水に備え、水中ポンプをセットするマス(カマバ、とかって呼ぶ)を数か所に。

防蟻消毒、床下配管、床断熱工事、と続いてゆきます。  

築40年目の大改修。

今回が4回目のリフォームは、50年先を見据えています。  

2016.9.15 リボーン塩原  施工:坂田木材株式会社  

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