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丸太の梁が危ない

2016.10.27|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

Rebornには住宅に関する様々なお困りごと相談が舞い込みます。

メールであったり電話だったりするのですが、 「家の中が寒すぎる・・・泣」、「結露がひどくて困っている」などの断熱に関することがトップワン。

次に耐震性に関すること。「耐震診断を受けたはいいが、はて、工事はどうやってやればいいのか?」、といった類のもの。  

ご相談いただいた方々にはそれぞれの生活があり、志向があり、当然予算もあります。

「こうすればどうか?」、という回答はなかなかその場で答えられないものですが、時間の許す限り現地へ赴き、見えない部分も含め、まずは健康診断的に建物全体を公正に評価するようにしています。  

断熱や耐震に次いで最近多いのが、ログハウスに関する耐久性に関するご相談。

丸太の梁が腐っていたり、隙間風の悩みだったり・・・。  

そう、わたくし塩原の前職はログハウスを建てる工務店でしたので、そのOB宅のメンテナンス記事のブログなどをご覧になってのお問合せ、という経緯です。

丸太を外部あらわしに用いた工法は、非常に味わいのある、ぱっと見カフェやペンションのようなかわいらしさがあるのですが、雨仕舞をよくしておかなければ耐久性に欠ける、非常にあやういつくりになっています。

DIYで木部の再塗装をしていたところ、ご自身で発見された梁の腐れ。

建物の北側になりますが、けっこう軒が深く出てはいるのですが、胴差(どうさし)と呼ぶ1階と2階の中間にある梁の一部が腐っていました。

すでに腐っている部分をえぐるようにして削ってもらっていました。

深さは5cm~10cm程にもなっています。

幸い丸太の中心の方、芯(しん)、といいますが、そこら辺までは到達していませんでしたので、大事には至っていません。

原因は、すでに賢明な読者の方はお分かりでしょうが、 「梁上の水切りの出の不足」、であります。 

ポスト&ビーム工法と呼ばれるこの工法では、今でも普通にこうして水切りが取りるけられている現場を見かけます。

普通に考えれば分かると思いますが、少し風がある日に雨が降れば壁面に雨水が吹き付けます。

壁に当たった雨水は、壁面を流れ落ち、水切り上に垂れ落ち、 この写真のようなつくりでは、次に丸太のアール面に流れ着きます。

そのままポトッと落ちる雨水もあるでしょうが、丸太に入ったひび割れに入る水もあるでしょう。

割れ目に入った水は乾くことなく、いつまでも溜まり、木をじっとり濡らしています。

正しくはこのように、 丸太の面が真上から見えないほどに出幅を持った水切りを付けるべきです。

斜めに水切り勾配をつけた木の下地を丸太の上に乗せて取付け、 それをカバーするように板金屋さんに加工してもらうのです。

いわば、丸太の雨宿りのための屋根を付けてあげるのです。

こうすれば、よほど横殴りの雨でない限り、丸太は濡れません。

「塗装を頻度よく実施していれば大丈夫だ、とメーカーの人から聞いた」

これもよく聞く真っ赤なウソ。

これだけの雨宿りを付けるとなると、結構な手間とお金がかかりますから、施主が「こうやって作って」、と言わない限り、メーカー(工務店、あるいは設計事務所)側は回避することが多いと思われます。

ほか、玄関ポーチの柱が乗った丸太土台も腐れが進行していました。

こんなふうに、土台が先に延びて、柱が乗っかっているところは要注意です。

相当屋根が覆いかぶさっていないと、雨の日はこの辺りがびしょびしょに濡れるわけですが、 丸太の割れに入った水はなかなか乾きにくい。

乾いては濡れ、乾いては濡れ、というルーティーンをこの部分は約20年程繰り返してきました。

腐ったら取り換えればいい、そんな理屈も工務店側にあるのかもしれませんが、 腐った木というのは実に頼りなく、大きな地震が来た時など、そこが弱点になって倒壊しかねません。

ほうら、手でどんどんむしり取れてゆきますよ~( ノД`)シクシク…

こういう箇所はできるだけ完全にむしり取ってしまいましょう。

腐朽菌の温床です。

これから寒くなってきますから、腐朽菌の活性度は落ちてゆくと思いますが、夏や梅雨時期は要注意。

1か月くらいであっという間にふかふかになってしまうことだってあるのです。  

幸いにもこの程度で済みました。放置すれば菌ですからどんどん浸食してゆくことでしょう。

抜本的な解決方法は、この土台が雨に濡れないこと。

つまりはやはり雨宿り板金をかぶせることになるのです。

柱は意外と腐りません。

割れがたてになりますから、濡れても水がたまらないからだといえそうです。

ただ割れも貫通しているわけではないので、水が停留するような柱はやはり腐ります。 

またマニアックな毒のある記事を書いてしまいましたので、全国各地からお電話があることでしょう。

先日起きた鳥取県の地震。

震源地近くの大山町に、15年前に新築したポスト&ビームの家、Oさん宅があります。

翌日恐る恐る電話をしましたが、何ともないとのこと。ホッとしました。

このお宅は雨宿り板金がついてます(*´з`)

しお「Oさん!だだだ大丈夫ですか!?」

Oさん「塩原さん!びっくりしないでください!!」

しお「・・・・ぅぅ」

Oさん「ほかの家は結構ゆれたみたいですが、うちはびくともしません!」

しお「(*´з`)~~~」  

正直、15年前は阪神淡路大震災の後とはいえ、耐震については今ほどシビアに考えていませんでした。

しかし、知らず知らずのうちに、かなり耐震性が高い建物の作り方を実はしていたのです。

その秘密はまたの機会にブログで紹介しようと思います。

2016.10.27 Reborn塩原(毒度3)  

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