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玄関と階段がまんなか

2017.12.19|設計・デザイン
塩原真貴

先週末完成見学会を開催させていただいた、長野市安茂里のT様邸の完了検査を本日行いました。施工:坂田木材株式会社

無事合格だったわけですが、お引渡し直前レポとして、WEB見学会のような感じでご覧いただきたいと思います。

自分でいうのもなんですが、コンパクトにまとまったプランニングで使いやすい間取りだ、と思っています。

6人家族のための家ですが、個室の部屋として6部屋、客間として和室1部屋、合計7部屋あります。

1階と2階それぞれにキッチン、洗面、トイレ、バスが備わっています。

つまり共有は玄関だけってこと。

プランニングの初期段階では、「なかなか60坪を切れない汗」、という状況だったのですが、 玄関と階段を家の中央に配置することにより通路をできるだけ削減して、56坪におさめています。

外観。北東より見ています。

1階と2階とで要求面積が異なり、約25㎡1階の方が面積が大。

この処理として、北側(正確には北西)を下屋としています。

2階の屋根は4寸勾配、下屋は3.5寸勾配として、微妙に変えています。

屋根は平瓦。外壁は窯業系サイディングを1、2階でカラーを変えて貼り分け、 玄関ポーチ&縁側デッキの下屋下部は、杉無垢羽目板張りとしています。

サッシはYKKAPのAPW330、玄関ドアもYKKAPヴェナートK2 玄関ポーチタイルがテラコッタ調の300角ですが、2色を混ぜてランダムに貼っています。

ここが板張りなので、意外と違和感はありません。

和と洋が、けっこう混ざった、ある意味不思議な組む合わせではあります(笑)

バルコニーが日除けを兼ねた、南東の掃き出し窓。

この柱も通常はサイディングで覆うのが一般的だと思いますが、あえて無垢のまま見せています。

柱はひのきの生き節あり。材木やさんがつくる家なのですから、 できるだけ外部にも劣化などの支障がない範囲でアラワシにしましょう、ということで化粧柱としています。 

南向きの1階の窓は、夏の日除け問題がありますから庇(ひさし)をつけています。

ひさしといっても、最近は既製品でけっこういろいろなものがありますね。

昔は一つ一つ現場で大工さんが作ったもんですが、最近はアルミ製のものが主流です。

夏はすだれをかけられるようになっています。こちらもサッシに併せてYKKAP社製のコンバイザーなるもので奥行の深いものを。  

 

そして内部へ 

玄関ホールは間口1間。

最近はシューズクロークが流行っていますが、玄関と共で少なくとも4畳(2坪)程は必要となります。

その割には通路部分が多いので収納量はこの壁面収納型と大きくは変わりません。

「ゲタバコ」とも最近は呼ばずに、「玄関収納」と呼ぶ傾向になります。

既製品をうまく活用。造作家具のように見えるよう納めていました。

玄関を中央に配することが多い2世帯住宅ですが、 玄関入ってすぐのホールは、こんな感じに暗くなる傾向があります。

その解決策として、いろいろと考えうるわけですが、けっこうそれなりに金額がかかります。

2階の床を透光性のあるものに一部したり(FRPグレーチング)

VELUXの光のトンネルでetc.・・・・。ムキになるとひどくお金がかかります。

かといって照明器具に頼りきるのもどうか。

最近の玄関ドアはガラスが小さいのでそれ程期待できないので、 ホールから接続している部屋のドア・引き戸から間接的に光をとりこむ方法や、 客間など、常時開けっぱなしにできる部屋を隣接させるのは、どうか?

先ほどの写真は全部の部屋を閉じ、かつ照明をつけていない日中の中央、玄関のホールでしたが、 隣接する部屋入口を開けると、いっきに明るくなることが確認できました。

また、建具についているガラスやポリカーボネートなど透光性のあるものがあると、かなり明るさを得られるということもわかりました。

この辺りが設計上の懸念材料だったわけですが、 まあ、あまり普段人がいることもないので、それなりに割り切って中廊下形式としてしまうのが、正解なのかもしれません。

また、間取りをコンパクト化させるうえで、どうしても窓が取れないということもあるわけでして。

ここは1階の脱衣室ですが、2階がない下屋となっているので、光井戸などとも呼びますが、 天窓を設け、四角い筒状に光を導いています。

結露の可能性が当然あります。

あまりひどいようでしたら、ガラスなど、密閉できるものが必要になるかもしれませんが、 まずはやってみようということで、筒の中を塗装仕上げとしています。

脱衣室はやわらかい光が落ちていて、なかなかいい感じではあります。

タオル掛け式のパネルヒーターで22~23℃程度暖房をして、換気扇も24Hまわし、あとはVELUXの天窓の断熱力を観察してみるとしましょう。

1階の客間は6帖畳敷きの和室です。

床の間、仏壇、押入れ。

床柱は日光杉とひのき。

障子越しの柔らかい光は、これに替わるものはなかなかないぞな、 と思わせるこのものがあります。

聞けば太鼓のお稽古をここでお祭り前に行うのだとか。

お琴に生け花、 書道に詩吟(ココデシギンカヨ~( ;∀;))、 囲碁や将棋、それにお説教。

日本の伝統的文化は、やはり和室でこそその格調を存続できるのではあるまいか。(マタオオゲサナコトイッテルゥ~)

LDKは対面式のオーソドックススタイル。

和室以外は引違窓ではなく、FIX&すべり出し窓で固めています。

ひのき無垢フローリングとひのき羽目板天井。

それにパネルヒーターによる全館暖房。

最近坂田木材さん定番ラインナップです。

キッチンの奥には勝手口付きのパントリー。

白基調で明るいイメージ。

吊り戸棚ありで、収納量を確保しています。

玄関ホールには、2階へと続くドアがあります。

1、2階で分ける2世帯住宅の場合、ここにドアを付けるかどうか、けっこう白熱した議論になることが多いです。

2階上がったところにドアまたは引戸をつけることも検討されました。 もちろんドアをつけない、ということも検討しました。

悩んだ末のドアです(笑) 

2階へと来てみるとホールになっています。

ホールは洗面脱衣室やトイレへの通路と一体化しています。

2階にドアなり引戸を付けるとなると、この階段廻りを壁で囲うことになりますから、 やっぱりこの形がいいだろうという結論になりました。 正解だったと思います。

この階段ホールの手すりは腰高で、ちょっとした本棚も兼ねています。

向こう側はLDKです。

2階は床、天井共にパイン材で、洋のカジュアルテイストです。

基本的には1階のLDKと2階のLDKが上下で重ねた形になっています。

木造住宅の弱点として防音性の弱さがありますから、 1、2階で同じ用途の部屋は重ねてゾーニングするのが基本です。

2階にはそのほか寝室、ベランダ、子供室×2部屋が。

暖房エネルギーは世帯で分けませんでしたが、 給湯は各世帯が明確になるように、オイルタンクを分けました。

給湯ボイラーも2台です。

ライフラインをどこまで分けるかも2世帯住宅のポイントになります。

電気や水道は1契約にしないと、基本料金が倍かかります。各々の使用料が分かるよう、子メーターを分岐先につけて、計測できるようにしておくのが良いかと思います。

初年度1年間実測すれば、どちらが何%つかっているかだいたいの目安は出るはずです。

耐震等級3の長期優良住宅。

Ua値=0.43(一次消費エネプログラムによる・QPEXだとUa=0.41)

設計上の光熱費(断冷房・換気。給湯・照明・家電・調理)は¥360,000/年と算出されています。

(最高等級4[Ua=0.75]だと¥440,000/年と比較で算出)

はたしてどんな結果になるでしょうか?

私としては250,000前後になるんじゃないかな、と予測しています。

関係者の皆様、お疲れ様でした。 そしてTさん、お幸せに♪  

2017.12.19 Reborn塩原    

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