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床断熱工法における気密処理

2020.06.25|断熱職人
塩原真貴

信州の梅雨は来週から本格化か。

あちらこちらで、ツバメやスズメが忙しく飛び交っていますね。

軒下や窓上など、思わぬ場所にあっという間に巣をつくってしまいますが、 日本人ならではなのでしょうか、すずめの巣は即座に撤去する方向へ。

だけどツバメの巣は無下にできない・・・。

そのままヒナが巣立つまで我慢して見守る、というのが常のようです。

なんなのでしょうかこの違いは??

日本人とツバメにはただならぬ歴史があるように思えてなりません。

住宅設計系YouTubeチャンネルを見て?

最近、「床断熱工法と基礎断熱工法のメリット・デメリット」についてお客さんからよく質問されます。

プロの世界でも意見が割れているのは確かです。

先進的な(勉強熱心な?)ハウスメーカーや工務店において、基礎断熱工法を採用している例がHP記事・ブログで目立っているため、 すっかり基礎断熱工法の方が採用が多いのかと思いきや、今も新築の7~8割程度は床断熱工法だと聞きます。 

基礎断熱工法の最大のメリットは家全体の「気密が出しやすい」と私は考えていますが、 シロアリ被害のリスクが高く、床下空間も室内の一部になるため、室内空間が大きくなり、冷暖房エネルギー消費量が増えます。

ゆえに基礎断熱とするのは浴室と玄関だけにとどめ、他は床断熱工法を標準としています。

床断熱工法の場合、1階の床の下は文字通り「床下」となり、温熱環境的には”外”となります。

完全な「外」というには語弊があるのかもしれません。

子供のころよくアリジゴクを収穫した神社の境内のような床下ではなく、 現代の床下はコンクリート基礎の壁に囲まれた、なんとも謎めいた空間となっています。

虫、ヘビ、ネズミなどが生息していることも少なくないので、人々は絶対にその空間に入りたがりません。

それゆえシロアリ被害も発見できず、給排水管が不調で水漏れしていてもずいぶん長い間気づかれずにいることもしばしば起こっています。

このあたりのネガティブな印象が、基礎断熱の方が優位だと勘違いされる要因の一つなのかもしれません。

基礎断熱工法は北海道から始まったと記憶しています。

冬期地面が地中深くまで凍ってしまうので、基礎コンクリートが半地下室のようになっている状態。

大人が中腰で立てる空間を利用して、ボイラー機械をそこに入れてしまおう、そんな発想からだったようです。

床下を1階の室内環境と一体化すれば、水道管の凍結も防げるし、点検もしやすい。

変な虫なんかも一切入れない空間になる、とそんな感じだったかと思います。

私も加盟していますが、新住協という工務店の集まりで基礎断熱工法は急速に普及し、 「基礎断熱をやってない? アンタそりゃーふるいわ」 そうささやかれていたのが15年ほど前。

「いやー基礎断熱にして気密とるのラクんなったわ」

そのうちに床下にFF式のファンヒーターを設置したらそこそこいいぞ、 ストーブの代わりにエアコンはどうだ、となったのは10年ほど前。

私はそれでも振り向かずに床断熱工法を続けてきた。

そう、自宅以外では・・・(自宅ではグラスウールによる基礎断熱工法をやってみて、作業性やイニシャルコストを検証。床下温湿度のデーターを収集(15年前))

問題になる気密は地味な作業ではあるが、柱・筋交いの根元や配管貫通部に気密テープやコーキングを施工。

1階の粗床合板を気密・防湿層としているので、これを怠ると床下から冷気が壁の中にたやすく入り、気密性があがりません。

35坪程の標準的な住宅で、作業時間約1時間。

これをやるかやらないかで1階床の気密性が全く違ってしまうのです。

施工管理上のポイントとして、給排水の床立ち上げは、必ず前もってやっておくこと。

だから、工事途中で住宅設備機器の変更はできません。

よくフローリングが仕上がった状態で、水道屋さんが配管の穴をあけちゃってる現場を目にしますが、 それだと水道屋さん、絶対に隙間を埋めてくれません。

だから冬になるとそこからスース―隙間風。

キャビネットで囲われちゃってるんで、直接的にその隙間がどこにあるのか、住人はよくわからない。

柱の付け根もけっこう地味なんだけど、こんな風にテープで目張りをしておきます。

床は体重で少なからずたわんでいますので、伸縮性のあるテープかコーキングで。

「乾燥と共に、柱に割れが入ったら床下からの隙間ができるんじゃない?」

おお、するどい突っ込みですね。

たしかに。定量化できませんが、可能性は十分にあります。

ちなみに発泡ウレタンは気密性はありませんのであしからず。

隙間は埋まったかのように見えますが、少なからず通気してしまいます。

さらに1階合板の継ぎ目にもテープを張ります。

ここまで見てきて「あー面倒だなー」と感じた諸兄は、基礎断熱も検討してみてほしい。

床断熱工法で気密性を確保するのは、このあたりの下ごしらえ的作業が不可欠なのです。

2020.6.25 Reborn塩原

※過去ブログで張り付けた記憶がありますが、再度メリデメまとめをくっつけておきます。ご参考になれば幸いです。 スライド19スライド18スライド17                 

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