
4月1日に建築基準法が大きく改正されました。
そのため、ここのところ睡眠不足とタタカっています。
ほぼすべての建物は新築する際、建築確認申請といって、建築基準法に適合しているかどうかを役所(現代では民間の審査機関にほとんど委ねられています)にチェックしてもらいます。
この建築確認申請の許可(「確認済証」といいます)が下りないと着工できません。
これまでは申請してから長くても2週間ほどで確認済証が発行されていました。
通称「4号特例」といいますが、木造2階建て住宅程度の(簡易な)建物は、建築士による設計の場合、審査項目の大半が省略されていました。建築士の知識や技量、判断に一任されていたとも言え、審査する側の業務負担を減らす目的もあったんだと思います。
そのため、重要な審査項目については当然チェックはあるものの、いちいちこの水道管はどういいものを使ってんだ?とかレンジフードの換気量は時間当たり何㎥の風量をもつものを使ってんだ?などのことは審査されませんでした。
このたびの法改正で、審査項目が爆増し、開始間もない現在、申請する側も審査する側もあるいみ手探り状態。
国交省が作成したマニュアルがあるので、あくまで審査する方もそれに則るわけで、「マニュアルの○○ページにあるように、△△の事項について図面に記載を」みたいなやり取りが延々と続くハメに。
「え~、そんなことも聞かれるの?」
などと感じつつも、やらないと当然 確認済証は発行されません。
設計者の責任において図面にしっかりと記載させることによって責任の所在を明確にし、施工もそれに倣って工事を実施。結果的に消費者(建築主)にとって間違いのない建物ができるわけなので、反論するなんてつもりは毛頭ないんですが、国交省さんもずいぶんやってきたな~、というのが正直な感想です。
こうなってくると、一人親方のような設計も大工工事もワンマンでやっちゃうような昔の「棟梁」とよばれる工務店の親父さんたちは確認申請するのけっこう大変になると思う・・・。
ある意味「そうはさせない」という意図なのかもしれないが。
愚痴はここまで。
ゴールデンウイーク明けはRebornにとって、わたくし塩原個人としても超多忙でした。
かれこれ30年近くこの仕事をしていますが、カコイチ情報量も寝不足も大きかったのかもしれません。
「乗り切れ5月を!」
というのが目下わたしのスローガン。
山登りにも夜のランニングジムもおろそかに、ひたすらタスクをこなす日々です。

実は黄金週間中も、アシザワ大工と脱走犬対策で木製フェンスをつくっておりまして、
4月頭に完成・引き渡しをした飯綱町A邸で木杭を打ち込んでいました。
木製ファンスの作り方はいろいろあるわけですが、最も安価にやる場合は、ACQ防腐防蟻剤を加圧注入した木の杭を直接地面に打ち込む方法。
地面の土質が粘性土で締りが良く、石があまり混じっていないのが条件です。
杭の垂直性が最大の施工ポイントになるので、水平器や両側に張った糸を使って、一本一本まっすぐに杭を打ち込んでゆくのです。
防腐処理をしていない木の杭だと、まあせいぜい10年ほどの寿命と考えられ、シロアリの餌食になってしまったり、腐朽菌に侵されてボロボロになってしまったり・・・。
少し費用はかかりますが、テオリアランバーテックさんにて特注でアカマツ材に加圧注入してもらいました。

高さ1.2m程ですが、強風や積雪もあるので斜め材を入れて補強。
のべ約40m程で税込み50万以内に抑えました。
コンクリートの束石をセットして既製品のアルミフェンスだとおそらく150万くらいはかかるハズ。
工事は大工さんのみで完結しますし、期間も3~4日で済みました。
気になるのはその耐久性になるわけですが、先ほど述べましたように、塗装ではなく防腐剤を加圧注入した木材をつかうことでノーメンテナンスで30年は見込めます。地面に打ち込んでいるので、多少のゆがみは出るはずですが、手直しも簡単ですし、扉をつけたりとカスタマイズもしやすい。
カシッとした仕上がり希望でなければ、十分にこれでよいではないか。
それにしてもブロック塀はつくらなくなったなぁ。
4月からもいちいちブロック塀の安全性についても図面に書かなければならなくなった。
それだけテキトーに作って不具合や事故がこれまでにあったということなんだろう。