
三寒四温の日々が続いております。
卒業式やら引越しやら買い物やらで、市中は人出がぐっと増えました。
若葉マークをつけた車も多く、何かとせわしない年度末。交通事故にはくれぐれもみなさんご注意を!
さて、こんどの週末に完成見学会を開催する飯綱町・A邸が、ついに国立競技場に入り、トラックをあと一周すればゴーール!というところまできました。
工事関係者のみなさん、いつもながら適格で丁寧な施工をありがとうございました<(_ _)>
残暑がきびしい昨年8月末より工事を開始し、この間Aさんご夫婦の間に第一子が誕生し、4月には新居への引越しが待っています。住宅建築のお仕事のヨロコビは、なによりもお施主さんが笑顔で新生活にはいってゆく姿を見送る瞬間です。
地鎮祭で工事の安全を祈り、土を掘り、砂利を敷き、コンクリートと鉄筋で土台をつくる。
そのうえに木だけで柱と梁で骨組みを組立て、金物で補強をし、屋根がのって雨がしのげ、床ができ、電気の配線、水道の配管、窓をつけ、玄関ドアがついて鍵がかかるようになり、断熱をし、天井ができ、壁ができ、珪藻土が塗られ、家の中に電気が灯り、水道が使えるようになり、掃除をしてフィニッシュ!
約7か月の間にのべ400人工ほどの手間をかけて更地に家が建つ、ということがなんとも奇跡的な労力のかけかた。
私は調査から計画・接客・設計、そして施工管理を担当しているわけなんですが、引き渡し後も定期点検やアフターまで関わっていきます。
50歳をすぎて、そろそろ自分の死後にこれまで建てた家をどうやって維持してもらうか、という問題を考えるようになりました。
建物は私の寿命よりもはるかに長く使われてゆくはずですから、やはり維持管理・メンテナンスの面倒を見、点検や修繕の記録を残してゆかねばなりません。
後継者に引き継ぐことができれば万々歳ですが、これからの建築業界や経済状況、社会情勢をかんがみると、私どものような小さな設計事務所や工務店は、さながら長渕剛のようなシンガーソングライターのようでもあるので、永遠につづいてゆくものではないハズです。
最近考えているのが、小さな工務店同志のOB・OG宅の住宅を点検・修繕・フォローし続けてゆくような会社を設立すること。あるいは民間で良識のあるそういったアフターを担ってくれる会社に一任してゆくこと。
ちなみに私の娘はこんど大学4年になるので、そろそろ就職活動を行っているわけですが、当然建築業界には興味なし。
のこるは結婚相手が建築や設計を志をもつ何者かであってほしい、と心の奥底で願っている自分もいるわけで。
今後8年以内には答えを出して、そっちの方向のめどをたてたいと考えています。

30年もの間これしかやってこれなくて、面白くて、切なくて、ほかにやりたいことも特になかったのでずっと続けてきたわけだけど、20代の建築主を目の前に仕事をするようになると、ついついそんなことも考えてしまうわけなのです。
おかげ様ですでに大方予約枠は埋まっているようですが、自由見学枠がまだ少し残ってます。
年度末でご多用中かと存じますが、迷っている方はぜひ寒さ残る飯綱町に来てくださいね~。
今回の見どころポイントは、
・高低差のある敷地の使い方、段差処理のされかた
・既製品のカーポートをどう外構計画に組み込むか
・方位が45°振れた土地に、どう設計したのか
・屋根つきのひろ~いデッキテラスが、果たしてどう使われるのか
・L型に構成されたLDKにどのように家具をレイアウトするのか
・吹き抜けはないんだけどエアコン①台で全館冷房を可能にするスノコ床
・新規採用されたTEKT珪藻土&しっくい左官の色の発色、ムラのできにくさ
・積雪多い地域で耐震等級3をとることを考えると、こんなにでっかい梁がくる!
・フラット対面式キッチンのみせかた、使い方
など、ちょっと住宅デザインや間取りのこをと勉強しているプロ施主中級者の方にとってとても参考になるかと。