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耐震と断熱・気密はワンセット。同時にやるべき。

2024.01.27|リフォーム・リノベーション
塩原真貴

冬本番!

年末年始の暖冬めいた雰囲気は薄れ、今年もきっちり寒い冬がやはり訪れました。

今年も多くの方々から「寒いのでなんとかして!」、「お風呂の下の断熱施工やって!」などという悲鳴に似た相談が寄せられます。

また、今冬は元旦の地震の影響か、地震対策についてもご相談多数。

Rebornの設立当時からPRしている「耐震・断熱同時改修のすすめ」がようやく世間に認知されてきている実感があります。

とはいえこの分野はまだ黎明期。

耐震診断はまだしも、”断熱の診断”はなかなかに難しく、プレーヤーも少数で2050年ニッポン総ZEH化なんてまったく見えてこない。

床下調査物件の1枚。

ユニットバスの下の絵ですが断熱材がない!

それほど古い施工時期ではないんですが・・・。

床下空間とつながっているのでこのお風呂(ユニットバス)は屋外に設置されているに等しい。

サーモグラフィーで見るとこんな感じ。

パッと見オレンジ色なので暖かそうにみえますが、この画面の中で最低の表面温度は1.5℃(窓枠)、最高表面温度は5.6℃。
壁も浴槽も5℃程度しかない。
ファンヒーターで暖をとった27,8℃の居間からこのお風呂に入るにはあまりに危険すぎる。当然脱衣室も5℃前後。

さらに床下を進むと破壊された基礎と階段の裏側に断熱材がない。

今度は屋根裏を除くと屋根の裏側で結露による白カビ大量発生。

筋交いには金物なく、気流止めも当然ない。

ファッションショーのような見た目重視の情報発信が多い中、

もうこうなったら私は住宅の見えない部分のリアルを今年は重点的に発信してゆきたいと思う。

ネガティブな情報で薄気味悪いが、もう、そう決めたのでご免なさい。

もうこうなってくると屋根を葺き替えるしかない。

屋根材の下には野地板(のじいた)と呼ばれる板面があるが、屋根面は当然外気温同等あるいはそれ以下なので、

そこに暖かい湿った空気が触れれば結露するのは当然。カビ発生→木が腐る→いずれボロボロになる。

結露は木造住宅の大敵で、木が腐れば当然建物は弱くなります。

屋根の面は、実は耐震性にも大きく関係しており、この面がしっかりしていないと巨大地震には到底対抗できないのだ。

断熱気密と耐震はまったく別の話ではなく、どちらも両立すれば住宅のリスクはほとんど解決したといってよい。

 

耐震補強は確かに大変。

壁や天井、床のけっこうなヵ所をはがしての施工になります。

土壁の中に埋まっている筋交いの端部に金物をつける。

柱が抜けないように金物で補強する。

絵的にはまったくなんのことだかチンプンカンプンだと思いますが、こういう地味な工事が耐震補強なのです。

 

大事なことなのでもう一度言っておきます。

耐震補強と断熱・気密はワンセットでやらないと真の安心は得られません!

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