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売買契約を買主から解除するとどうなる?ペナルティはある?

2022.08.31|不動産
笠井美英

不動産の売買契約書を交わした後で、買主側から契約キャンセルしたらどうなりますか?…という質問を受けたので、その話題を。

「急病で長期入院することになった」

「転勤が急に決まった」

「別の物件が気に入った」

「住宅ローンの審査が通らなかった」

…など、キャンセル理由も様々でしょう。

 

結論としましては、売買契約してから引渡しまでに買主の都合で解除する場合はペナルティが発生します。

ただ例外もあるので、契約解除のパターンとペナルティの有無について紹介しますね。

【ローン特約による解除】

予定日までに住宅ローンの融資承認が銀行から下りなかった場合の解除です。買主が購入資金を用意できないので、ペナルティ無しの解除となります。

契約書にローン特約の記載があり、かつ、買主がローン申込みの手続きを適正に行っていたことが条件となります。

 

【買い替え特約による解除】

買主が居住中の自宅を売却して次の物件の購入費を捻出する予定だったものの、希望額で売却できなかった場合の解除です。 こちらも契約書に特約の記載があれば、無条件で解除できます。

 

【手付解除】

理由は問わず、売買契約締結時に支払った手付金を放棄することで「やっぱり購入をやめます」とキャンセルできます。 しかし、手付放棄で解除できる期間は決められているので、それを過ぎてしまった場合は、さらに違約金(代金の10%~20%)対象となります。

【売主の契約違反による解除】

稀なケースですが「売主が必要な手続きをしてくれない」など、相手が約束を守らなかった場合のキャンセルです。当然、買主のペナルティはありません。逆に違約金の請求ができる可能性も。

 

【契約不適合責任による解除】

説明を受けていなかった隠れた欠陥が物件に見つかり、居住する目的が達成されない場合の解除です。かなり稀なケース。実際には売主がお金を支払って賠償することになります。

 

以上です。

売買契約を結ぶと、当事者は取引完遂に向けて責任を果たすことを約束したことになります。

ですので、自己都合だけで契約を無かったことにする場合はペナルティ対象となるので注意しましょう。

参考になれば何よりです。

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