日曜日、雑誌の取材を行いました。
今年の6月ごろに書店に並ぶはずですが、この寒い時期に、果たして家の中はどうなっているのか?
そんなことを住んでいる方の生の声としてお伝えできるような紙面になり、社会的にも省エネ性能に優れた住宅が増えることの一助になればと思います。
その日、外気温は7℃にもなり、温水暖房はスイッチが切れていましたが、室温25℃。太陽の熱で、ややオーバーヒート気味。
Tさんは家族みなさん裸足でした。
足の裏は無垢のフローリング(この写真は長野県産杉)に触れてさぞうれしいことでしょう。
ラッペンワックス、という自然塗料を、完成時にTさんご夫婦で刷り込んでいましたね。
最初は滑りやすいのですが、あれから約半年。自然な艶が出て、滑りにくくなっており、落ち着いた感がありますね。
Tさん、お休みのところご協力ありがとうございました。
また、鬼無里のMARさんからも温度記録のデータが届きました。
昨年秋竣工。Rebornの標準工法であるこちらもやっぱりキューワン住宅。
外気温は氷点下10℃以下を連発していますが、室内(このデータはキッチンの北面にある窓辺に設置)は21℃前後で非常に安定しています。
ディプロマット屋根上の雪は落雪せずに踏みとどまっているとのこと。除雪の手間がなく、いまのところ狙い通りに事が運んでいるようです。
キューワン住宅は、その安定した室温を可能にしていますが、エネルギー消費量も大変にお得です。
温度ムラがない室内→どこも同じ温度→無垢のフローリング→裸足が気持ちいい
そんな暮らしをしている人がいる一方、Rebornには毎日のように、残念な暮らしをしている方から相談が持ち掛けられます。
「寒くて耐えがたい」
「お風呂のお湯があっというまに冷えてゆく」
「ガラスについた結露水が凍って窓があかない」
など、もうこれ以上寒い家には住みたくない!、いったい何が原因なのか?、断熱リフォームっていくらくらいかかるのか?
みなさん切実な想いでお声がけをいただきます。
なかなか昼間事務所にいることがないので、メールでやり取りをせざるを得ないことが多いのですが、 同じように感じている方も多いと思いますので、参考にと、そのやり取りの一部をご覧ください。
今回は、マンション編。
こんなに真剣に省エネの事を考えていて下さる方がいると思うと、なんだか少し目の前が明るくなりました。
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株式会社Reborn
塩原真貴様
はじめまして。○○と申します。
マイベストプロ信州信濃毎日新聞の記事を拝見しメールさせていただきます。
私は、都内のマンションの理事会で理事長をしています。 マンションは築17年で、現時点で大きな問題はありませんが、将来的にサッシ交換の検討を始めたいと思っています。 サッシは共有部となり、長期修繕で費用の積み立てをしておく必要があるためです。
アルミニウムは素晴らしい材料ですが、断熱が必要なところに使うのはナンセンスだと常々思っておりまして、将来的に交換するのであれば 樹脂もしくは木質系の、断熱性のある材料を使いたいと思い、いろいろ調べているうちに、サイトに巡り付きました。
地理的時間的な条件を勘案しましても、その時に御社に何かをお願いすることを約束はできませんし、何らかのメリットを出すのも難しいように思います。 ですので、ご負担のない範囲で結構なのですが、お知恵をお貸し頂ければと思います。
マンションは、以下のものです。。
・2000年竣工
・12階建て、32戸。
・理事会は良好。
検討項目は以下の通りです。
・将来的に窓/ドアの交換を検討したい。現在はリクシルのものが入っている。
教えていただきたいのは以下の通りです。
・時期はいつがよいのか。物理的、制度的、技術的に。
・検討するにあたり費用は、どこに見積もってもらえばよいか。仮でも目安でもよい。
・チェック項目として、どこに気を付けるべきか。付き合いのあるメンテナンス業者だと既存のアルミにペアガラスくらいでお茶を濁されてしまう。
・その他、知っておくべきことがあるか。 どうぞ、よろしくお願いします。
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株式会社Reborn塩原です。
はじめまして。 この度はお問合せありがとうございます。
先日ドイツへ1週間ほど行って参りましたが、あちらではマンションなど集合住宅が一般化しており、角部屋ではなく、上下階&東西にも他室がある囲われた部屋が一番人気なんだとか。
2面しか外気に面していないので、光熱費が抑えられる。州によってはベランダに布団を干すことが禁じられているなど、ベランダがマスト、角部屋や最上階が人気も家賃も最も高い日本とは正反対です。
月々支払う光熱費に対して、ドイツの若い世代は非常に敏感です。
住宅業界も、今は、ゼロエネルギーハウスに対して国費補助金もつくことから人気があります。次第に売電価格が下落し、余剰電力、送電線のキャパの問題、原発の多くは再稼働せず、電気代そのものが高騰しつづけてゆくでしょうから、家庭用の太陽光発電は”うまみ”がなくなり衰退すると私は考えています。
その後求められるのは、やっぱり「断熱」だよね、ということになり、窓を筆頭に外皮の断熱補強が行われることになります。このプロセスはもう10年前にドイツがたどった道と全く同じだと思います。
ドイツには地震もシロアリもないと聞きますから、日本より断熱性能をあげることにコストをかけることに抵抗がないのかもしれません。それでも地球温暖化問題や省エネに対する世界的意識の高まりはだれも止めることはできません。
日本は機械産業が技術的・産業的にも強いので、ヒートポンプや太陽光発電など設備機器に頼ったゼロエネ社会に向かってゆくのは致し方ないのかもしれません。 しかしそれらはいずれ壊れるもので、とても維持費が高くつくのだということを、少し警戒心を持って観ている人は気づいています。
断熱や窓性能の強化は、住む人にも、大家さんのように住戸を提供する人にとっても、メリットがある、ウィンウィンの改修だと思います。
真冬でも寒くない、光熱費が一般よりだいぶ安い集合住宅は今後、最も人気が高まると思います。 現在はその過渡期であり、国の補助金制度やラベル化(性能を表示する)が整いつつあります。
本題と少し逸れましたが、ご質問の件について。
Q・改修時期
A・サッシ交換は外側で行うことが一般的なので、足場を組んで外壁の再塗装を行うなどの大規模模様替えの際が最もよいと考えています。内窓を付けるのも手ではありますが、2重サッシになり開け閉めは面倒ですね。
Q・検討用の見積もりは?
A・通常はその建物を建築したビルダー・ハウスメーカー・ゼネコンに依頼しますが、コストダウンを狙うのであれば、地元のサッシ屋さん、つまり交換工事をする人が存在する会社にお願いするのが最も安いですよね。でも信頼だったり、工期の問題など、総合的に判断しないといけません。サッシメーカーに直接聞いてみるのもいいと思います。メーカーは樹脂でしたら、********がよいと思います。木製はメンテナンス性・価格ともにまだ日本では難しいでしょう。 (あてがなければ、私を窓口にしていただいてもなんとかなると思います)
Q・ポイントは?
A・先ほどもありましたが、メンテナンス性、コスパで考えれば樹脂サッシのアルゴンガス入りLOW-Eペアガラスが最もよいと思います。 それを付けると光熱費がどのくらい下がるのか、住んでいる人や入居しようとする人に、ちゃんと説明をして理解を得ることが肝要です。(弊社でもその計算はいつも行っています) 実際に、みなさんそのことが劣化対策や美観アップよりもはるかに関心があります^^ 補助金も大事です。住宅省エネリノベーション促進事業、というのがあります。マンションでも適用可能かと思います。今現在は公募を行っていませんが、例年4月か5月に公募があります。これを使わない手はないかと。 さらに、現在も住宅ストック循環支援事業があり、最大30万円/戸の現金補助があります。
最後に。
誰かが儲けて、誰かが損をする、そういう社会構造にはほとほと疲れました。 地球温暖化防止も省エネ化も本来は未来の人たちに対する思いやり、責任。 そういう視点を持っていないと、公平性がありません、理解が得られません。 理事長さん、頑張ってください!!期待しています!!!
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株式会社Reborn 塩原様
エール、受け取りました。 ありがとうございました。 マンション理事は持ち回りで、理事長も特に考えなしに引き受けたのですが、2年を過ぎていろいろ勉強になり、世界は広がりました。
現在ついているサッシも、見た感じでは大変上等なもので、作った当時はお金かけていたのだろうと思います。
ですが、大型のアルミの枠は、熱を逃がすための特別な部材のように見えますし、スペース的にもコスト的にもペアガラスでも問題なく入れられたでしょうに、一枚ガラスで、もったいないことしきりです。 また、地震の影響か隙間風もあり、エネルギーが、しいてはお金が、考えようによっては国富が逃げて行っているのかと思うと、悔しい思いです。
数年前に、ガス給湯器を交換しましたが、その時もエネルギー効率についてずいぶん考えさせられました。プロパンの地区では、給湯器をプロパン屋さんが支給してくれることが少なくなく、その場合はその後のガス代で費用回収するため、初期投資が低く、しかも効率が低いものが積極的に選好される、と。経済合理性にあったこととは思いますが、ずいぶんひどい話だとも思いました。とんでもない話です。
産業用モーターの規格も、日本は水準が低く、日本の大型モーターは輸出用より効率が低い、とのことです。むしろ途上国には古いモーターがないので、全体でみると高効率だ、とも。古いものを大事にするのは、美しいことだと思いますし、艱難辛苦に耐えるのは大和魂の一部とも思いますが、そのような設計思想のハードに対して現代の快適さを求めると、エネルギー垂れ流しになります。
日本が技術的に優れている、というのは一部では正しいですが、それを優れて活用する社会ではないと思うようになりました。
早速、****さんに問い合わせをしました。 マンションのサッシは、そうそう替えられるものではないので、悔いのないようにしたいと思います。 また、補助金については、まったく想定していなかったので、これから勉強したいと思います。 今後も折に触れ、相談に乗ってもらえると、ありがたいです。 ありがとうございました。
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2017.2.7 Reborn 塩原(これってやっぱり毒度10なの?)
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