母屋:昭和50年(1975年)新築。築46年の2階建て木造軸組み工法。
残存図面あり。建築確認通知書(確認済証)が存在。検査済証はなし。建物登記あり。
物置:昭和20年頃新築。旧住居。昭和49年、曳家で移築。その際、コンクリート造の基礎の上に。残存図面なし。
移築の際の建築確認通知書が存在。建物登記あり。
はなれ:平成6年(1994年)新築。築27年の軽量鉄骨造プレハブ工法平屋建て。
建築確認済証のコピーが存在。検査済証はなし。建物登記なし。
このような3棟の建物を一気にインスペクションしてほしいというご依頼をいただきました。
当然一日がかりです。
ご理解・心得のある依頼主により、今回全部位の調査に同行していただきました。
後日「調査報告書」は当然に提出・説明させていただくのですが、細かいニュアンス的なこともあるので、できればインスペクションにはお立会いいただきたい。
中古住宅などの不動産売買にあたり、専門家による第三者の建物評価を行い、円滑な流通促進をすべしとの主旨でインスペクション制度が始まりましたが、
最近では「親が所有している建物を引き継いで問題ないのか、今後どう活用するのか?」
という、いわばリリーフ的インスペクションが最近増えています。
この場合、できるだけご一緒に、インスペクションにお立合いいただきたい、日ごろそう感じているわけです。
そして私の調査風景も撮影していただいており、本ブログ記事にも使用させていただきます。
最初の調査は外観。
目視や打診棒をつかっての触診が基本です。
部分2階建てなので、1階屋根(下屋~「げや」といいます)が存在します。
そこに昇って下屋屋根、軒天、外壁などをみてゆきます。
2階の屋根は前出の画像~自撮り的伸縮棒にて遠隔撮影。
こんな感じで撮れますので、会社に戻って画像分析する感じです。
安全第一ですから、しおはら、職人風に足袋(たび)なんか履いてますね😜
インスペクションの調査項目は膨大です。
キリがないといえばないのですが、普通の住宅であれば3時間程度は最低かかります。
また天候にもかなり影響されます。
雨が降れば屋根上の調査はまず無理ですし、建具の開閉など調査ができないことも。
あ~、晴れ男でよかった~(*´ω`*) 梅雨時期の生まれなのですがね(笑)
昭和50年(西暦1975年)といえばわたくし塩原は2歳で、
高度成長期と言われたインフラ整備イケイケ時代が終わり、すこし落ちついた期間ではなかったか。
和洋折衷のこの家は、玄関先にかなりのリキが込められていました。
いまではこういうこと、なかなかできんでのぉ。
石屋さん?タイル屋さん?
どっちでもいいが、大変いい仕事をしています。
これ、わたしではありません。同行してくれた、インスペクションの依頼主さんね。
いつもブログをご覧になっていただいていて、全ての用具を買いそろえていてくれたみたい(笑)
一緒に床下に潜ってくれたんです(*´з`)
総評
・母屋は大規模リフォーム(リノベーション)を行うにあたり、劣化対策、耐震改修、断熱改修など範囲が多岐にわたるため、建て替えを推奨します。費用対効果が薄いと診断します。(新築と同等の費用がかかるうえに、将来的な残存耐用年数が長くない)
・物置は、土壁が寿命を迎えており、住居としての活用を検討すると、いったんスケルトン状態にまでする必要性があります。床、壁、天井をすべて解体撤去し、耐震補強、断熱施工し、水廻り機器・配管ともなると、やはり新築同等の費用がかかることが見込まれます。
さりとて、この棟は曳家で移築した歴史があり、〇〇家の歴史的建造物となっている感もあります。
費用的に無理がなければ、部分的に活用するという可能性もあります。建物の一部でも計画可能ですが、耐震・断熱・防音リフォームを行い、居住性を高め、トイレや給湯設備を整えたピアノ教室などの活用は検討に値します。この場合、坪単価で60万円ほどかかると推測できます。
・はなれは性能的・機能的・美観的にも現状で十分賃貸物件として活用できます。台所の部分的な床傾斜は、抜本的な修繕が困難(基礎ごとジャッキアップ)であるため、土留め擁壁を新設する等、今後傾斜がひどくならない対策を講じた上で、費用がゆるせば台所の床の張替えによって対策とし、家賃は7万円程度が妥当だと思います。
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