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ちっちゃな吹抜

2018.12.06|Q1.0住宅
塩原真貴

最近インスペクションやOB宅点検のブログ記事ばかりでした。

しばらくアップしていなかった長野市松代・C様邸新築工事。

年内完成を目指して着々と進行中であります。

2か月半の大工工事が無事終了し、外壁は左官職人による西洋しっくいのための軽量モルタル下地作業中。

室内は紙クロスを張り終え、建築主によるしっくいローラー仕上げの真っ最中です。

とはいえ平日はお仕事があるので週末がD.I.Y.作業のメインです^^

外壁のモルタル状態。

今年の冬は暖かく、雨も少ないので助かっています。

「助かっている」という表現をしましたが、 左官工事は、”なにがなんでも予定通り”進めようとする現代住宅建築工程管理の原則から大きく外れ、 天気によって「やるやらない」が左右され、まったく不安定極まりない工種の一つです。

こういう現代にはおよそそぐわない工法を現在でも続けているのは工務店だけでしょう。

世には窯業系や金属系のサイディング外壁が90%以上でしょう。

しかし50年前の家はそのほとんどがしっくいや木板の壁でできていました。

Rebornの新築では、標準的に窓が外壁より引っ込んでいます。

アルミ製水切を付けています。高いですが!(笑) 水

切りにはあらかじめ養生(ようじょう)と呼ぶビニールがついています。

左官屋さんや塗装屋さんが落とすもので汚れないように保護しているシートです。

いずれ外壁が仕上がった後、このシートを剥がすのは誰か?

現場管理をする人は常にそういうことを考えています(笑)

この家、ちょっと工夫があります。

2階のホールに0.9m×0.9mという超小型の吹抜けがあります。

プランニング時、この吹抜を設けるか設けないかで夫婦間激論が繰り広げられたはずです(想像)。

このホールには全館冷房用の10畳用エアコンが設置されます。

「全館暖房をする家では吹抜があった方がよい」という実務者が多いわけですが、 音が伝わる、スペースがもったいないなどの理由で見送られることも多いのです。

1階からの吹抜けの様子はこんな感じ。

長い材木を立てかけておくのに便利ですね(笑)

夏のエアコン冷気を落としたい考えです。

リビングには北村棟梁がこしらえた家具の類が並んでいます。

造作家具はふつう壁や天井に先に取り付けてから内装を行いますが、 少しでもクロス屋さんや塗装屋さん(施主Cさん)が楽になればとの思いやりでもあります。

対面式のキッチンも組み込まれ、あとはCさんの仕上げを待つばかりの現場。

平日は無人になりがちな現場状況ではありますが、 ナカソネによるちまちま雑工事が水面下で繰り広げられているということは意外と知られていません(笑)

「コテを持たしてもらえるまでには10年はかかる」

「やり方は教えない。親方から盗むもの」

「道具は大事にしろ」

「自然にはさからうな」

そういうザ・職人の世界がここにはまだ残っているわけで。

2018.12.6 Reborn塩原

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