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リンゴ箱

2019.05.07|Q1.0住宅
塩原真貴

令和一発目のブログです!

しばらく間が空きましたので、ブログネタがだいぶ溜まっています。

慌てずゆっくり小出ししてまいりたいと思いますのでご期待ください^^

今回は松本市蟻ケ崎のM邸を。

先月中旬に建て方を行いました。

生産性向上でも成長プロセスは省かない

という表題でリボーンの家づくりの姿勢を紹介したわけですが、 つまるところどんな仕事でもそうでしょうが、自己研鑽と社会奉仕、 これに尽きるのではないでしょうか。令和だけに。マジメスタイルでスタートです!

床の断熱材は相変わらずグラスウールです。

建て方が終わると最初に1階の床をつくる、これがウチのやり方です。

あえてそう述べたのは理由があります。

一般的な在来工法では、壁をつくった後で床をつくるのです。

壁で囲ってから床をつくる方が雨風をしのげますし、土台の上に間柱を直接載せられるので、1工程省けるからです。

床を先につくると、ご覧のようにブルーシートで囲わないと雨がコワいですし、段取りが悪いと床下の配管や断熱工事をする間、大工さんが手もちぶたさになり得ます。

メリットはなんといっても作業床ができることで、材料のカットや次々に搬入される材木置き場として活躍することです。つまり安全でもあるわけです。

そして同時に床下から壁の中に気流が走らないようにする=気流止め、を自然と行えるというメリットがついてきます。

大工さんが帰宅の途に就いた後、一人黙々と作業を続ける男がいました。

薪ストーブメンテナンスの小野沢さんであります。(伊那市より)

この家には主暖房としてメイスンリヒーターが搭載されます。

その基礎となる部分を早速つくってます。この数日前には煙突も屋根上に出してくれています。

どこかの現場からの帰り道だったようで、夕方遅くに立ち寄り、ヘッドライトで作業をする佇まいはちょっとプロフェッショナルの雰囲気が漂います。

あれから約1週間。現場は順調に進行し、サッシが搬入されました。

ちょっと凝っていまして、大開口サッシの上にステンドガラスを入れようということになっています。ステンドガラスはお施主さんの旧来からの知り合いで、ステンドガラス作家さんによるオーダーメイド。その方の紹介はいずれこのブログでもするとして、 まずはサッシを取り付ける。大人3人かかりです(笑)

こういうのを生産性向上の名のもとに、サッシ一体の壁パネルをプレハブ化して工場で製作。現場でクレーンで吊って組み立てるだけにしよう、というのが最近のトレンドになっているとかいないとか。

でもこうして大人がウンウン言いながら「はいこっちハイッター」、「あと2ミリこっちに押して!」とかって言いながら作業するの、キライじゃないな、わたくしは。

建築主によるDIY塗装がもう始まりました。

やれるところはジャンジャン進めましょう、そうしましょう、 ということで、化粧(最終的に見えてくる)の梁を塗装中。

ここで突然ですが重大発表があります!

リボーンではこれまで自然塗料にドイツのプラネットジャパンのウッドコートという商品を基本的に推奨してきました。

しかし創業6年目の今年度から、同じくドイツの「リボス」というメーカーの塗料に乗り換えることにします。

理由はいくつかあるのですが、一番のワケは香りですかね。プラネットの塗料はけっこう強い臭いがします。

決して嫌な臭いではありませんが、気持ちの悪くなる人もいたりして。 

リボスはかれこれ15年程前に前職の工務店で数か月使用していたんですが、 当時色のラインナップが少なく、また仕入れルートも遠回りで高かったためプラネットに乗り換えたという経緯がありました。

その前は確かオスモでした。自然塗料といえばまだオスモしかなかったか。

ログハウスを建てる会社にいましたから、自然塗料の導入は早かったですね。20年前はオスモしかなかったような気がします。

奥様には搬入されたばかりの玄関ドアを塗ってもらっています。

無塗装の状態の木から、クリア(アルドボスという名前)を塗るとこんなにも色が変わります。

木目が浮かび上がり、重厚な感じになりますね。

木の玄関ドアは数年毎の塗装が必要で手がかかりますが、経年美とでもいいましょうか、 暮らす人と共に歩む感じが好きです。

外では工事中に発生する木くずを、メイスンリヒーターの焚き付けに使用すべく、 仮設の薪小屋を組んでいます。

仮設といっても以前Rebornで製造販売していたグリーンラック、しかもACQ注入使用、ロング軒、という贅沢な仕様です。

捨てれば産廃、使えば燃料。

それが木の素晴らしいところです。

料理もそうですよね。出汁をとったり、肥料にしたり、捨てるところがないほど使い切れるのが自然素材の良さだと思うのです。

廃材になりかけていた材木を使ってリンゴ箱的な木くず入れをつくり、 こんな風にラックとして現場に残してゆきます。

リンゴ箱48ケ入ります。 リンゴバコ、って言っても最近の人は見たことも聞いたこともないかもしれません。

昔人々はこの箱に乗ってスピーチをしたり、歌を唄ったものでした。

私が幼少のころにはまだ家にいくつかありましたね。野球のバットとかボールを入れる道具箱になってました。

最終的にはこのリンゴ箱さえも分解すれば燃料になる、ぐふふですね。

2019.5.7 Reborn塩原

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