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8帖×2=続き間の断熱改修を1か月で。

2025.05.24|リフォーム・リノベーション
塩原真貴

昭和100年となる今年は、断熱改修の依頼を例年より多くいただいております。

いよいよ断熱リフォーム、一般化元年か。

耐震・断熱同時改修工事を積極的にやるようになってから21年。

少年期を過ごした実家(当時築30年の木造在来2階建て)を、2004年に1000万ほどかけてリ・ボーンしたのが最初です。

当時の”断熱意識”はまだ一般化しておらず、そんなにお金かけてどーするの状態。

新住協のマニアな一部会員があるいみ手探りで、机上のアイデアや図面と、現地でのリアルを右往左往する日々。

実際に工事をすすめると、新築では起こらない

「ここどうする?」

「こういう場合はどうしたら?」

などクエスチョンマーク電話が頻繁にかかってきます。

当時はまだLINEやフェイスタイムのようなTV電話的な動画や写真の瞬時なやりとりができず、現場にすかさず行ったり、写真を撮ってきてもらって事務所でディスカッションしたり。

高度成長期の1970年~1980年に急いでつくった木造住宅は、一人親方の棟梁大工が「お大工様」と施主に崇められて作られていることも少なくなく、棟梁の独断で間取りがアレンジされていたり、図面もろくに残っていないことが多く、1/100の手書きの平面図が1枚残っているのみ、なんてこともザラ。

1階南側はずら~っと掃出し窓が連続していて下屋になっていて、そのうえにはアルミ製のベランダがあり、縁側の天井には漏水跡がほとんどの家で残っている。

1986年以降の新耐震基準にまで耐震改修するにしても窓から壁への変更がつきまとい、外壁も絡む大工事になってしまいます。

単板ガラスのアルミサッシからペアガラスの樹脂サッシに、なんて提案しても「いやそこまでしなくても」という反応で、断熱なんか語ったら「そんなにお金かけてもしょうがない」という雰囲気でした。

 

断熱をちゃんとすれば確実に暖かくなる(夏は涼しくなる)ということが、一般の方に広まるまで確かに20年かかったと思います。

長野市戸隠。

長野市とはいえ標高が高く市街地からは気温がー2~3℃も低く、豪雪地でもあるので、軒先側の外壁には冬の間雪がもたれかかっており、常に暖房を焚き続けていないと凍死します。

低温の外壁は常に結露しており、壁はカビで真っ黒。

窓は常時結露しており、結露水は凍って引違い窓は開きません。

壁・天井・床の断熱、そして窓の交換または内窓取付。

8帖二間続きの仏間と和室を断熱改修させていただきました。工事期間は1か月です。

既存の壁は壊さずにタイベック透湿防水シートを貼ったうえにもう一層壁をつくり、高性能グラスウール120㎜を4面の壁に付加。

床は畳を剥がして、厚さ60㎜の畳でしたので、30㎜のスタイロフォームを付加。合板+フローリングで合計58㎜なので、ふすまや障子の敷居はそのままとしました。

天井も既存の竿縁天井をそのまま残し、その下に吹込みグラスウールを20cm付加しました。

当然壁も天井も防湿シートで防湿・気密化します。

サッシ廻りは特に念入りに。

サキバリの防湿シート+樹脂サッシ・トリプルガラス入り。

既存のアルミサッシはそのままですから、いわゆる内窓です。

 

トリプルガラスは当然ダブルLOW-Eで、東面なので遮熱タイプです。

樹脂枠とサキバリシートを気密テープで念入りに接続すれば、樹脂サッシとアルミサッシの間で結露することはほとんど起きません。

ほとんどといったのは引き違い窓だからで、気密性能が開き系の窓より劣る引違い窓は、空気(湿気)を室内から外に向かってわずかに通します。この湿気が窓間で滞留すると旧来の窓の単板ガラスやアルミ枠に結露します。

ちょっとガタがきて気密がないアルミサッシであれば結露する暇もなく、湿度が外に出てくれるので安全側です。

それにしてもシャノン(樹脂サッシメーカー)さん、納期かかりすぎじゃないですか?

リフォーム現場は時間との闘い。とくに住みながら改修の場合は防犯や施主の心理的負担もあり、1日でも、半日でも工事期間は短くしたいところ。

特注でも実働7日くらいで現場に届く体制が構築できるといいのですが・・・。

まあ、配送ドライバー不足の影響もあるでしょうが、実働で3週間(21日)はキツイっす。

そんなこんなで、8帖2間の断熱改修は結果的にシャノン樹脂サッシ待ちに。

サッシがつくとすかさず内装仕上げに突入。

少しでも結露防止をと、内装は珪藻土左官仕上げとしました。

左官屋さんもこの時期は大忙しですし、待っても居られないのでRebornでは定番のDIYに。

断熱おばさんことRebornスタッフ・佐々木を投入しましたが、雲行きがあやしいので左官B級ではあるアシザワ大工も急遽投下して、なんとかかんとかです。

どんどん減っている職人人口。

加えてノンストップで工期短縮を進めてゆく上で、断熱リフォームに多能工職人と施主自らのDIY作業は欠かせなくなっています。

外壁の低温化を防ぐべく、外壁も通気構造とした板壁にしました。

これで今年の冬からはだいぶ楽になることでしょう。

ちなみにこの板壁の塗装もアシザワ大工にやってもらいました。

60を超えたおじさま大工ですが、Rebornの大工の中では一番多能工として対応してくれています。

 

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