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築20年ログハウス・コロニアル屋根~ディプロマットカバー工法

2025.04.06|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

お父さん・お母さんと手をつないで、大きなランドセルを背負って空中スキップしている新小学生を車中から見ました。

今日は小学校入学式であったのか。

気温が上がった長野市の今日は、桜のつぼみが一気に膨らんだように思う。

ふと、45年以上も前になる、自らの小学校入学式のかすかな記憶がよみがえった。

いや、正確には入学式の記憶ではなく、母親に手を引かれて歩く道中の記憶だ。

これから6年間通学路として歩くことになる田んぼ道。

土手にタンポポが咲き誇る田んぼや畑の風景。

約3kmの道のり、たぶん一時間以上もかかる通学路。

口数の少ない母であったが、これからこの道を毎日ゆくのだよと、私に道順を的確に教えながら、息子の歩幅に併せて歩く道中いったい何を思ったか。

心配? 安堵? 期待? 不安?

泣き出したいくらいに遠い小学校。

私はひたすらアスファルトを見つめながら前をすすみ、時折土手に咲くタンポポをみていたんだと思う。

とてもスキップをする余裕などなかった。

通学路での思い出は枚挙にいとまがない。

「道草」とはよく言ったもので、私達のころは道端に生えている植物をつかって編み物をしたり、ケンカをしたり、勝負したり、時には食することさえも。

あの数々の道草体験は私の原風景であり、人格形成に大きく影響していることは間違いない。

現代の子供はあまりにも道草をしなさすぎではないか?

親は安易に車や自転車で送り迎えを行っていないだろうか?

道草こそ自然体験の原点。

そういえば、私の小学校3~4年の担任の先生=堀内先生は理科の先生で、毎日のホームルームの際に、

植物の変わりダネコーナーを設けていた。

「クローバーの葉っぱが10枚あるやつを○○君が発見した!」とか、

「茎が3本もある変わり種タンポポを△△さんが採ってきた!」などとレポートする時間だ。

植物への興味をさそっていたのだな、と今になればわかるのだが、植物にも変わり種があるように、

人間ひとり一人もみな違うように、植物もすべて同じものはない。変わり種は変わりものではない。

だから私はいまだに土手を歩くと、枚数の多いクローバーを意識してみてしまう。

四つ葉のクローバーなんて全然話にならなくて、たしか15つ葉とか、17つ葉なんてのが存在してた。

それを発見したやつはクラスの一躍ヒーロー。

クローバー博士に一気になれたものだ。

前座が長くなった。カバー工法によるディプロマット屋根の話をしようとしていたんだった。

いつだったか、コロニアル(薄型スレート)屋根がバキバキに割れて劣化はやい、というブログを書いたことがあったはず。アスベストが発がん性物質として社会問題になって、耐久性・耐火性に優れるそれが、建築材料からさっと消えることに。2000年ごろだったから今から25年ほど前、「ノンアスベスト品」ということで各社から発売。

製品開発が追い付かなかったためか、のちにノンアスベストの屋根材やら外壁材が脆弱でつぎつぎに問題になっていったようだ。

それほどアスベストは耐久性に優れていたのだろう。

代替品というよりは、その成分を取り除いて製品をだしたのだろう。

台風時など飛散して隣家を破損させたり、時に人を傷つける可能性もあり、メーカーの責任が問われるわけだが、10年超えのものは一切保証対象外。

これを採用した工務店も罪といえば罪ではあるが、メーカーは一切保証や葺き替え時の補助も行わない。

結局建築主(住人)が100%自己負担で葺き替えているのが現状です。

 

岡谷市のOB宅・N邸の屋根は非常に複雑で、煙突や天窓もあり、ちょっとびっくりするほどの出費となってしまった。

それでもこの屋根を放置することはできない。

既存コロニアルをすべて剥がして葺き直しするか、産廃処分費を浮かせることができるカバー工法を選ぶか・・・。

カバー工法は、いずれこの家を解体するときまで問題の先送りをすることにもなるので気がひけるわけだけど、

数十万円の差があり、今回はやむなくカバー工法を採用。

足場代も非常に重い負担なので、将来的な再塗装を30年間しなくてもよいディプロマットを採用していただきました。

ガルバリウム鋼板(正確にはアルミの配合量が異なるため、ガルタイト鋼板)が基材になっていて、その表面に天然の石粒が強力な接着材と共に付着している。

その石粒が基材の劣化をふせぎ、2次的に雪を落とさず、雨音を軽減。

米国のメーカー「ディートレーディング社」が製造している。

トランプ大統領の顔がちらついてあまりいい気がしないが、国産で類似品もあるにはあるが、

金額面で劣り、色や質感も劣るため採用を見送ってきた。

この先屋根で悩みたくない、という心理もはたらき、今回もディプロマットの採用となった。

20年ぶりに足場がかかったので、外部の木部、特に丸太の柱や梁などの腐れがないか目視と打診棒で検査。

しっくい左官壁の浮きも起こっている可能性もあるので、くまなく時間をかけてチェックした。

前職工務店(=長野ログハウス建築設計)はある時期から、梁(はり)への雨かがりを防ぐべく、あらゆる横架材(梁)の上に水切りを設置していた。

これが功を奏し、ログハウスに起こる可能性が高い”木の腐れ”が皆無で、日本住宅の平均寿命である30年を大きく超えることができる。

非常に難易度の高い今回のカバー工法による複雑なディプロマット葺き替え工事。

担当してくれたのは高山村の山本板金さん。

急こう配の屋根で膝や足首への負担が重く、毎日のように悲鳴とも文句ともとれるレポート動画を送ってくれている。

私が小学校のころ、泣き出したくなる長い通学路を歩んでいたように、

きっと彼らも地面(屋根面)をじっと見ながら、はやく地上に戻りたいと考えながら仕事してるんだろうと思う。

たまには道草して、遠くの風景を見たり、仲間と雑談しながら葺き進めてほしい。

母親は、そんなことを思いながらわが子の手を引いたのか。

 

 

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