今後もまだ高騰してゆくだろう光熱費にどう対応してゆくか?
真剣にそのことを考えている人が増えてきた。
電気ストーブから灯油ストーブに替えてみたり、省エネ設備機器や太陽光発電の導入を、
という方向で検討するのが常識的であったように思いますが、ここにきて「やっぱり断熱じゃねぇか?」という傾向に。
ビフォーの写真。
ご覧の通り、断熱材というものは仕上がった後では全くその存在が見えない。
しかしその効果は設備更新の比ではない。
このサーモグラフィー画像は断熱リフォーム前のもの。
ちょうど1年前の1/18に、断熱リフォームを検討しているSさんの依頼で建物状況調査をした際、床面を撮影した。
最低温度は6℃。最高部は17.4℃。
根太(ねだ)と呼ばれる木の骨組みの間に、グラスウール断熱材が約6cm嵌め込んでいる状態。
建築された30年前としてはけっこう上位仕様で、私も30年ほど前の住宅はちょくちょく調査しているが、無断熱の場合も多く、ここまできっちりやってある家は大変珍しい。
しかし床の表面温度が6~12℃程度では過ごしやすいとはとても言えない。
やはり断熱リフォームに踏み切ることに。
既存の床は基本的に解体せず、内壁と天井はすべて一度はぎとって再断熱する、内側に付加す断熱工法とした。
こちらが断熱リフォーム後の床をサーモグラフィー撮影したもの。
床には過去のフローリングの上に、高性能グラスウール16K品を140㎜重ねた。
壁キワの部分は17℃程度になっているが、表面は21℃に。
リフォーム前のサーモ画像では木材骨組みがあることがはっきり分かるが、こちらはうっすら。
明らかに快適性が上がったことが分かる。
暖房の熱源は壁掛けエアコンで、19℃の設定で運転。
低温での連続運転なので、快適ながら光熱費もぐっと安くなる。
壁、天井も同様。
いくらガスファンヒーター暖房で20℃ちかくまで室温を高めたとしても、室内側の表面はせいぜい12℃。
これではなかなか部屋も温まらないし、電気代は恐ろしいことに。
断熱ビフォー画像~一見温度差が激しいように見えるが、黒っぽいところは自然給気口。それでも19.5℃あるから、それほど冷気は感じない。
近年、インスタやYouTubeなどSNSの普及で断熱リフォームについての情報も得やすくなってきている。
ただ悲しいことに、画像ではなかなか温熱環境のことはかなり伝えにくい。
見映え優先のリフォームも世の中にはまだまだ多いと感じているわけですが、
できるだけ断熱や気密、特に”高断熱の窓”に力点を置いたリフォームを実施してください。
派手さはありませんが、断熱は真面目に壊れることなく働きます。
先日、入居後の気温・室温データと光熱費予測を施主であるSさんが送ってくれました。
Ua値は0.31で、計画時QPEX計算書によると1月の暖房用消費電力の予測は320kwhです。
現在、中部電力の電気単価っていくらになるんだろう?
燃料調整費、再生可能エネルギー促進賦課金を入れると40円/kwhを超えてますね・・・汗
いやぁ、恐ろしい時代が来たものだ。
断熱リフォームには何かしらかの補助金が使えます。
これだけエネルギーコストが高騰すると、断熱リフォームの需要は今後も高まるばかりだと想像できるが、
問題は施工する側の技術・ノウハウ不足、プレイヤー(断熱リフォームを習熟した職人)の圧倒的な不足だ。
施工手順を想定できている設計と、断熱気密の原則を理解している工事人.
いずれも資格試験の教材にないですし、教えてもらえる機会(研修会など)はまったくない。
リフォーム後、1か月程が経過し、建築主S様よりメッセージをいただきました。
貴重な、そしてとても参考になるおことばです。
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○○です。
約1年の長きにわたり、大変お世話になりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ブログは今後もワッチしています。
私の今回の工事での所感です。
昨年の正月にネットでいろいろ調べていて塩原さんにお願いしようと考えました。
リフォームの体制としては、塩原さんに〇△建設を下請けとして指導して
いただきたかったのですが、やはりリスクが大きく引き受けていただけません
でした。(工事が始まって無理だと改めて分かりました)
そこで、父の代から自宅だけでなくいろいろお願いしている〇△建設であれば、
こちらである程度コントロールできると考え、設計施工分離という形でやる
ことにしました。
結果としては、設計施工分離により、基本的な性能を担保し、細部にわたる
施工時の注文が可能となり、非常に満足いくものが出来上がりました。
断熱材に最も一般的なグラスウールを使うことは、大工さんにとってなんの
問題はありませんでした。
但し、ネットを張って下からの天井吹き込みできる業者はそれほど多くいない
ような感じでしたが。。。
やはり問題なのは気密層を連続させるという工程が一般的でないことです。
大工も電気屋もガス屋も設備屋も経験がなく(少なく)、施主が一人一人に
お願いし、場合によっては自ら手直しする必要がありました。
また、表面上はそれほど狂っていなくても、柱が割れて広がっていたりして、
普通にやると隙間だらけになってしまうのは容易に想像がつきました。
なんとか無事年内に住むことができ、設計通りの性能が出ているようなので
胸をなでおろしています。塩原さんの長年の経験やノウハウによって、
適切な設計であったということは言うまでもないのですが、実は初めは私も含め
工事に携わったみんなが10畳用のエアコン1台で暖房というのは半信半疑でした。
塩原さんにインスペクションから設計・監理、施工の助言、補助金の申請をお願い
して、こちらは、時期もよく、補助金や減税・非課税などで多くのメリットがあり、
大変ありがたく感じています。塩原さんにとっても仕事として割のあうものであった
ならばWin-Winの関係になり、非常に有益なことだったと思います。
今まで、朝起きると室温が1桁というのが、当たり前だったので、リフォーム後は寝て
いて汗をかいたりしていましたが、夏蒲団にしたりして、やっと快適に睡眠できるよう
になりました。今回の断熱性能は連続暖房するのに必要な性能だと思いますが、それなり
にコストがかかります。働いていて家にいる時間が少ない方には少し贅沢なことかと
思いました。年をとると家にいる時間も長くなるので、子供が出てゆき、限られた面積
で夫婦2人の老後30年のための先行投資と考えれば、コストに見合うように思います。
かなり先で淡い期待かもしれませんが、子供が帰ってくるようなことがあり、塩原さん
がまだ現役で活躍されておりましたら、2Fのいままで生活していた部分のリフォーム
をお願いしたいと考えております。その時は今回のような性能の住宅が一般的で、普通に
多くの業者が施工できるようになっていることを期待しています。
これから寒波が来るようです。お体を大事に、益々のご活躍を祈念いたします。
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