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高断熱・高気密住宅を標準にして20年

2022.09.24|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

高断熱高気密ログハウスとしての第一号。柱は4寸角で大壁。高性能グラスウール16K120㎜の外壁はダイライト耐力面材全面貼り、シャノン樹脂サッシ(ペアガラス)、床断熱は高性能グラスウール16K140㎜、天井は吹込みグラスウールを300㎜、暖房はPSパネルヒーター。Q値=1.6程度で現在のUa値だと0.45あたり。C値は1.0。

高断熱高気密ログハウスとしての第一号。柱は4寸角で大壁。高性能グラスウール16K120㎜の外壁はダイライト耐力面材全面貼り、シャノン樹脂サッシ(ペアガラス)、床断熱は高性能グラスウール16K140㎜、天井は吹込みグラスウールを300㎜、暖房はPSパネルヒーター。Q値=1.6程度で現在のUa値だと0.45あたり。C値は1.0。

ちょっと前のことになるのですが、佐久市に建つ私の兄の家に20年点検行って来ました。

大企業に勤務する兄は俗にいう転勤族で、数年毎に地方大都市間を異動。

東京本社へのタイミングで子育てはやっぱり信州で、との思いから新幹線通勤が可能な佐久市に居を構えるという決断をすることになったのです。

わたしの前職のログハウス工務店でポスト&ビーム工法のカントリー調の自宅を計画。

その少しまえに新住協に加盟していたわけで、高断熱・高気密住宅をかじっている頃で、まだ外壁外周に筋交いを入れていました。

 

ログハウスでデッキポーチは当たり前。高断熱の玄関ドア(ガデリウスのスウェーデンドア)もこのころから標準に。

ログハウスでデッキポーチは当たり前。高断熱の玄関ドア(ガデリウスのスウェーデンドア)もこのころから標準に。

ダイナミックさが売りの丸太を使った骨組みと、高断熱高気密の緻密な施工を組み合わせた同業他社はまだ存在せず、

「中断熱中気密くらいがちょうどいい」なんて営業トークが跋扈していた頃で、手間のかかる高断熱・高気密はまだまだ全然少数派で、シャノンなんてメーカーは聞いたことがない、なんて世界でしたね。

特にログハウスメーカーはとにかくデザイン性が優先されており、建築後も丸太は捻じれ、割れ、隙間風や虫の侵入は許容しないと成立しないなんて業界でしたから、ログハウスの高断熱高気密なんてできっこないと肩をおとしていたのです。

中途半端な仕様で1,2年の時を過ごしていたのですが、兄の家でチャンスが訪れることになります。

袋入りのロックウールやグラスウール断熱材を一切やめ、外壁外周に筋交いを一切入れず、裸の高性能グラスウールに防湿シートを後貼り。アルミ樹脂複合サッシは一切やめて、シャノンの樹脂サッシに転換(当時まだYKKもLIXILも樹脂サッシは発売していなかった)。

暖房はPSというおしゃれなパネルヒーターがあることを知り、「こんなにいるのか?」と疑問を感じつつ、北海道では上質な暖房方式はこれが主流となっているということで、だまされた気持ちで採用。

 

PS社のパネルヒーターによる全館暖房を採用したのも兄の家がはじめだった。数か月後の入居者アンケートでは、過乾燥は指摘があったが、極寒冷地・佐久市であっても、とてもマイルドで快適な暖房器具であることが判明。

PS社のパネルヒーターによる全館暖房を採用したのも兄の家がはじめだった。数か月後の入居者アンケートでは、過乾燥は指摘があったが、極寒冷地・佐久市であっても、とてもマイルドで快適な暖房器具であることが判明。

各居室の窓下などに配置された温水パネルヒーターは想像以上に快適で、-10℃を連発する佐久市であっても室内はほぼ20℃一定に保たれていることも温度記録によって確認。

高断熱・高気密も大事だが、断熱材は熱を発生させるものではないので、暖房もワンセットで住宅に組み込むべきだとも知ることになったのです。

知識は新住協で。実際の施工を含め、ノウハウの提供は、当時社員さんが数名の信越ビーアイビーさん。

北海道で活躍していた小林社長が、故郷長野に戻ってきて、断熱気密・樹脂サッシ・冷暖房施工をトータルで施工できる専門会社を発足して数年経過したころだったと思います。

新住協と、この小林社長との出会いが、現在のRebornの断熱仕様のスタートとなっています。

つまり、兄の家がReborn仕様の出発点。

 

第三種換気(ダッチマン11)のファン本体の羽。ホコリが羽根にこびりついているので、1年に1回、歯ブラシなどで清掃を。

第三種換気(ダッチマン11)のファン本体の羽。ホコリが羽根にこびりついているので、1年に1回、歯ブラシなどで清掃を。

換気はJBECK社のダッチマン11という第三種ダクト式で、20年点検のついでにファン本体の清掃も行ってきました。モーターの製品寿命は10年だとのことですが、20年経ってもちゃんと、静かに動いていましたね。

20年前の当時、海外製の第一種熱交換型の換気扇も新住協では話題になっており、先進的な工務店は採用をちらほらしていましたが、定期的な清掃が必要で、それを怠ると汚れた空気が室内に流入するという点で、安易に採用してはならないということで、この家でも第三種が採用されています。

チャンバー(ダクトが合流し、ファンがある樹脂製のBOX)内もホコリがびっちり。

20年ではじめて清掃して差し上げました。

コロニアル屋根は20年で退色がすすみ、10年後には貼り替えを提案。

コロニアル屋根は20年で退色がすすみ、10年後には貼り替えを提案。

この20年の間で、暖房用のボイラー交換、給湯ボイラー交換、デッキテラスの全面更新、外部丸太の再塗装などを行ってきました。金額にして300万くらいはかかっているハズです。

建物は建てたあとでメンテナンスなどや家電更新など、大変お金がかかります。毎月1~2万円の積み立てが必要で、致命的なダメージや不具合を発見するために、あるいはメンテナンスタイミングを図るためにも、定期的な点検が欠かせません。

ユニットバス入口のフローリングが変色しているとのことで、兄自らシートで覆っていた。

この家を新築した年、わたくし塩原は結婚をしました。

塩原家にとって大きな転換期となった2002年。

以来高断熱・高気密のみをつくり続けることになります。

床下や小屋裏まで、隅々点検しましたが、グラスウール断熱材は劣化することなく性能を保ち続けております。

シャノンの樹脂サッシ:ブラウン色は南面が退色して緑ががかっていました。シャノンさんいわく、この問題は現在塗装技術の向上により解消しているそうです。

日除け対策がこの頃はまだまだですね。

新幹線通勤だった兄は、コロナ禍で完全リモート自宅勤務になりました。

この家で育った甥っ子、姪っ子も1名はこの家に戻って暮らしていますが、3名はこの家を離れて暮らしています。

高断熱高気密住宅で育った子供たちが、そうでないアパートや寮で暮らし、何を感じ、どう思ったか?

Z世代はどういった家を建ててゆくのでしょうか?

ん?

Z世代は家なんか持たない?

 

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