寝ぼけ眼で朝刊を眺めていると、社会面の記事に見覚えのある名前を見つけてハッとしました。
「詐欺の疑いでDを逮捕ー」
…やはり、そういう人間だったか。
悪事を行えば、必ず天罰が下るのだ!
記事に載る2年前、Dは私が仲介したアパートに妻子と住んでいました。
運送業をしていて物腰が柔らかく、契約時はとても好印象。ところが、入居半年後から家賃滞納が始まったのです。
電話が通じないので、夜を狙ってアパートを訪ねて催促。
私「Dさん、家賃払ってくださいよ」
D「仕事が無くて今は払えません。本当に申し訳ございません…」
私「安い家賃の別物件を紹介しましょうか?」
D「いや、◯日までに必ず払うので待ってください。お願いします!」
仕事が無いと言いながら、なぜか酒臭いD。
深々と頭を下げるので、期日まで待つことにしますが…
家賃は大家さんの口座に入金しません。
昼間に訪問してDの奥さんにもお願い。
私「家賃の滞納があります。お支払いいただけませんか?」
奥さん「え?!滞納してるなんて、全然知りませんでした。主人に早く払うように言います!」
それでも、家賃は入りません。
何度訪問しても状況は変わらず、そのうち居留守を使われるようになりました。
後から知った話ですが、このD夫妻、他のアパートでも同様に家賃を払わず、追い出されるギリギリまで住み続けた“詐欺師”でした。
私はまんまと夫妻の演技に騙されたのです。
結局、明け渡し訴訟で強制退去になるまで居座っていたD。強制執行の朝、執行官がアパートに到着する前に、Dは部屋をキレイさっぱり片付けて引っ越していました。
(次は誰を騙したのやら…)
6カ月分の滞納家賃は未払いのまま。
訴訟の手続きは、Dに付けていた賃貸保証会社(東京)が行ってくれました。
保証会社といえば滞納分を立て替えるのが仕事ですが、あまりに滞納が続く借主に対しては、上記のように追い出しをかけます。
追い出すために、あえて立て替えせず、家賃が入らない期間をつくるのです。
Dが退去したので、やっと6カ月分が保証会社から大家さんに支払われる予定でした。
ところが、なぜか期日に振り込まれません。
保証会社の担当者は、以前、別案件でやり取りしたことがあるX。確認の電話を入れると…
X「すみません、ちょっと社内の手続きが遅れてまして、2週間後の振り込みになります」
しかし、2週間も待って振り込まれたのは予定額の半分だけ。
大家さんから「約束が違うよね!」と怒られた私は焦り、Xに再確認します。
私「なんで半分だけなんですか?」
X「社内の手続きの関係で…。残金は2回に分けての支払いになります」
私「ちょっと待ってよ。保証会社が期限守らなくてどうすんの!」
X「必ず、必ず払いますから…」
保証会社に対して“滞納督促”するなんて、前代未聞の珍事です。
Xじゃ話にならないので、上司を呼び出して説明を求めることに。すると…
上司「今回、Xは私に業務報告をせず、勝手に処理した仕事が多かったので、大家さんへの弁済金は全てXの自腹にしたんです」
(えっ~!超ブラックじゃん!それを取引先に言うのもどうかと思うぞ!)
大家さんに報告するも「とんでもない入居者と、とんでもない保証会社を入れてくれたもんですね!」と、更にキツく叱られました…
その後、残金は大家さんの口座に無事(?)入金。
この保証会社、ネットで見る限り、現在も営業している様子。クチコミは低評価ですけどね…
“ふたりの滞納者”に苦しめられた私は、これ以降、借主の入居前審査を厳しめに行うようになりました。
つづく
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