カラマツは英語で「ラーチ」といいます。
信州カラマツ、っていうブランドもあるくらい、長野県はカラマツが豊富に有ります。
秋には紅葉し、落葉するその姿は、何となく武士の姿と重なり、哀愁があります。
50年程前、建築用材になるからもうかるぞともてはやされ、長野県の森林はカラマツがたくさん植林されました。
その木目は飴色に焼けると美しく、適度な堅さもあるので、フローリングでも使えそう。
が、しかし、 手入れを怠ったツケが回って、死に節ばかりが目立つ信州カラマツ。
正直、そのまま使うには抵抗があります。
しかしカラマツの和洋折衷的な表情は捨てがたいものがあります。
ご覧の写真はロシア・シベリア由来のカラマツ。
名付けて”シベリアンラーチ”
残念ながら、日本のもの、長野のモノではありません。
死に節が少なく、年輪もよぉく詰まっています。
幅も広く、2m定尺なのですが、途中にフィンガージョイントがありません。
10年程前に、私しおはらは、このシベリアンラーチを好んでお客様に薦め、自宅にも大々的にシベリアンラーチを張りました。
ところが、困ったことが最近聞かれるようになりました。
高断熱で全館輻射暖房をすると、真冬でも裸足で暮らす人が多く、 冬はそれなりに乾燥もするので、ササクレが足の裏に刺さることがあって、 子供たちの過激な運動、特にスライディングや走って足の裏でスー、 などやったもんなら、ちょっとやばいぞ、 という話が一部の方からささやかれるようになりました。
都度サンドペーパーでこすって自然オイルで補修することをお勧めしてきたわけではありますが、
「なんとかして万全にならないものか?」
のお声も聞こえてきました。
想像してみてください、足の裏に、つまようじ程の刺が、不用意に刺さった時のことを・・・( ;∀;)
という経緯がございまして、ラーチのフローリングを、もう何十年も前から販売している輸入建材商社、新潟の上野住建さんに相談したところ、 それならば、と勧められたのが、フローリング再生術。
肝は研磨方法にあり、と。
再生といっても、要は表面をサンダー掛けして、塗膜のある水性ワックスで仕上げようというもの。
住みながらの工事なので、その削り粉や、コーティング材(塗料)の速乾性などがポイントになります。
無垢材ならではのこの補修方法。短時間でそつなくサンダー掛けをする機械とその使い方が重要です。
それにしてもよ~く陽射しが室内の奥まで伸びています。イイゾイイゾ
数種類の掃除機状のサンダー機械が持ち込まれました。
そのすべてが海外製品。
日本はまだ無垢のフローリング修復の技術も、発想自体も遅れていることをうかがわせます。
海外マシーンの問題のまず最初はその電源。200Vあり、110Vあり、とにかくそのまま日本のコンセントが使えません。
それらをコンバートする機械もまた必要になるのです。
最初に、部分的に削ってもらいました。
最初は#60という粗目のやすりで削ります。
2回目は#100、3回目は#120、あわせて0.5mmほどの削り厚になります。
問題は、壁のキワ、巾木付近や掃き出しサッシ接点、入り隅、出隅など、機械があてられない部分。
この細かい部分を、当然ながら手作業で、いろいろな大きさの工具でできるだけ均一の厚さで削ってゆかねばなりません。
削る様子はこんな感じ。
かなり強力な集塵機が付いています。
作業風景は、全く粉がモウモウとしていません。
削った後に多少粉があるかな程度で、99%以上は集塵機に集められている様子。
でも、音はすごいです。 会話はできません。
そして、摩擦熱でしょうか、室内の気温はぐんぐん上がってゆきました。
この部屋(リビングダイニング)は12畳ほどありますが、作業開始から30分ほどでこのくらいまで。
あっという間に表面は白くなってゆきました。
木って、表面は色が焼けても、そのすぐ下は全然焼けてないんですね( ^)o(^ )
無垢のフローリング(この場合15mm)は、こんな風に何回でも再生できそうです。
本日の作業はサンダー掛けをとにかく進めること。3人で作業していました。
明日2日目は研磨作業を完全に終わらせ、下塗り塗装を行います。
そして最終日3日目には仕上げ塗装をし、その日の夕方には使用可能状態になります。
無垢フローリングは再生できる。まさにリボーンです(笑)
2017.1.11 Reborn塩原
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