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完成見学会@上田市諏訪形

2017.02.16|間取り・設計・デザイン
塩原真貴

3年前の悲劇を思い出す2月15日。 いや~あのときは本当に降ったなあ。

 建て方直前、足場を掛けたらどかん>_<  

見学会を開催したらドカン>_<  

屋根上で作業をしていたらみるみるうちに>_<  

それに引き換え、今年はオダヤカなもんです^^

いやまて! まだ冬は継続中。

あんまり侮っていると将軍様がお怒りになりますぞ。

毎日、神棚にお参りして、養命酒のんで、うたたねして寝るとしよう。

意味深な前置きはさておき、 今週末開催される、上田市の完成見学会の予告を。

設計はリボーン。 施工は坂田木材さんです。 

坂田木材HP~見学会のちらし 完成間際の現場を訪問。

完了検査前の最終確認をしてきました。

上田も全く雪が残っていません。

強化ガラス葺きとしたデッキテラス下屋。

冬は太陽の光をバンバンいただきながらも、 夏は窓から直射日光が入らないようにという設計意図です。

梁がやや大きく、影として日射を遮ってしまっていますが、構造的には力強いことこの上なし。

この屋根があるデッキテラスは、屋根がないデッキテラスに比べて、相当に使い勝手はよいと感じています。

そして何より、デッキ木材が腐りにくい。露天下では、木は防腐塗装をしたとしても10年程度で腐りはじめ、15年を待たずに張り替えることになります。

しかし、こうした屋根があれば、少なくとも20年は張り替え不要です。

勝手口付近の木製ルーバーを、大工さんが取りつけているところでした。

この位置に洗濯物を干し、目隠しになります。

また外観上もアクセントになっています。

和のような、南欧風のような、不思議なデザインに仕上がりました。

外壁はリボーンでもおなじみ、西洋しっくい=プラネット社・クイック&イージー左官仕上げ。

若干黄色が入っている模様です。

昨今はルーバーもアルミ製のものをよく見かけますが、やっぱり本物の質感にはかないっこありません。

ちょうど南中時に訪問したので、このルーバーの向こう側にある勝手口ドアのガラスからはちゃんと陽が奥まで射し込んでいました。

冬の陽射しは、室内に熱を与えてくれるだけでなく、気持ちも明るくしてくれますね。

流し台はパナソニック社のもの。

家電収納たな(下部ごみ箱スペース)は造作家具。

このところ坂田木材さんでも定番になりつつあります。

食器棚は既製品ですね。引出しや扉など、建具がたくさんあると、どうしても造作家具はたかくつきます。 このあたりをうまくバランスすることでコストコントロールしています。

キッチンに立つと、テレビが正面にあります。

以前からこのレイアウトは根強い人気があります。

対面キッチンの特権ともいえるでしょう。

まさにこの家の司令塔ともいえそうです(笑)

掃き出し窓からかなりの日射しが入っています。

内装は白とパイン板でまとめられ、床はオーク。

造作のテレビ台やカウンターを含めると、木視率は50%を優に超えています。

パントリー、家事用デスクと造作家具がつながり、 LDK19帖のスペースは、余すことなく活躍しそうです。

延床面積31.6坪、1階に和室のような客間がないので、このくらいに収まっています。

面積を抑えた分、床、天井、家具など仕上げ材のグレードアップを実現。

メンテナンス不要の無機材しっくい外壁、洋瓦屋根、次世代基準を大きく上回る断熱性能、 これら、いってみれば”ぜいたく品だらけ”の家を、予算に納めるためにした決断、 それが床面積のミニマム化。

窮屈にならないように、使い勝手がいいように工夫されて設計しています。

吹抜けはありませんが、階段上に高窓を。

さらにその上に冷房用のルームエアコンを配しました。

階段からは到底手が届かい窓の開閉、それにエアコンのフィルターメンテナンスは、 隣接する別室から手が届くところに開口を設け、造作建具(引き違い戸)を設けています。

設計上階段の位置は、床面積をミニマム化するのにとても重要です。

家の中央付近に配置できると、2階の間取りコンパクト化につながります。

階段の照明器具は、脚立に乗らずともなんとか手が届くところに壁付け、それがやっぱりいいんじゃないかと思うんです。

完成見学会は、とかく間取りや設備や仕上げ材料に目が行きがち。

でも照明の位置やスイッチの位置を考えるのにも大変参考になります。

図面ばかり見ていると、人間がまるで猫ぐらいに見えてきて、コンセントやスイッチだらけになってゆきます。

階段の上の方にエアコンをつけるのは、塩原の常套手段ですが、果たしてこの1台で本当に冷房が賄えるのか?

目安は外皮断熱性能Ua値が0.45以下。そして窓から直射日光ができるだけ入らないよう、すだれなどで窓の外側に日除け対策を行うのが、エアコンの稼働率を抑えるコツです。

そうはいってもエアコンを運転させなきゃの期間は、暖房期間とは比較にならないほど短いここ信州。

エアコン連続運転に罪悪感を感じる人が少なくありませんが、7月の下旬~8月の上旬は、間欠運転よりもむしろ連続運転の方が過ごしやすいうえに電力消費も抑えられるというレポートもあります。

ここでちょっと脱線を。

昨年11月末に完成・引き渡しをしたSさんから、「窓ガラスに結露が出ていて( ノД`)シクシク…」という連絡がありました。

Sさんのお宅は、昨年の夏が工事の最盛期。さらに秋の完成に向けて室内はオール珪藻土左官仕上げ。 フローリングや天井はほぼ無垢板です。暖房はパネルヒーター。やや温度設定低く、室温は18~20℃で加湿器を連続運転。 ダクト式の第3種全館換気で、0.3回/時くらいの換気量だと思います。

アドバイスになっていませんが、「初年度は仕方ない」とお伝えしました。来年はおそらく激減します。

このことは、10年ほど前から、私の自邸も含め、密かにささやかれている本当の話。

内壁が左官材でなく、クロスであっても結露する家もありますから。

結露してもいい、そういう事ではありません。

本当の木を使い、あらゆる木材や建材は強制的に乾燥したほどには乾いているとは言えず、断熱材であるセルローズファイバーは夏の湿気を蓄え、珪藻土=泥を塗った壁は、下地である石膏ボードも相当に水分を保有したはずであるし、そんな状況でいきなり冬を迎えたのですから。

窓枠の木部や床が結露水で濡れ、かびてしまってはいけませんので、換気扇の風量でそのあたりを調整してください。

風量をあげれば上げるほど結露は少なくなるはずです。

また、朝方、外気温が最も寒くなる6時前後が結露しやすい時間帯です。

まだ起きていないかもしれませんが、5~6時ごろに暖房をするのは体感的にもとても有効です。

温水ボイラーは、すでに連続運転していると思いますが、35℃(40℃)でお使いならば、少し温水温度を上げて、40℃(45℃)にするのも効果的だと思います。

併せてカーテンを開けっぱなしにできないでしょうか?  

気温20℃、相対湿度60%の空気の露点温度(空気が水に変わる温度)は12.0℃です。つまり12℃以下の物体にその空気が触れると結露します。

この空気を23℃まで高めると、相対湿度は50%になりますが露点温度は12℃と変わりません。

しかし気温20℃、相対湿度50%になると、露点温度は9.3℃と一気に安全側になります。

この2.7℃の差は結露するか否かでとても大きいのです。

朝方、樹脂サッシ・アルゴンガス入りLOW-Eペアガラスといえど、室内側の最低部位の表面温度は12℃前後になっていると思います。

つまるところ、結露をできるだけ発生させないためには、湿度を下げるか、結露しそうな冷えた部位(ガラスの角など)の温度を上げるしかありません。

輻射式の暖房は、室内側の表面温度を上げるのにとても有効です。しかしカーテンなどでガラスを覆ってしまうとかえって逆効果にもなります。でも、カーテンを開けて寝るわけにもいきませんよね・・・。

だから「やっぱり湿度を下げなきゃしょうがないね」ということになります。

(どうしても!と言われれば初年度入居前に工事中除湿器運転、という方法もありますが)

さもなくばクリプトンガス入りのトリプルガラス、断熱材入りの樹脂サッシまたは木製にするとか・・・。

でもこれは今度、日射取得性能がよくありません。昼間の太陽熱があまり室内に採り入れられません>_<

我が家は10年前のトリプルガラス2-LOW-Eガラス・アルミスペーサーですが、この時期室内に洗濯物をガンガン干し、加湿器も目標55%で連続運転。

朝、大きな掃き出し窓のガラスのコーナー部は毎朝結露しています。

インフルエンザ感染防止、喉のため、お肌しっとりを目指した結果です。

カーテンを開けるとうっすら結露は次第に引いてゆくのです。

そんなことから、 「朝方のうっすら結露、いた仕方なし」としています。

掃き出し窓、ガラスの下側コーナー部分や、引違い窓の召し合わせ部分は、家の中で最も低い温度になっているはずです。

初年度は、場合によっては加湿器を運転させないほうがいいかもしれません。

夏から秋にかけて工事を行い。11月や12月引き渡し、といった家は、この話を頭の片隅に置いておいてください。

壁の中は、外壁側に通気層を設けているので、壁内結露は起きない仕組みになっています。  

見学会の案内がおろそかになってしまいました。見応えのあるなかなか素敵なお宅ですので、ぜひご来場くださいませ^^

2017.2.16 Reborn塩原 (毒度3.8)  

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