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シートが日本の家の寿命を延ばしている

2017.07.25|断熱職人
塩原真貴

梅雨に戻ったような雨、湿気、アゴの汗。

現場ではおじさんたちが黙々と板を貼ったり、配線したり、土を掘ったり。

汗でピタピタになった作業着、 玉ノ汗をぬぐうその腕は真っ黒です。

長野市の新築現場、斜め天井のグラスウールブローイング風景。

サウナ状態のロフトでは黙々と厚さ25cmを吹き込んでいました。

サッシ、床、壁、最後に屋根。これで家全体が断熱材でくるまれれることになります。

今日は遠く石川県から、キューワン住宅の工事の様子を見てみたいという方が訪問され、 市内の現場をあちこち案内していました。

長野市三輪のT様邸(施工:坂田木材)は、H大工さんが床を張っています。

今日はあいにく断熱屋さんにナワバリを譲って不在でしたが、アゴから汗が滴るこの時期の床張り工事はけっこうしんどいはずです。

お盆休みまでに床を貼り終え、石こうボード内壁が半分ほど貼れるでしょうか。

明日から作業環境がとても良くなるはずですので、引き続き丁寧な仕事をお願いします。

それにしても現場がいつもきれいに片付けられていて気持ちいいですね♪

同じく長野市川中島のT様邸へ(施工:坂田木材)

こちらも断熱工事を終え、天井の無垢羽目板を張っていました。

こちらの現場もとてもきれいです。

断熱材は国道沿いの騒音対策としてセルローズファイバー。

防湿気密シートとして、今まで見たことのないシートが張ってありました。

デュポンという米国メーカーのタイベックスマート、というものです。

つい最近まで「ザバーン」という半透明のシートでした。

それがいつの間にかなくなって「スマート」に。

憤慨したのはS大工さんだけではないでしょう。

全国の木造大工さんが、「おい~なんで透けてるのじゃないのぉ~((+_+))」 ってきっと心のうちで文句をいっています。

おじさんたちはみな透けているのが好きなようです、特にこの時期は。(笑) 

タイベック・スマートは、湿気を通したり通さなくしたりする魔法のシートです。

<開発背景> 従来、寒冷地を中心に、冬場の結露を防止することを主目的とした気密シートは、“常に防湿”するポリエチレン フィルムを使用することが一般的でした。昨今では、省エネ性能を高めるため、温暖地でも気密シートを施工する ケースが増えてきております。しかしながら、温暖地の木造住宅においては、夏場の逆転結露のリスクや構造の 蒸し返しによるカビ発生のリスクがあるため、高温多湿の条件下においては透湿させた方が良いとも考えられて おりました。このような問題を背景に、デュポン株式会社では以前より冬は防湿し、夏は透湿する可変透湿気密 シート「ザバーン®BF」を販売しておりました。欧州では、このような気密シートを「スマートベーパーバリア」と呼び、 近年では、更に普及が加速している状況にあります。今後の世界的需要増加を考慮し、より安定供給が可能な 体制を構築するため、新製品を開発致しました。(デュポン社のHPより抜粋)  

「夏の逆転結露」、という言葉が出てきました。断熱を勉強するとたまにこの文字を目にします。夏の湿気を多く含む空気が壁の中に入り込み、あるいは木材が持つ水分が乾燥することによって壁の中の湿度が上がる状態で、室内温度をエアコンなどで低い温度設定で冷房すると、壁の中で結露する、という現象です。

この時期、注意深く町中を見ていると、キンキンに冷えたコンビニの窓ガラスが全面曇っちゃってるのを見ることがあります。あるいは車のフロントガラス。あそこまでひどくはないにせよ、この時期、壁の中が逆転結露している可能性は当然あるわけです。しかし、その程度は軽微なもので、限定的な時間帯であり、たとえ結露が発生しても短時間で少量、まったく問題にならない程度であることが実験や調査で分かっています。それでもそれを許さない、厳密にやりたい、ということになればこのような透湿するしないが可変調節する機能を持つシートに頼ってみるのも一つの手法です。  

ところでご存知ない方も多いと思いますが、透湿防水シート(俗称:タイベックシート)を日本に広めたのは新住協の鎌田先生です。今から約30年前の話です。

現在では100%近い家に透湿防水シートは用いられるようになっています。

日本も木造軸組み工法の進化はほとんどないとも言えますが、この透湿防水シートを外壁を貼る前に全面くるみ、通気層を設けることになったことは、最大の進化だと私は思っています。

ヨーロッパでは耐久性の向上をめざしてさらに開発が進んでいます。

このシートは約2か月間、直射日光にさらしていますが全く劣化しません。

防水の最終ラインである透湿防水シート。

「何でもいいから」、というわけにはいかなくなってきています。

各メーカでは耐久性や防水性、紫外線による劣化対策など、現在でも、そしてこれからも開発は進めるべきでしょう。

残念なのは性能のいいシートはみな外国製だということ。

日本も東レや、日本住環境など、世界にガンガン出てゆくシートの開発を頑張ってほしいと思います。  

2017.7.25 Reborn塩原 (汗1㍑放出するも昨晩2㍑注入(笑))      

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