先週は甲府・春の陣をお伝えして参りましたが、 今回は長野県の北部、中野市の断熱改修工事が終わりましたのでレポートします^^ 平成元年新築だそうなので、築後ちょうど30年。 最初にお目にかかってヒアリングしたのは昨年11月のこと。
施主、リフォームのポイント
リフォームの施工者側(コメント)
・内壁の下の方に発生するカビをどうにかしてほしい
→壁下部の気流止めが必要。居間と浴室・洗面脱衣室を軸に断熱改修を提案
・室内犬がいるが臭い
→居場所を決め(犬専用部屋)をつくって換気扇を
・玄関ドアが閉まる時、すごい音がする、結露ひどい
→ドアを構成しているアルミ部材が緩んで、ドアを閉めるとその反動で部材がガタついている
ドアクローザーがおかしい。断熱効果の高い玄関ドアに交換をおすすめ
・キッチンのレンジフードが汚い
→プロペラファンで外気との遮断性がなく、30年経過するのでモーターも寿命を超えてる。シロッコファンに交換
・現在2重サッシだが、開閉が面倒だ
→樹脂サッシに交換。大きな開口で耐震性が心配なので、耐力壁を一部つくりつつサッシ交換
・床は現在畳だが、無垢のフローリングにして、ソファーを置きたい
→部分的ではあるが、床・天井を中心に断熱・気密。壁には袋入りグラスウールが入ってはいるので、気流止めにより効果がでるようにする
・洗濯モノを干す専用のスペースがほしい。居間ではなくて
→現在ほとんど使われていない廊下を物干しスペースとし、洗面脱衣室と一体化する
・気分的にリフレッシュできるように内装をガラッと変えたい
→ログハウス(山小屋)風に内装はオール板張り(パイン)。癒しアイテム=シーリングファン設置
まずは玄関ドア。 洋風輸入住宅系のアルミドアは30年間お疲れ様でした^^
ドア本体はガデリウス社のスゥエーデンドアでウレタン断熱材60㎜が芯に入っておりU値=0.9。
Rebornオリジナルドア(eZ-DOOR)として面材にウエスタンレッドシーダー無節材を縦張りにして自然オイル塗装。
窓ガラスがないので、サイドライトは造作で製作しました。
これにあわせてこの面の外壁もレッドシーダーざらざら板を貼りました。
壁にあいた郵便受けは迷いましたがこのままで。
その代り室内側に一工夫しました。
新聞・郵便物の風除室。
私もよく近隣挨拶でいろんな家を回りますが、 この手の郵便受け口金にチラシを差し込む際に、 「落下しないか?」 「挟んでおいた方がいいのか?」 手を挟まないように恐る恐るです(*_*;
これまで郵便やさんは突っ込みタイプの人だったそうで、たびたび下駄箱とのせま~いところに落下。
「これなら落っこちなくていいわぁ~、この上に何かキーホルダーとか置けるしね」 とは、この家の守衛室長=おばあさんのご感想(^^)/
南側の窓連発はやめにして、一部は耐力壁に。
アルミサッシ・シングルガラス+内窓樹脂・シングルガラスは、それなりに断熱・防音効果がありますが、 開閉はかなり煩わしい。
この2重窓は、塩原の実家でもそうだったんですが、母親は毎日ガラスについた水を拭いてましたね。
気密性が中途半端に良くなるので、外側も、内側も両方のガラスに結露していました。
たまたま家の近くを高速道路がきちゃったもので、きっと防音の為の対策費で2重窓にしたんでしょうね。
そうはいっても当時トリプルガラスなんてのはなかっただろうし、異厚のペアガラスなんてものの存在すら知る由もなかったのです。
とにかく一度で開閉ができる窓がいいですね。
断熱改修で内窓設置=2重窓にする場合は、締め切る(FIX)つもりでいたほうがいいかもしれません。
ちなみに、断熱改修ゾーンと、そうでないゾーンを仕切る建具は一工夫が必要です。
できれば明かり取りのない、つるんとした表情にはなってしまいますが、芯に断熱材が入った建具を製作しましょう。
いわゆる断熱戸と呼ばれるものです。発泡スチロール的な断熱材がたとえ2cmでも入っているのと入っていないのでは雲泥の差です。
廊下に面するところなど、採光を必要とするところは、「中空ポリカ」と呼ばれる、段ボールのような構造を持った樹脂製の大判の板が世の中には売っています。
最近では大型ホームセンターのDIY窓断熱リフォームコーナーなんかに置いてあるのも見かけます。
単にガラスをはめ込むよりもそれなりに断熱効果が期待できます。
ペアガラスをはめる、という手も当然ありますが、建具自体が重くなり、何かがぶつかったときに割れる可能性も高いのです。
チェッカーガラスのようで、洋風の部屋には中空ポリカがフィットします。
Before
After
ビフォー&イメージパース&実際。
お~、かなりCGパースが実際に近いですね^^
手前の柱は、坂田専務(わが社の社長)セレクトのひのき生き節材。
なんでも相当レアものらしい。
その向こう側にあるのは既存の柱を4面ヒバ材で囲ったもの。
最近個人的にかなりはまっているデザイン柱で、つるんとした普通のきれいな柱にするよりも、空間アクセントとなっている気がして、好みです。
黒いラインになっているところはあらかじめ溝を掘っておき、そこからビスで相手材を引っ張って固定。
その溝に何色でもいいんですが、今回もケヤキ材にダークブラウンをあらかじめ塗装しておき、ボンド固定。
「はしら~のきぃず~は、おととしの~♪」が聞こえてくるようです(ナゼダ?オマエヘンテコダゾ)
雑多なものが吹き溜まりとなっていた廊下を洗面脱衣室につなげてしまいました。
奥の方で居間とつながっており、突き当り左にはFFファンヒーター&エアコンが設置されています。
この暖気誘導がもしもうまくいけば、洗濯物がずらっと並んだ廊下に温風が吹抜け、洗濯物がいい具合に乾くのではないか。
さらにうまくいけば、浴室や洗面脱衣室、トイレが並んだ水廻ソーンに暖気が行き渡るのではないか、そう想定しています。
計画では、このFFファンヒーターとエアコンを隠すように折り戸を設置し、開度を調整してみてはどうかと企んだのですが、ひとまず折り戸は保留。
一冬このままで試してみようということになっています。
開度が容易で羽根の角度調整も容易なブラインドや、無双(むそう)と呼ばれる引戸あたりもいいのではないかと現場からはアイデアがでています。
ついでといっては何ですが、ユニットバスも入れ替えました^^
30年もするとやっぱり工業製品はくたびれてきます。
床下で排水の部品が割れており、旧ユニットバスの下は5cm程もヘドロ状の水が滞留しており、 この寒い時期でも異臭を現場に放っておりました。室内の湿度が高かった原因はこのあたりにあったと思います。
「やっぱりお湯が冷めにくいわ。まだ寒い日があるけど、お風呂に入って寒いと感じなくなった」 という感想を聞くことができました。
弊社のホームページやマイベストプロ信州のコラムを見て、私の元には寒い時期ちょくちょく「お風呂が寒くてどうしたらいいか」、「ハウスメーカーに改善を求めても「これが普通だから」と相手にされないので、自分でユニットバスの下に断熱しようと思うがどうしたらよいか」という相談が舞い込みます。
ほんとうのことを言えば、こんな風に設置前に断熱してあれば、それだけでずいぶんお風呂の冷えも抑えられますし、湯船のお湯も冷めにくくなるのですよ。
約2か月に渡る冬期間中のリフォームでしたが、幸いたいした雪にも見舞われず、 ほぼ工程表通りに工事を遂行できたこと、関係者のみなさんにこの場を借りて御礼申し上げます。
住みながらリフォームということで、お施主様のご家族のみなさん、ご協力ありがとうございました。
工事の最終段階での水廻りリフォーム(ユニットバス・洗面台・洗濯機の入れ替え、トイレ手洗い器の新設)を行いました。
ちょうど10日間入浴ができない状況でした。
ご不便を乗り越え、こうして暖かく使いやすい、新しいお風呂に浸かることができ、気持もあらたに新年度を迎えることができたかと思います。
気分一新、新たな暮らしを愉しんでくださいね^^ 禍福は糾える縄の如し いつかマキストーブ、付けてくださいね!
2018.4.10 Reborn塩原
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