平成元年・築29年の住宅をインスペクションしてまいりました。
60坪を超える大きな事務所併用の住宅。
1階が事務所と玄関、2階が住居です。
困ったのがこの西側の面。
建物外壁が隣地境界線から50cmも離れていません。汗
軒の出のない、ボックス状の外観です。
隣地境界線にはフェンスが設けられており、 窓には面格子が設置されており、 ふぅぅ~っと息を吸い込んで、呼吸をとめて(笑)、歩を進めました。
排水配管もこのわずかな隙間を通ってきており、このあたりは重要なポイントなのです!
「こりゃ、水道とか排水とかのトラブルがあったとき、どうするんだ?」状態です。
外壁はサイディング+吹付塗装です。
過去29年、再塗装や目地コーキングの打ち直しなどは行えるはずもなく、 けっこう大きな口があいていました。
通気工法もまだ世に広まっている時代ではなく、 こうしたコーキング切れは、水が抜けにくくなっており、漏水リスクも高まります。
これから住宅を建てようと計画中のみなさん、 外壁のメンテナンスが可能な、適切な距離を隣地境界から確保してください。
お隣さんの土地を借りないと足場がたたない、脚立すら立てられない、 そりゃイカンです( ;∀;)
とにかく! 塗装は15年毎に行いましょう。
事情があったとしても20年以内に!
30年も経つと基材であるサイディングに影響を及ぼしています。
車を洗車・ワックスがけするのもいいですが、家の外壁も気にしてあげましょう!
今回のインスペ作業の中で、最も緊張が走ったのが屋根の点検です。
2連はしごですれすれ届く高さでしたが、ナカソネの補助はあったものの、 この日はえらく強風が吹いておりまして、2箇所でロープで控えをとっての昇降です。
屋根は折半屋根で、サビがけっこう出ています。
サビを放置すればやがて穴があき、雨漏りにつながります。
はやり金属の屋根は、15年くらい毎に塗装をしてゆかなくてはなりません。
普段は決して目につきませんから、どうしてもおろそかになるのです。
しかし建物の寿命は雨漏りが始まると一気に加速します。
もう手の付けようがなくなってしまうのです。
今回、このようにインスペクションをする機会があって、初めて気が付くことも多いでしょう。
パラペットのサイディング外壁も、一部ぼろぼろになっていました。
ここまで傷んでいると、壁に中に雨水が入っていても不思議ではありません。
壁の中までは調査ができませんから、あくまで想像するしかないのですが、ここは見過ごせません。
「あ~、ドローンがほしい」 屋根の上でうろうろしている間、心から思いました。
あのはしごに上っている間に震度6の地震が来たら、、、 そ
んなことまで考えてしまうのは職業病?東京出張へ行くときも、一抹の不安を抱えているほど臆病な塩原です。
床下へももちろん。
「あ~、断熱材やっぱないか~泣」
そういえば、インスペクションのガイドラインには、断熱材の有無や気密性など、 断熱性能にかかわることって、まったくチェック項目がありません。
本当は中古住宅の価値って、耐久性ももちろん大事ですが、どの程度の断熱性で、 暖房すればちゃんとあったかいのか、どのくらいのエネルギーを喰うのか、 信州ならばなおさらですが、温熱環境の調査も行うべきじゃないでしょうか。
駐車スペースの上、俗に言う「オーバーハング」部分の天井裏も照明器具を外してのぞいてみました。
ポリスチレン25㎜の断熱材もあえなく脱落・・・。落下率50%・・・この上の部屋、冬は相当寒いだろうに・・・北側だし・・・。
オーバーハングっていわば橋の上のようなところ。
普通のアスファルト道路は凍ってなくても、橋の上は路面が凍ってるってこと、よくありますよね。
路面は地熱の影響で、橋の上よりはやや温度が高いのです。
この断熱材を入れ直すのは一苦労です。天井全部はがさないとできません><
柱の垂直具合はまずまずです。
レーザーで確認しましたがほとんど傾いていませんでした。
地盤はまずまずよさそうです。
部屋の中は、ご住人様が丁寧に暮らしてくれたため、とてもきれいで、使用に十分耐えられます。
問題はやはり外部か・・・。
平成元年といえば、私がちょうど高校入試の時だった。 あっという間に人生は流れてゆく。
2018.6.14 Reborn塩原
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