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インスペクションの先にあるもの

2019.05.11|インスペクション
塩原真貴

GW期間中2棟のインスペクションを行いました^^

こんないでたちで床下に潜ります。

自撮りパチリ

築50年程の木造住宅。平屋ですが空き家です。

性能向上リフォームに耐えうるか、リフォームをする価値があるかどうかの確認で、 空き家を引き継いだ方からのご依頼です。

亡くなる前日までツルヤに買い物にでていたという証拠のレシートがあったそうです。

理想ですね、ピンピンコロリ。

室内は断捨離ができておりませんでしたが、屋根はカバー工法でリフォームされ、 シングルガラスのサッシも内窓が随所に設けられ、丁寧な暮らしぶりが見て取れます。

しかし断熱材は天井、床下、外壁共に皆無でして、あともう20年早くインスペクションしていたら断熱リフォームをおすすめしたでしょう。

いやまて、そのころはまだ断熱リフォームなどという言葉もなかったか。

住人の身内に建築士がいたそうで設計者も同性。

大工さんも丁寧に腕をふるっていたとうかがい知ることができます。  

基礎クラック多数、外壁クラック多数、断熱するにはかなり工事金額がかかりそうだとの判断で、 建替えあるいはこのまま不動産市場に出すべきかと、という判定を出させていただきました。

人間はいつしか死ぬが、建物や土地は残る、 ということについて改めて考えさせられるインスペクションになりました。

遺族は丁寧に遺品を整理しながら、果たしてこの建物をどうすべきか、あるいはどう活用できるかを考えています。

我々建築士や司法書士、あるいは弁護士など、各分野の専門家がいろんな角度からアドバイスをしないとなかなか答えがでない問題だとも思います。  

「インスペクションの先にあるもの」

そこまで踏み込めるような知識や経験を蓄えてゆきたいと思います。

2019.5.11 Reborn塩原      

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