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瓦屋根を見直す時。

2019.08.06|設計・デザイン
塩原真貴

先週、今週と、立て続けに上棟しました。

昨年の秋から冬に設計をしていた 「設計:Reborn × 施工:坂田木材」コラボの家、2棟。

御代田町Y様邸は、周辺の街並みや残存させた和風庭園にあわせたデザインを。

屋根は和瓦で、南に下屋をもつ伝統的なスタイルです。

こういう家は最近めっきり減りましたが、何百年も続いている木造軸組み在来工法の、 ある意味到達点ともいえるデザインなのではないでしょうか。

同じ家ですが、西側の駐車場側にまわると、少々現代的なデザインとなっています。

瓦の屋根は耐震上不利なのですが、きちんとバランスの取れた壁配置ができると設計上は問題になることはありません。

この「バランスの取れた壁配置」がミソでして、このことはつまり”間取り”と直結しているのです。

2階の壁の真下の1階にはできるだけ壁をつくる、柱を立てる、というような意思を持ってプラニングしないと、なかなか耐震等級3は難しくなるものです。

そしてもう1棟は長野市S様邸。

平屋のようなプロポーションの低さですが、部分2階建てです。

2階は多目的に使える8畳ほどのホールになっており個室はありません。

一部吹抜にして窓を設け、「暗くなりがちな平屋」の弱点を克服しています。

また夏には2階の窓が排熱用の口として機能し、夕方から夜~朝にかけて開けると風が通って涼しい、 という状況を狙っています。

この日の最高気温は36℃。

年々気温が上がっていると実感はしていますが、 本当にもう、エアコン要らずの涼しい信州(=40年前相当)にはもう戻ることはできないんでしょうか?

夏の30℃以上の1℃、2℃というのは全く状況がかわってしまいますね。

今年は気温もそうですが、湿度が例年以上に高い気がします。

冬でも建築仕事ができるようになった一方、夏の日中の作業は過酷極まりなくなっております。

冒頭、瓦の話がありました。

最近も打合せの初期段階で、よくお客さんから尋ねられます。

「瓦はやっぱダメなんでしょうか?できれば一番長持ちするモノがいいんですけど」

・・・瓦は全くダメじゃないんです。むしろ国産(主に愛知県や島根県)で耐用年数も50年以上、初期投資として考えれば価格も決して高くありません。

ではなぜここまで見かけなくなったのか、悪者扱いされているのか?  

原因はわたしたち建築士や、住宅営業をする者たちのせいかもしれません。

【設計】耐震上不利になる→後で計算するとヤバイ結果になるよりは却下したほうが無難、

【営業】予算に合わせるため、手っ取り早くコスト削減できる。雨露をしのぐ、という機能は変わらないのだから、ま、いいでしょ。

そんなふうに、安直に考えているフシがあります。

屋根をのせる下地を、35℃の中で大工さんが黙々とつくっています。  

2019.8.6 Reborn塩原      

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