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水害による床の復旧は、基礎断熱もありうる

2019.12.05|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

威風堂々、長野市松代町のK様邸15年点検へ。

5年前に10年点検も実施しました。

久しぶりに旧友に会ったような気持ちでくまなく調査を行います。

オーナーのKさんご夫婦も、とてもこの家を気に入っていただいている様子で、 ちょっとした不具合は自分でメンテナンスをしてくれています。

私は、普段目にしない・できないところを中心にみてゆきます。

あまり報道されていませんが松代町は台風19号で堤防が決壊、あるいは越水して床上浸水したお宅がたくさんあります。

このお宅のすぐ脇を流れる河もすぐ先で千曲川に合流するのですが、当日千曲川への放流が出来なくなり水門を閉じたそうです。

ほどなく辺りは水面に。

このポスト&ビームの家は床上浸水を免れましたが、別棟の母屋や土蔵が床上浸水しました。

聴けば基礎の天端(てんば)から15cm下くらいまで水がついたそうです。

床下に水や泥が入り込んでいないか確認もしてほしいとの要望をいただきました。

ここが決壊した現場。つい30m程先でした。

床下へ潜りくまなく調査しましたが問題なし。

キソパッキング工法でしたので、俗称「地窓」と呼ばれる床下換気口がなかったのが幸いでした。

床上・床上浸水した方々は、おそらく床を剥がして、今もなお乾燥させているかと思います。

扇風機などで送風して乾燥を促している様子をしばしば見かけますが、そろそろ気温が氷点下になりますので、 水道の配管が凍らないように気を付けてください。

凍結防止帯を巻くとか、水を抜くことです。

水分を乾かすためには本来、温度が必要です。この時期は空気は乾いていますが、気温は低いため、それほど乾燥は進みません。

除湿器を床下に仕込み運転させ続ける手法が考えられますが、機械そのものも高く、市場でほとんど見かけません。

私の自宅は基礎断熱工法で新築しましたが、工事中ずっと除湿器を運転し続けていました。

コンクリートがまだ保持している水分が床合板の裏側でカビるリスクが非常に高いためです。基礎断熱工法の弱点のひとつは、初年度で起きやすい床下でのカビです。

床下地面が土の場合は防湿シート+砂を敷き、床下への通気が確保できていれば、床を復旧してよし。

べた基礎など床下がコンクリートで覆われていれば、完全に乾かすことはまずできませんので、床下の自然換気が確保されていれば床を復旧してよしです。

問題は床を復旧する際に断熱材をどうするか?

もちろんケースバイケースではありますが、床下空間はとても長時間作業をするほど広くありませんので、 べた基礎の場合は、この際床断熱工法から基礎断熱工法にしてしまうということも考えられます。

床下も室内の空間と一体化させるそのやり方は、機械的に換気を必ず行いましょう。

また、基礎立上りに張り付けた断熱材と外壁の断熱材とをどう連続させるかが最重要ポイントとなります。 

「グラスウールは水害に弱い」

という声をしばしば耳にします。確かにガラス繊維で出来ているグラスウールは一度水に塗れると当然に水を吸いあげ、断熱性能は劇的に低下。触るとチクチクするので大変嫌がられます。

しかし濡れたまま放置すれば、いつまでも乾かない床となり、フローリングがブカブカしてきたり、カビや腐朽の原因となることでしょう。

しかしどこでも手に入る・安価などの利点もあり、復旧に費用をかけられない場合や早く床を元に戻したい場合は、やはり第一候補といってよいと思います。

発泡ウレタンなど吹付けの断熱は、専門業者しかできませんし、工事費用もやはり高い。いつまでも待たされる可能性大です。

ある程度の費用を出せるということであれば、ポリスチレンボードや発泡スチロールのようなボード状の断熱材もアリだと考えます。

今のこの状況を考えると、”誰でもできる工法=オーナーが自ら断熱工事をすることができる”ものがよいのかもしれません。

建築業界、とにかく人手が不足しています。

2019.12.5 Reborn塩原  

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