松本市野溝Q1.0(キューワン)住宅レポ。
大きな欅とともに子供達がすくすくと育つ(はずの)家です。
欅は隣地側にあるのですが・・・(笑)
建築主Kさんによる週末DIY塗装も始まりました。
陽当たり・通風ともに最高の好立地で、基本設計段階では日射利用を意識した、いわゆるパッシブハウスを目指しました。
開口部に超お金がかかるドイツ基準のパッシブハウスには到底ならないのですが、現時点でReborn-パッシブの代表的モデルとなるはずです。
巷でもたまに耳にする(?)パッシブハウスですが、建築実務者でも正しく理解している人は少ないはずです。
そもそも設計段階で、冷暖房エネルギーの燃費計算をしている設計者がどれほどいるのか?
データ改ざん事件が起きるほど熾烈な自動車業界。
各社血眼になって燃費を競っています。いや、もはや収束しているか。
燃費は当然お財布に影響し、ひいては家計にも響きますから、 車を購入検討する際の大事なモノサシです。
車よりもはるかに大きなエネルギーを必要とする住宅ですが、残念ながら前もって燃費を提示してくれる業者は非常に稀だと聞いています。
建築主の要望や予算を十分に把握し、役所や現場に行き、敷地に対して建物をどう配置するのか、外観デザインをどうするか、間取りを考え、断熱材の仕様や厚さを仮設定し、正しい燃費計算を行い、構造計算もし、、、
あ~、確かに建築士の作業量ってハンパありません。
これではなかなか燃費計算までたどり着けない・・・。
燃費計算しない、できない建築士の多くはその膨大な作業量に負けているのではないでしょうか?
断熱の力はUa値というモノサシで測ることができます。建物が外に触れている面の1m×1mの部分をくりぬき、 ここからいったいどのくらいの熱が逃げているのか、その平均値がUa値です。
これがもとになり、換気による熱のにげをも考慮したのがQ値。
まずはここまでは必ず設計段階で求めなければ出場資格がないのも同然です。
そしてその先にあるのが日射の影響を数値化するところ。
窓の大きさ、方位、ガラスの種類などを検討することになります。
ざっくりですが、この日射をどう建物にいかすのか、それが「パッシブ」という言葉の意味だと考えてください。
ところで天窓を壁に付けることができるってご存知でした?
VELUX(ベルックス)という天窓メーカーでは、カタログに小さな字で、「壁垂直付けにする場合はお問い合わせください」って書いてあるんですよね。
昔はカタログに施工事例なんかも載っていたんですがね。いつのころから賄いメニューのような扱いに。
階段や洗面化粧台の上など、手が届かないけど絶対に開閉させたい、ってところに有効だと思います。
VELUXの電動タイプ天窓は、雨降りセンサー搭載で、雨が降ると勝手にしまったり、スマートフォンのようなリモコンをつかって、あらかじめメモリーさせたパターンでタイマー開閉させたりと、ちょっと面白い。それなのに意外と安価。
ここ数年採用がありませんでしたが、久しぶりにVELUXを垂直に北側壁面につけてみました。夏の通風=排熱ねらいです。
この日は第三者機関による防水・金物検査がありました。
外壁をグラスウールで付加断熱する住宅はほとんど見る機会がないらしく、検査員の方より質問責めにあいます(笑)
検査員の方はあくまでマニュアルに基づいて検査をおこなっている様子ですが、当然マニュアルに載っていない技術もあるわけで、 省エネを図る住宅建築技術は日進月歩です。
でき得ればマニュアルもどんどん更新していただきたいと思います。
少なくとも1年に1回程度はね。検査員の方は1級建築士の方が多いので、理屈さえ理解してもらえれば検査は合格となるのですが、
「おえ~、もっと雑誌とか専門誌で勉強したり、情報量増やしてくれよ~」という検査員の方がいらっしゃるのもまた事実。
Q1.0住宅の考え方が一般に評価されるのはまだまだ数十年かかるのかもしれません。
それでもリボーンは地道に、「全棟キューワン」、「全棟補助金ゲット」を掲げ、来年以降も突進して参りたいと思います。
今年は8棟の新築Q1.0住宅を手掛けることができました。
自分でもよくこの膨大な作業量をこなすことができたと感心しています(笑)
規格プランによる設計作業量縮小、打合せ前の施主予習用動画の作成、納まりの標準化、使用材料の定番化、現場で作業にあたる職人さんのレギュラー化なくしてはできなかったと思います。
2019.12.17 Reborn塩原
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