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雪下ろしはできない

2020.07.02|Q1.0住宅|断熱職人
塩原真貴

飯綱町・O様邸。

上棟から3週間が経ちました。

サッシや玄関ドアが搬入・取付されまして、家としての体裁を整えつつあります。

リビングにはでっかい化粧梁が並んでいます。豪雪地ならではか(設計上、積雪量は195cm)

「もはやそんなに降らない」

と言われて久しいわけですが、地域ごとに設計積雪量というのが決まってしまっています。

120㎜巾・H330㎜の梁。

雪が195cm屋根に乗った状態で耐震等級3を取得しようとする場合、計算によって算出される梁の大きさです。

雪のない状態では明らかにオーバースペック。

しかし見込まれる数十年に一度の悪い状況を想定して、建物の耐震性は検討されています。

地球温暖化によって気温の上昇が起きていることなどにより、省エネ性の評価をする前提の地域区分も昨年見直されました。

積雪量も相当変わってきていますから、ぜひ国交省には設計積雪荷重の基準についても見直してほしいと思います。

室内ではDIY・梁の塗装が始まっています(^^)/””

「日頃は人様相手の職業なので、誰ともしゃべらずひたすら塗装するってのは、新鮮で楽しい!ストレス解消になりますね!」

化粧梁塗装のつぎは外部の軒天が待ってますよぉー!

(自然塗料の基本的塗り方=刷毛で塗って、すぐにふき取る)

いっぽう大工さんは時期的にしんどい梅雨の作業。

2階、ブルーシートで囲われた室内は無風で天井面からの輻射熱が容赦ない。

「はやく断熱してくれよー」とみねちゃん大工。

彼のオマタはカイカイ状態になってしまっているそうです(笑)

コロナの影響で、「ヘルメット&マスク」 という容姿が業界では推奨されていますが、これはあまりにも酷。

現場では密にならないような工程や人員配置を考ええ、マスクは外すようにしてゆかねば、職人さんは耐えられないでしょう。

冒頭、積雪荷重が影響する構造の検討について触れました。

現代では、かなり綿密にコンピューターでシミュレーションができます。

豪雪地では、基本的には雪を落として屋根上の積雪荷重をできるだけ減らすということを考えます。

その昔は雪下ろしをするのが常識でした。

しかし最近では共働き家庭も多く、雪下ろしをする習慣はありません。

雪下ろしは危険も伴います。

急勾配の屋根に積もった雪は、滑り台のように加速して落ちてくるので、軒下での落雪事故も。

ゆえに、こうして屋根勾配をゆるくして雪を屋根に残し、一気に落雪しない方式も今後は考えるべきでしょう。

この場合、積雪荷重によって建物が変形して窓や引き戸が開かなくならないように、あるいは屋根に雪が残った状態での巨大地震が起きた時に大丈夫か、などを検討すべきです。

屋根の荷重、床の荷重を、この梁はどのくらい受けているのか?

そんな様子もコンピューターでは視覚的に分かるように工夫されています。

屋根上の雪の荷重を母屋(もや)が受け止め、束(つか)を伝って小屋梁に伝え、 2階の柱を伝わって1階の梁に伝えている。

このあと1階の柱に伝えて、土台から基礎、基礎から地面へと荷重を受け止めているんですねー。

建物の形を変えるとどうなるか、構造材の掛け方を変えるとどうなるか、 いまや構造計算用のコンピューターソフトはかなり進んでいます。

こうしたツールを用いて検討することができれば、常識にとらわれることなく、あらたな可能性も産まれてきます。

設計者である私たちも、安心して建築主に建物を提供できます。  

2020.7.2 Reborn塩原

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