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KMブラケット

2020.07.11|Q1.0住宅
塩原真貴

ブログ読者の方から言われました。

「シオハラさん。珍しく片流れの屋根の家、設計したんですね」

ええ、まぁ、雪の関係で。 って答えましたけど、意味わかってもらえましたか?

ここは長野市の北、上水内郡飯綱町。

ここ数年さほど雪は積もりませんが、一応見込まれる積雪量は195cm、約2mです。

雪国では、どこに雪を落とすか、というのが設計上のいの一番。

いっそディプロマットで雪を落とさない手もあるのですが、 建物への負担もそれなりに大きく、ゆえに耐力壁も多く必要となり、間取りの制約は大きくなります。

このお宅では、ガルバリウム鋼板立平(たてひら)葺きの片流れ。

軒の出も妻側はゼロとし、BOX型の外観意匠としました。

今週の長野県は雨が降ったりやんだり。

せっかく屋根の上にきたので、山を眺めようと足場を最上部まで登った。

旧三水(さみず)村。市町村合併により飯綱町へ。

こうして見渡すと、案外緩い勾配の家も多い。

そして赤い屋根が多い。萱葺き屋根も散在し、旧家を代々住み継いでいる家も。

敷地にゆとりがある家が多く、リンゴ栽培が盛んな地域で、水害の心配はなし。

南側の大開口サッシの上には、大きく張り出したひさしを設けた。

積雪に耐えられるよう、その固定にはいろいろな工夫を施している。

なかなか進まない外壁の付加断熱。

かれこれ1週間以上も天気の模様眺めとなっており進んでいない。

窓まわりには木材で枠を回しているが、そのほかの部分はKMブラケットというプラスチックの断熱材引掛け具、兼胴縁の下地となる部材をビス固定している。 

この紫色に見える凸部材がKMブラケットです。

先端の白いところは、両面テープがあらかじめくっついていて、 断熱材(高性能グラスウール)を引掛けたあと剥離紙をはがしてタイベック(透湿防水シート)を貼ります。

この家の外壁はすぎ板。目下ACQを加圧注入している最中です。

ひさしは夏、日射を遮る古典的な住宅部品。

昨今は既製品も発売されていますが、建物意匠になじむよう、できるだけ造作で手作りしています。

直角L型の鉄骨部材で補強をも行っています。

サッシは2棟連続でLIXILエルスターXを採用。

白いホース状のものはパネルヒーターの温水配管です。

なかなか外壁の付加断熱が施工できず、家の中の充填断熱を先に。

大工さんは外部仕上げができず、フローリングを貼り始めました。

来週後半あたり、そろそろ梅雨明けしてもらいたいナー。

上棟から約1か月。

なんと!工程表より10日あまり早く工事が進んでいます!

2020.7.11 Reborn塩原    

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