まずは相談メールから。
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こんにちは。□□といいます。
中古の家を購入し、昨年、家を大規模リフォームしました。 その際、Reborn様でグリーンラックを購入しました。
それからちょこちょこブログを拝見させていただいています。 リフォームを行い、リビングやダイニング、生活の大部分を過ごすところに関しては、暖かさや涼しさの点で、不満を持つことはありません。
ただ、唯一、お風呂周辺に関して、ちょっと寒いなと思うことがあります。
そんな中、Reborn様が2012年6月26日にアップされたブログ記事「ユニットバスの床下~断熱すべし」に目が止まりました。 この記事に書かれた内容の断熱工事を行えば、確かに快適になりそうだと思いました。
そこでお伺いしたいのですが、Reborn様では、今でもこのような断熱改修工事をされたりしていますか? また、その場合、エリアは長野県のみでしょうか? もし、可能であれば、このユニットバスの床下断熱工事をお願いすることは出来ないでしょうか?
突然、このようなメールをお送りして申し訳ありません。 工事が可能かどうかだけでもお伺いしたくメールしてみました。 お忙しいところ、大変、お手数ですがご教示いただけましたら幸いです。 それでは、また。失礼いたします。
今年の秋、このようなメールをいただきました(‘ω’)ノ ありがたいですね。
「ホント、この仕事をつづけてきてよかったww」 そう思うわけです。
でも、石川県ともなると、ここ長野市からは4時間近くかかります。 「う~ん、交通費もかかるし、なかなかねぇ・・・」
ぴかっ! そうだ、アイツがいるではないか!
石川県の宝、西川君! 新住協の仲間、西川建築工房の社長です。リンクはっちゃいます。太文字にしちゃいます(笑)
実は新住協は北海道発、全国に工務店会員がいますが、基本的に県単位で支部があり、 石川県には残念ながら支部がなく、西川君は新潟支部や東海支部を転々として勉強を重ねていたそうです。
そんな時、北陸新幹線が開通!金沢と長野があっという間につながってしまったのです。
もう6、7年になるでしょうか。当時長野支部の事務局、ランバーテック(現、テオリアランバーテック)の丸山さんが、 「ちょっとちょっとしおちゃん、なんか金沢に迷える子羊がいるから、長野支部にいれちゃっていいかいや?」 という連絡がありました。
当時、わたくし、長野支部の支部長しておりまして、彼の長野支部加盟を快く引き受けたというわけです。
裏では新住協の裏ボス(失礼!)、会沢さんの力が働いていたかも!?(会沢さんの本、みなさん買ってね~)
まさに今日の日に知り合ったかのような(?)不思議な長野支部会員、西川建築工房。(#^.^#)笑
というわけで、昨日塩原&西川で□□様宅をお邪魔したのであります。
ありましたありました、グリーンラック。 役になってるね~、おまえさま。 こいつがとりつないでくれたのだからすごいこと。
さっそく断熱Gメン、いやGメンズ。 お宅拝見と参りましょう。
暖房は壁掛けエアコンで、Ua=0.48とのこと。
築16年と若い中古住宅を購入し、長期優良住宅化リフォーム・高度省エネ型で補助金を得つつ、無垢の木をフローリングや内外壁に多用しています。
ひのき無節のフローリングがいいね! とってもステキなお宅でしたよ。
サーモグラフィーをつかってあちこちを探検。
玄関の土間ですがどうやら基礎断熱が施工されていない様子。
室内気温は24℃くらいありましたが、タイル張りの土間床はヒトケタ。
アルミ樹脂の断熱玄関ドアの角も8.1℃です(外気温は7~8℃)
窓は交換ではなく、内窓でリフォームされていました。
いわゆる2重窓になっているわけですが、2階の北側の部屋では外側のサッシ(旧来からついていたアルミサッシのペアガラス内側に結露。)
そこそこ気密性能が高いので結露します(どうしてか分かりますね?)
長野だともっと外気温が下がるので、この結露水は当然凍ります。
弊社の事務所でも内窓を使用していますが、日本メーカーの内窓はなにゆえこんなに気密性能がないのか?(引き違い)
もう少し改良してほしいなー(+_+)
内壁も一度剥がして断熱材(袋入りのグラスウール)を入れ替えたそうですが、 コンセント廻り、巾木付近に冷たい温度を確認。ちょっと温度ムラがありました。
まあ、それでも15℃近くありますから、普通に生活していると、寒さは感じません。
気密コンセントボックスの必要性をもっとPRせねば。
そもそも袋入りの断熱材(グラスウールやロックウール)を間柱間に入れるのは、断熱気密防湿を理解している人がやらないといけません。
分電盤周りからもスース―と風がでてきてます。
断熱材が入った外壁に分電盤を取り付けるのはできるだけ避けましょう。
床下からか、外壁通気層からか? 電線の向こう側に、押しやられた袋入りのグラスウールが存在しています。
断熱材を押してしまうのも断熱性能が得られない原因となります。
また、あまり世には情報が出ていませんが、万が一家に雷が落ちると、分電盤周りは黒く焦げることは容易に想像できます。
グラスウールのような燃えない素材であればそう心配ありませんが、ここに発泡ウレタンとか硬質ウレタンとかがあったらどうなるでしょうか? 一見火事が起きたように見えないんだけど、なぜか家の中で人が死んでいた、そういった証言もあるのです。 だから分電盤は絶対に外周外壁に設けないほうがいいですよ、ほんと。
床下に西川君といっしょに潜りました。
フェノール系のボード状断熱材が90㎜。なかなか性能が高い仕様です(床断熱)。
しかし配管貫通部は隙間処理がされておらず、全個所ではありませんが、目立ったところはコーキング処理させてもらいました、せっかくなので、西川君が(笑)
幸いべた基礎で防湿されており、キソパッキン工法で通気の状態はすこぶる良く、カラッとしていました。
ここ最近インスペクションを多数こなしておりますが、昔の家は換気が悪く、カビ臭が鼻毛について一日中不快な思いをすることしばしばです。
今回は遠路はるばるなので、もしそんなことがあったら帰路は拷問になります(笑) なにせ鼻かんでもかんでもとれないんです!
玄関土間に断熱未施工なのを確認し、さてさて、問題のユニットバスの下へ。
なるほど、やはり無断熱。しかも浴槽・洗い場ともに裏側に吹付ウレタンなし。
いわゆる高断熱浴槽となっておらず、しかも通気性がよい床下。
ということは、、、、お外にあるお風呂。
寒い、ちめてえ、湯舟のお湯あっというまに冷める、の苦行浴室になってしまってます。
室内がそこそこ断熱されていますから、その差ははっきり感じ取ることができるはず。
う~ん、でもここどうしよう?「おし、西川君、入ってみて!」と(笑)
え~!まじで!! 入れるんですけど!
寝返りは打てないと思いますが、奥まで体が入れば断熱施工できるはず。
あらかじめ30cm角くらいに切っておいたスタイロフォームなどのボード状断熱材をボンドをくっつけて送ってあげれば、パズルのように、いやタイルのように基礎断熱できるのではないか、 そう床下で話し合いました。
よしっ!ついに石川県に断熱職人の誕生です!
約4時間ほどの調査を終え、いくつかの問題点が浮かび上がりました。
□□さんも相当勉強をしているらしく、すべての問題点をご理解いただいたようです。
あとは費用を勘案して、コスパが高い、将来的に必ずやっておいた方がいいことなど優先順位をつけて補正工事をぜひ行ってください。
西川君、あとは頼んだぞ!
最後に本日□□さんからいただいたメール文章を。 同様のお悩みがある方にとって、参考になれば幸いです。
西川さん、塩原さん、先日は勉強になる&楽しい時間、ありがとうございました。
これまで耳学問で聞きかじった気流止め、玄関の断熱損失、風呂の床下の断熱事情、接続部の断熱ロスなど 実際のサーモグラフィーを見つつ、体感&体験できて非常に面白かったです。 また、塩原さんと西川さんの楽しげに話しつつも、こうやってみては?、いや、こちらの方法はどうだろうなどの話し合いが、実に面白かったです。
やはり、尖っている方同士の意見は面白いですね。 また、すごいなと思ったのが、簡単には諦めない、こういった対処法はどうだろうと提案していただけるのが非常に心強かったです。
大規模リフォームしたとはいえ、もとは14年前の住宅です。 正直、「いやぁ、ちょっと無理ですねぇ」と言われてもおかしくないところが多々、あったと思います。 それにもかかわらず、こうしたらどうだろう。本当は(新築ならば)、こうするところだけれども、今の状態ならば、こうしようと、次の手の提案をしていただけたのが本当にありがたかったです。
あと、豆テクニック、良かったです。
費用対効果も考えていただいて、カーペットタイルの対策や、隙間テープ?(EPDMパッキン)での対策など、いろんな技を披露していただき、ありがとうございました。 (こういう一つづつは小さいけれど効果のある方法、結構、知りたいと思っている方、いると思います。 全員が全員、大きなリフォームが出来るわけではないと思うので。) 科学的では全くありませんが、「縁」ってあると思います。 こういう家とあたわった縁、(「あたわった」=方言ですね。なかなか味のあるいい方言だなあ) それを快適にリノベしてくれるヒトと会えた縁、 そして、それをさらにより良く、住みやすくしてくれる方と会えた縁。 なかなかどうして、面白いものがあると思ってます。
我が家は、決して、性能の面では完璧なものではないかと思います。 ただ、縁があってあたわった家です。少しでも快適&家族が喜ぶ家であってほしいものだと思っています。 西川様、そして塩原様に、多大なお手間をおかけしますが、何卒、よろしくお願いいたします。
以下、自分の中の整理もかねて、今回の調査で分かった我が家の問題点と、対処法、手をかけるところを思いつくままに記述しますね。
・玄関のたたき、立ち上がり部分は断熱材が入っていないため、断熱損失が起こっている。また、靴箱の点検口から確認した際、壁面に断熱材が入っていない。
→費用対効果を考えて、玄関ホールの断熱に関してはカーペットタイル等で対処。また、点検口に関しては、断熱したフタのものに変更(西川様が制作)するとのこと。 (ここで一点、質問させてください。郵便受けは何か対策したほうがよろしいでしょうか?)
→(塩原:可能なら閉じちゃったほうがいいと思いますよ(‘ω’)ノ) ・玄関ホールからリビングに入るドアには、隙間テープ?気密テープ?で、ドア下部の通風をなるべく塞ぐ。
・キッチンの後ろ(納戸?)は、通風ドアと配電盤に温度低下が見られる。ここは何も手を入れないんでしたっけ?キッチンと納戸の間の引き戸をなるべく閉めることで対処でしたっけ? (勝手口にポリカなどの二重扉を作ってもあまり意味はないんでしたっけ?)
・ユニットバスの床下は無断熱の状態とのこと。ただ、床下から頑張って断熱をしていただけるとのこと。 西川様、お手数おかけしますが、何卒、よろしくお願いいたします。お風呂は裸になるのもあって、寒さを強く感じる箇所なので。
・キッチン後ろの納戸には、点検口を設ける。
・キッチンや洗面所の配管のところはパテ?シリコン?などで気密を上げるようにする。
・全体に換気が多すぎるかもとのこと。対策としては、換気扇をつけないという方法も・・もしくはマメにオンオフさせるか。(Co2の量を計測し、switchbotと連動させて、Co2量が高いときだけ作動させるのもありですね。)
・2階のクローゼットは、出来るだけ開けておくこと(かび&結露対策)。
・窓に関しては、隙間テープ?気密テープ?を用いて、召合せのところの漏気対策を行う。
・2階のクローゼットにある点検口は、断熱フタのものに変更(西川様作成)。
・屋根裏に関して、湿気を逃がす換気口が必要(西川様作成)。
・2階に関しては、ラッキーなことに、結果として気流止めがされたような状態とのこと。ただ、防湿シートが処理されていた訳ではない。
こんなところでしょうか?まだ話が出てたようにも思います。もし、漏れている箇所がありましたら、 また、ご教示いただけましたら幸いです。(塩原:そうですね、こんなところでした)
最後にちょっとだけ質問させてください。
暖かい空気は上に上がろうとするので気流止めの対策が大事かと思います。
2階は、結果として気流止めをしたような状態とのことでしたが、我が家は、特に気密を気にかけて施工されたわけではないので、壁内気流が発生し、暖気の抜けが起こっている状態なのでしょうか?
床下からの気流止め(防湿層の施工?)、コンセントボックスなどの気流止めなどは、壁や内装材がある状態では出来ないという感じなのでしょうか?
それとも、発泡ウレタンを適所に吹くことで対策は可能なのでしょうか?素人の質問ですみません。
(塩原:床下の断熱材がけっこうしっかり充填されているので、壁内の気流止めは完全ではありませんが、そこそこに出来ている状態です。コンセントやスイッチBOXの中に発泡ウレタンなどは燃える心配もありますからやめましょう)
長くなったのでこのへんで。 あ、本当に最後に、 西川さん、大変、お手数おかけしますが、何卒、面倒見てやってください。よろしくお願いいたします。
また、塩原さん、長距離ドライブの後にも関わらず、本当に丁寧に見ていただき、また、様々な対策を考えていただき、誠にありがとうございました。
それでは、また。失礼いたします。
2020.12.15 Reborn塩原(じ~ん涙)
西川君よ、ブログ更新しろよ!
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