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10年越しに断熱欠損を修正

2021.02.13|断熱職人
塩原真貴

「見逃しませんよ!断熱欠損は!」

OB宅の10年点検を行った際、床下に潜りました。

昨年11/24のブログ~「戦友の家。」
掲載について賛否両論があった、いわくつきの記事。

「この記事の続きを知りたい」という声は2名にとどまったため、続きはお話しません。

このお宅、わたしの前職の長野ログハウス建築設計で建てたんですが、

完成の3か月後に倒産してしまいました。ちょうど10年前の2011年です。

ありがたいことに、オーナーさんとはその後もお付き合いを続けており、10年定期点検ということで訪問させていただいたのは昨年11月。

この点検の際に、2つの断熱・気密に関係する欠陥を発見してしまいました。

一つ目は床下で発見した和室小あがり段差部分の断熱欠損。

この時も床断熱工法をとっておりましたが、段差が20cmほどと大きく、この「蹴込み(けこみ)」と呼ばれる段差の高さ部分の断熱がないんです!

このブログも自分のミスを露呈することになるので、記事の掲載をしようかどうか一瞬迷いましたが、

同様の断熱欠損ミスが起こっている家もあるのではないかと思い、思い切って発表することとします。

現場の様子はこんな感じでした。

白く筋状にあるのは発泡ウレタン(断熱補助材)ですが、まったく意味をなしていません。

木は断熱材とはいえず、前出のスケッチ中、青く塗った部分に何かしらかの断熱材がないといけません。

Kさん、10年もゴメンなさい。

「なんか足元がスースーする」という声を聞き、5年前の点検の際、私以外のスタッフが対応したのですが、

ご覧の発泡ウレタンを吹いたにとどまっていました。

倒産後、やむなく独立開業後をしました。

「断熱職人」という言葉を商標登録しました。

だから、ということもないのですが、ここはきっちりとしておきたいと思うわけです。

床下の作業はけっこう大変ではありますが、ご覧のように、きっちり断熱させていただきました。

押出法ポリスチレンボード50㎜厚を張り付けました。

これでだいぶ良くなるハズです!

今でも世の中では和室を小あがりで段差を設けることがあるでしょうが、設計者はこのあたりの施工まで見届けないと本来だめですね。

床下に潜るのはなかなか大変ですから、少なくとも施工者に写真を提出させるなどしましょうね。

あとでこの作業をやるのは、10倍くらい大変なことです。

次は天井裏。小屋裏ともいいます。

こちらも10年点検で点検口から覗きみた写真。

多少の乱雑感は否めませんが、高性能グラスウール200㎜厚のマット状断熱材が敷きこまれています。

ふと一枚をめくると、そこに驚愕の事実が。

全面に敷きこまれているハズの防湿シートがない・・・汗

さらに平天井と勾配天井の切り替わりである折れ点箇所に断熱材の詰められていないところがあったのです。

概略図はこんな感じ。

一般の方はさっぱり分からないとは思いますが、同業者の方は分かりますね?

防湿シートは単純に施工忘れだと思うのですが、断熱ライン折れ点はかなり発見しずらいポイントです。

実は同様の施工不良が、数か月前の別の家で発見していました。

「疑いの目でみてゆく」

それこそが設計監理人(設計者)・現場管理人が持つべき眼です。

室内側からみた、勾配天井と平天井の切り替わっている様子。

こっち側からは絶対にわかりませんよね、ぜったいに。

このチョンボもあえてこうして露出させることによって、同様のミスを防ぐことができるかもしれません。

なにせ断熱って、後からは一つも見えませんから。

じゃあ、壁の中は大丈夫なの?勾配天井のところは大丈夫なの?ってことになってしまいます。

疑いの目を向ければキリがないのですが、壁は透明の防湿シートで覆われている期間が工事期間中に相当日数ありますから、気づくことが出来る確率が高く、

やはり床下と小屋裏の断熱が監理の肝になります。

この日、床下は塩原が、屋根裏は笠井が担当して手直し工事に臨みましたが、

小屋裏から床下に電話があり、「野地板に黒ずみがあります」と。

おそらく野地板での結露のハズですが、天井に防湿をしないと、室内で発生した暖かい水蒸気を含んだ空気が小屋裏にまで入ってきます。

屋根の裏側は当然外気温に近い温度のため、ここで結露するわけです。

第一義的には防湿シートをきっちりとすれば、小屋裏での結露リスクはかなり減らせます。

断熱の欠損があると、本来屋外の気温に近い環境であるはずの小屋裏も気温が上昇。

温度差によって結露が生じるのも想像にかたくありません。

超せまい空間で笠井クンもガンバッてくれました。

10年越しの断熱施工ミスの解決です。

これぞReborn。(笑)

敷いてあった断熱材をいったん剥がしながら防湿シートを敷き、

折れ点箇所の断熱を隙間なくパズルしならがじわじわと進んでゆく。

グラスウール断熱材はチクチクするので、ヤッケを着込んでいましたが、汗だくでダイエットになったね。

二人で作業時間はたっぷり4時間かかりましたが、建てた者の責任を果たせて大変よかったと思います。

笠井クンにも防湿シートの役割りを身をもって理解してもらえたのではないでしょうか。

かなり手厳しい作業となりはしましたが、ラーメンごちそうしたから許してね。

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