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あの時の決断

2014.03.12

自分の方がまだまし

3年前の今日、2011.3.12(土)に・・・・実はわたくし、独立開業という選択を初めて考えました。 それまで勤めていた会社が2月末に解散・倒産し、私も含め社員全員が解雇されました。3か月分の給料をすっ飛ばされ、高利のカードローン、住宅ローン、携帯電話やあらゆる公共料金の未納、預金残高2万円・・・・。 最大の窮地でした。 未払いになっている業者の人が連日自宅に押しかけ、近所からは陰口をささやかれ、妻・子供は自宅にすら居られず、 早く自宅売却しなきゃ・・・・、 早く離婚しなきゃ・・・・、 どこかに逃げたい・・・・。そんなことばかり考えていました。   完全に居場所をなくした私は、 「どうすれば子どもたちにお金を残してやれるのか?」 「・・・・・・・・・、どんな方法で?いつ?」 そんな誠に良ろしくないことばかり考えていました。   倒産当時12件の未完成物件がありましたが、完成保証制度という保険に加入していたため自分の出る幕ではないと、ぼんやりと考えていました。 「完成保証が使えないではないか!どうしてくれるんだ!」 そんな声も聞こえてきましたが、命を絶つことを考えていた私の心には正直あまりピンときませんでした。 料金未払いのためもうすぐ止まる、そう聞かされていた携帯電話の店に行き、解約の手続きをとっていた時それは起こりました。 3.11 長野市も相当揺れ、ドコモショップにぶら下がっていたTV画面には宮城県沖で震度7、という速報が入りました。解約手続きを中止し、すぐに自宅へ。 刻々と伝えられるテレビ画面の惨状を電気もつけずに見続けていました。 そこに映し出される最悪の光景に、恐縮ながら自分自身の置かれている現状を照らし合わせ、 誤解を恐れずに申し述べれば、 「自分の方がまだまし」 そんな身勝手な感情が湧きおこったのを憶えています。 この日の深夜さらに、長野県北部地震(栄村)が発生することになります。 もう何が何だかわからない、自分と一緒に日本が壊滅するのではないか、そう感じていました。

やるかやらんかどっちかだ

  翌々日、倒産後初めて未完成物件のお客様であるMさんと会いました。 会社倒産の折に頼みの綱となるべき完成保証制度が使えない!?、 現状で出来ている建物は骨組みのまま、 足場も撤去していった、工事用のトイレも引き上げられた、 お客さんの過払い金額は、うん百万円・・・。 そんなMさんの置かれている状況を聞くにつれ、このまま見過ごすことは絶対にできない! 私のことを信じて、頼ってくれるのであればそれに応えたい、 やるかやらんかどっちかだ!   Mさんと分れての帰り道、秘かに決心しました。 そのまま実家へ行き両親に事情説明をし、つなぎ融資をしてもらい(まだ返却できてない!)、妻の実家へ行ってまたまた事情説明をし、妻の了承をなんとかとりつけ開業に至った訳です。 しばらく、未完成物件の方々のお役に立つことを目標とし、その後は生計を立てるために東北へ行こうか、と漠然と考えていました。   あれから3年が経ちました。 前職でお世話になったOBの方々や共に家を造ってきた職人の方々、取引業者の方々に支えられ、何とか3年間やって来られました。 無我夢中で動いてきましたが、新たな出会いもあり、仕事の領域も広がっている実感もあり、仕事をしていることが楽しくてついつい夜更かししてしまいます。 今後の目標は、「地震対策(耐震の診断や改修)や省エネにつながる(断熱改修や薪ストーブ導入改修)家づくりのお手伝いをすること」 企業理念を以下のように掲げています。 ・断熱性能や耐震性能を重視した住まいの提案を通じて、持続可能な社会の構築を目指します ・お客様の困っていることに耳を傾け、自らの考えを伝え、設計と工事の提案を行い実行します ・関わる人すべてが幸福感を味わえるよう、嘘やごまかしを排し、出来る限りの情報開示をします ・技術や考え方を継承・発展させるため、人的資源を大切に、継続して働ける環境を整えます ・「四方よし」を目指します。(自分や家族+顧客+職人やその家族+社会や地球) 今日は晴れやかに松本市のO様上棟式でした( ^)o(^ )            

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