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分離発注・サンルーム増築

2012.05.26

その後Y様とは数回の打ち合わせを重ね、築後10年ということで、 ①屋根コロニアルの再塗装 ②外部木部の再塗装 ③サンルームの増築 ④薪ストーブの導入 このような工事メニューでいきたいね!ということで落ち着きました。上の写真左の△に飛び出た部分をサンルームとして増築し、そこに薪ストーブを置きたいね。サンルームは洗濯干場や観葉植物のためではなく、愛犬のためのスペース&自分たちが趣味や読書など、くつろぐスペースとしても利用したいね!という方向性で位置づけられています。   イメージスケッチを提案。 サンルームとはいえ、断熱も次世代基準相当で、居住性重視です! 右側のデッキも腐ってきている箇所もあり、向こう数十年安心のデッキにしたいね、ということで更新します。   こちらが愛犬ゆりさま。           室内からの様子。 気持ちのいい吹き抜けリビングです。 この掃出し窓がある部分を空間延長しよう、という提案でまとまりました。         床にはテラコッタ調のタイルが貼られています。INAXの商品ですが、10年経った今、すでに廃盤となっており、増築の際は、もったいないのですが、剥ぎ取り、新たに30cm角のタイルに張り替えましょう、という結論になりました。       同時進行で薪ストーブの選定も行います。数社まわります。 ここは山梨・大月市の岡部工業所。 熱心に説明を聞いています。     もう暖房シーズンは終わっていますが、事務所に置いてある薪ストーブをわざわざ運転していただきました。           そして今回は、しおはら住宅デザイン設計が得意とする「分離発注形式による発注形態」で工事を進めます。 あまり聞きなれない言葉で難しそうですが、簡単に言うと、「工務店に請け負わせるのではなく、職人・工事人に直接、工事を依頼する。もちろん直接お金を職人・工事人・材料屋さんに支払う」という形式です。すでに10年以上も前からこうした動きはありました。簡単・シンプルではありますが、なかなかこれが出来そうでできない・・・。通常は工事を工務店が請負い、各職人や材木屋さん、建材問屋さんなどに見積もりさせます。その金額に一定の利益を上乗せし、お客様に対する見積書を提示します。支払いも当然、お客様→工務店→工事店→職人という流れになります。これを、お客様⇒職人・工事店・材木屋などへショートカットしようということです。つまり工務店の存在を脅かす程の最短ルートです。はっきり言ってコスト面だけで考えれば、これが理想です。ただ、なかなかこれまで普及してこなかったのはなぜか? 私なりに感じていることとして、 ①建築主は、当然建築の素人で、正確な図面があったとしても読みこなすことができない。工事を依頼する先が分らない。 ②責任の所在がはっきりしない。もし不具合が発生しても、原因特定できない。不安。 ③工務店に一式発注した方が楽。分離発注をサポートしてくれる設計士やアドバイザーがいない。 ④分離発注そのものの存在を知らない。 その他もろもろあるでしょうが、そんなことできるわけがない、とお感じになる方が多いですね。 しかし歴史を紐解くと、つい数十年前までは、こうした方式を「旦那形式」と呼び、家の主人がお抱えの各職人を手配し、家をつくったり、修繕していたようです。その先頭に立っていたのが棟梁と呼ばれる大工です。棟梁が主人の代役となって各職人を手配したり、指導したり、段取りを組んでいた。棟梁が主人と相談し、図面を描き、地鎮祭や上棟式などの儀式までをも取り仕切り、常にその家の全体を掌握し、全体的に責任を持って、家主との信頼関係の元で采配を振るっていたのです。 棟梁という言葉は現代でも生き残っていますが、いまや工務店の社長または大工の親方のことを指すことが多くなっています。 ハウスメーカーがこれだけ増え、販売を主な目的としている現代では、棟梁と呼ばれる人はなかなか見当たりません。 法規制が複雑化し、設計手法も多岐にわたり、情報が氾濫している現代、なかなか一人で棟梁を張るのは困難です。しかし、人間関係が重視される家づくりが消えていいはずがありません。 家づくりのひとつの方式として分離発注形式があり、可能性があると信じています。 うまくまとまりませんが、職人の顔が見える、工事に直接かかる費用がハッキリ見える、家づくりのすべてのプロセスに建築主が関わる、というメリットは計り知れないものがあります。  

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