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引き継ぐため、インスペクションを!

2016.08.02

ログハウス(別荘)の現況診断で佐久市へ♪ 長野市からは1時間半ほどでゲンチャク(現場到着)いたしました。 標高が高く、群馬県との県堺に近い山奥。携帯(スマフォ)もつながりません・・・汗   道中は道が未整備でしたが、珍しい蝶が飛び交い、恐ろしく機敏に飛び交うアブが車中に! あやうく崖に転落しそうになりそうな、キモ冷えの現場調査でした^^ DSCF7782世界で一番青空が似合う建物、そうログハウス! オーナーさんが手に入れたのは昨年の初夏。 約1年ほど週末利用してきたそうです。 そして、購入当時にはあまり気にもしていなかったことでしたが、じわりじわりと問題が発覚!   DSCF77731階の床傾斜が2/300ありました。 流石にこれはやばい傾きです。 住み始めてからすぐに気持ちが悪くなって床を大工さんに直してもらったそうです。 原因はこの独立基礎の不同沈下(ふどうちんか)。 これだけの重量を、点で支えるというのはいかがなものか? 建築基準法では認められていませんが、ここは都市計画区域外。 つまり都市計画法がかからない無法地帯です。   DSCF7785ご相談は、マキストーブメンテナンスの小野沢さんからの紹介でした。 この日、煙突を全交換作業中でした。 屋根は矩(かね=45°)勾配のアスファルトシングル葺きで、苔が・・・。 雨漏りはまだありませんが、20年経過した今、先々20年を見据えるとやはり吹き替えたほうがよさそうです。     DSCF7807この屋根の室内側、つまり2階のロフト部屋へ。 外気温は25℃前後と誠に涼しいのですが、屋根に断熱材が全くないので、ここは40℃近くあったでしょうか、 長時間は居られません>< 「でも夜は涼しくなるから・・・」断熱材が入っていないという事実を完全に受け止めるその懐の深さ!まだ私は未熟だ。 雨の音、結露、暖房効果、、、前のオーナーさんはよくぞここまでハショレタよね。 そして今のオーナーさんも、まぁよいではないか、的な。     DSCF7811棟木を支えている柱(棟束)はずいぶん傾いていました。 30cmほどの短い水平器でさえも・・・泣 ログハウスといえば、ルーツはDIYにあります。 私もこの業界に20年以上も前に入りましたが、ログハウスを建てるお施主さんは、決まって建て方工事に混じって作業してました(笑) 「大工さん、次どこいく?」なんて言いながらね。 現代の、目隠しネット(足場に張り巡らされた養生シートのことね)にぐるぐる囲われ、「だれにも見せないぜこのヤロー」的なものではなく、そう、現場は大人の、でっかい夢を背負ったプラモデルといったところ。 そりゃぁ、怪我とか安全とかっていえばやばいんだろうけど、 「夢をかなえる」という壮大なイベントは、そういう世の中の決まりを超えてしまうこともあるのだよ、 そんなことを私に感じさせたものでした。   DSCF7803一級建築士として、 現況建物検査員として、 ビンビンにあらさがしをしている自分。 一方、「ログハウスってこんなもんだろ」的な自分。 そんな二人の私が同居することになってしまいました。 ドアだって、なんかツーバイ材やそこらへんの枝や、ホームセンターで買ってきた丁番やプラ板でできちゃってる。 駄作と言われればそうかもしれない。でもなんとなく「こりゃいいな」と感じる自分もいたりして・・・。   DSCF7798しっくい壁も隙間が・・・。 隙間ができないようにどう作るか、なんて全く考えてない。 「こんなもんだろ」的である意味さわやか。 いかんいかん! そろそろ軌道を戻しますよ^ ^ 「隙間はちゃんと埋めましょう」 だって雨、もうりますから。冬、寒いから。   DSCF7828隙間があればグラスウール詰めときゃいいじゃん、的な? このログハウス建てた会社って、もう存在しないし、窓口だった社長も数年前に他界したそう。 でもこうして建物は存続。 工務店の役割の最も重要なことは、「窓口が存続し続けること」、なのかもしれないですね。     小学生で家を建てる人はいない。 小学生の大工さんもいない。 だから必ず家はいつか誰かに引き継がれてゆくもの。   DSCF7831引き継ぎをスムースに行うための業務、 それがインスペクションの本質ではないのか。 決して”アラさがし”をするものではない、そう思わせる今回の調査でした。 オーナーさんからは、 「あと20年大丈夫なようにしてもらいたい」とのリクエスト。 やっぱり屋根が心配。 Kさん、いっしょに葺き替えますか! 2016.8.1 Reborn 塩原  

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