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センチメンタルな春

2024.03.09|施工現場の様子
塩原真貴

長野市で築55年住宅のリノベ工事をやってます( ^)o(^ )

3月になってさらに寒い日が続いていますが、外壁オビ杉を貼り始めています。

Rebornでは定番となっている宮崎県産のオビスギ。

表面はざらざら仕上げで、無色の防腐剤を加圧注入済み。

オイルステイン塗装は行いません。

いろいろな外壁材がある中でこいつをチョイスしている主な理由は3つ。

①色のばらつきがあまりなく、死に節があまりない。

②スギ材は防腐処理剤が中まで含侵しやすく、相当な期間の耐久性があると見込まれる。

③大工工事で完結できるので足場がはやく撤去できる。ゆえに工期短縮が可能。

弊社リボーンではしっくいか板張りか、どっちかしか選択肢がないのです。

かつてはよくリノベで樹脂サイディングも用いてきましたが原油の高騰がつづき費用的にだいぶ差が開いてしまいました。

 

外壁を板張りにすることで、壁内結露のリスクもかなり低減できると思っています。

窯業系サイディングなんかだと横胴縁もエアホール付きにしたりとか、ぶつ切りにして通気スリットを設けなきゃいけないんだけれど、

板張りだったら通気スリットもそれほど必要ないんじゃないかな。

タイベックと外壁材の裏を密着させないスペーサーの役割りとして胴縁材はマストですが、板も反りが多少なりともできて通気層内が密閉になるなんてことは考えずらいし、板の裏には「反り止め」と呼ぶ溝もある。

外壁面より凹ませた窓まわりは熱橋防止にも貢献するであろうボード状断熱材を3方向にめぐらしている。

防火の観点からいえばここは燃えない断熱材(グラスウールとかロックウール)を用いたいところではあるが、納まり上あまり手をかけたくもないし、外壁全面がグラスウール断熱材なので、可燃物であるボード状断熱材が占める割合は極小と判断。

施工性を優先している。

 

家のなかでは天井石膏ボード貼り。天井吹込み断熱もついにおわり、これで家の中は高断熱住宅に。

日中、春の陽気でぽかぽかしていても家の中は冷蔵庫の中。

いよいよ建物内外で温度差が生まれてきた。

天井を張り終わったそのころ、建築主のYさんから照明器具の変更依頼メールが・・・((+_+))

すぐに電気屋さんに相談。

すでに断熱気密工事&天井石膏ボードが貼り終わっており、”オオゴト”になることが予測された。

電灯の配線位置を変えるのは大変な手戻りとなり、予定されている照明器具に応じた固定用下地も変えるとなると大工さんにも迷惑をかける。かといって相手は素人。そこまでは想像できるはずもない。

 

現場管理をしているとこういう変更がちょくちょくある。

設計者としての立ち位置も私はかねているので、そんな変更を生じさせてしまって申し訳ない、なんともいえない気持ち。

お客さんと現場職人の間に入ってしまう形となるので、これはピンチ。

変更に対応してあげたい気持ち半分、職人の気持ちや作業の負担を考えれば突っぱねたい気持ちも半分。

今回はいったん判断を保留し、電気屋さんと建築主を直接会わせて打ち合わせてもらうことにした。

お互いに納得できる着地点を人対人として判断してもらうようにゆだねた形をとったが、無責任だったかと自責の念も。

当たり前のことなのだけれど、人にはそれぞれハートがある。

単に作業するだけのマシーンではない。

施主の要望に応えるのが設計者の役割ではない。職人に気持ちよく働いてもらうためだけに現場管理者がいるわけでもない。

わたしの果たすべき役割はなにか?

そんなことを改めて考える機会となった。

 

そしてそんな事件が起きる数日前、ついに次女が家を出た(大学進学のため)。

引越しを手伝って夫婦ふたりっきりで帰路についた。

親としていったいなにをしてきたんだろ?ってぼんやり考えながら・・・。

あぁ、ひさしぶりにセンチメンタルな春だわ。

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