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築26年インスペクション

2017.12.12|インスペクション
塩原真貴

『今年の年末年始は、新人大リーガー大谷君を見習って、「目標シート」をつくろう!』 個人的に意を決した週末でした(^ム^)

何事も目標が大事、とはよく言われることですが、 その目標を、1年の間、いや数年間のあいだ、ずっと持ち続けて1㎜でも近づこうとする。

なんか大人になると、あっちへフラフラ、こっちへフラフラしちゃうんですよね>_<

頭の中だけではなくて、やっぱり紙にして、頻繁に目にするようにしないと、いけませんわね。  

さて、築後26年の木造在来工法の住宅をインスペクション(建物の現状を調査)させていただきました。

3年前の2014年11月22日。 記憶に新しい白馬神城断層地震。 長野市内も善光寺周辺を中心に、活断層が刺激され、連動して大きな揺れを観測しました。

その時に発生したという壁のクラック。

ガバっと開いてしまっています。

いわゆる木ズリ下地のモルタル+リシン吹付塗装仕上げ。

地震エネルギーを物体が、割れるという形でエネルギーを吸収したともいえます。

インスペクターの判断としては、ここから雨水が入り、壁の中を腐らせる原因になるので、「劣化事象」として扱います。

基礎にも比較的新しい大きなクラックがありました。

床下への通気を確保するための地窓(ぢまど)の両脇はどうしても割れやすいのですが、 ちょっとここは大きいですね。コンクリート基礎は0.6㎜以上のクラックが劣化事象と判断されます。

外壁同様、ここから雨水などが侵入し、鉄筋コンクリート内部の鉄筋を錆びさせてしまう恐れがあるためです。

実は、私の経験では、ほとんどの家で基礎にクラックが生じています。

コンクリートの乾燥に伴う収縮で割れることは理にかないます。

したがって、0.5㎜以下のクラックは劣化として扱いません。ただし、その割れに雨水が継続的にあたるようなことは避けなければなりません。

今でこそ新築時、地盤調査を行う事が常識化しましたが、26年前は住宅規模の建物であればまず調査は行われませんでした。

ですからこの割れは、基礎のせいではなく、地盤によるものだと考えることもできます。

しかし地盤はもうどうにもならない。

そうなると、いかにこれ以上この割れが進まないようにするか、というところが大事な対策となるかと思います。

けっこうおおきな建物でしたので、床下調査には1時間ほどかかりました。

本来であれば、床下点検口からのぞき込み、目視で確認できる範囲だけ調査を行う、 というのがガイドラインにあるのですが、私の場合はどうしても奥まで行ってしまう。

今回も、以前白ありの被害があり、セントリコンという、疑似餌によって巣ごと全滅させる予防対策の真っ最中の様子を垣間見ることができました。

床束(ゆかづか)と呼ばれるこの柱にシロアリが侵入した痕跡がわかりますでしょうか?

蟻道(ぎどう)といいますが、おがくずでできているような土状の通路をつくって侵入してきます。

床下だけで10か所以上はありました。

1か所だけあってもオオゴトなのですが、こうもあると驚きや恐怖よりも、好奇心の方が優ってくるから不思議です。

まことに不謹慎な話なのですが、もっと奥まで調査してみたくなるのは罪でしょうか。

床下を調査していると、いろんなことが見えてきます。

この家は床に断熱材が入っていません。

図面を見ると、断熱材が確かに入っているのですが、先代の建築主と棟梁が申し合わせたのでしょうか、単に大工さんが手を抜いたのか、 今となっては知る由もないのすが、これでは床が寒いワケです。

加えて地面がけっこう濡れています。

そのため、合板基材の床フローリングは接着剤が劣化し、気を付けないと床を踏みぬくというようなことになってしまいます。

これが直上の室内側の床。

あぶないところはガムテープでマーキング兼補強(?)をしてあります。

このようなお宅が実は日本中いたるところにあると考えています。

冷たい床は当然裸足でなんか歩けないですからスリッパを。

加えてじゅうたんを敷き、そこにまたダニが発生し、死骸が温風ヒーターでそこいらじゅうに・・・。 

さらに床下の奥へと歩を進めてゆきます。

歩というよりは芋虫的動きなのですが(笑)

建築時の木くずがあちらこちらに散乱。

これもシロアリの餌食になる可能性が高いのですが、 床下に潜る身としては、白いカビで覆われていたりと何とも気持ちが悪いわけです。

お菓子の包装やトレーなんかもよく見かけますね。 この家をつくった職人の姿勢が床下に垣間見ることができます。

お酒の空き瓶やパックも・・・。 なんかもうやるせない気分で芋虫人間はすすんでゆきます。 

私がよく連呼している、気流止めというのがこれです。

このように、間仕切り壁の最下端が床下に口を開けています。

カメラを差し込んで上方向を撮影した写真です。

このトンネルの中を、床下の湿った涼しい空気が、駆け上がってゆきます。

場合によってはここで結露を生じていることもままあり、真っ黒になっていることも少なくないのですが、 幸いにもここは暖房をあまりしていない部屋の下らしいです。

最後に問題を。 これは和室の障子の下の方ですが、 いったい何が起こったんでしょうか?  

開かずの間の障子も、たまには開け閉めしてみてください。 もしかするとあなたの家にも・・・・。

2018年の目標は、「床下をスムーズに動き回る」にしようかとも思っています。インスペクションの機会が、今後も増えてくるでしょうから。  

2017.12.12 Reborn塩原  

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