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省令準耐火に挑む

2017.12.28|Q1.0住宅|断熱職人
塩原真貴

暮れなずむ南アルプスの山々。 (12/28  中央道八ヶ岳PAより)

2017年もあとわずか・・・;汗; みなさま、今年はどんな一年だったでしょうか? 韓国、米国、フランスで大統領が変わったり、 はたまた上空をミサイルが通過したり、政治的に忙しかったような印象。

(同じく12/28  中央道八ヶ岳PAより~八ヶ岳を臨む)

住宅業界では、ZEH(ゼロエネルギーハウス)や、断熱を厚くした低燃費住宅の推進へと一歩駒を進めた感があります。

また働く環境や人手不足など、労働環境について、お客さんや業者の方々と話す機会が多かったように感じます。

実際に現場サイドでは大工をはじめ、いろいろな業種で人手不足が深刻化していて、 おおむね工事をこのくらいにやりたいと建築主との同意を得て、工程表をつくるタイミングで各業者さんに声をかけておかないといけないぞ、 という雰囲気になってきています。

甲府市の現場では今日が仕事納め、ということで現場の片づけや、新年からの工程確認をしてきました。

長野市内は20cmほどの積雪がありましたので、ハイエース屋根上の雪はすべて解けることなく甲府・現場着。

「12月に雨が降ったのは25日の午前中だけなのではないか」 と大工さんがいうくらい、ここ甲府盆地は雨が少なく、空気が乾燥しています。

今日もご覧のような快晴で、あらためて

「パッシブ設計をやらなきゃ損だなコリャ!」

と感じました。

外部の大工工事はほぼ終了。外壁は来年2月に左官屋さんが長野市から出向きます^^

空腹だと唾液がこみ上げるチョコ色の外壁アクセント板壁(笑)

冬至を少し過ぎましたが、太陽の光が室内に差し込んでいる様子がよく分かります^^

塗装は建築主のMさんの奥さんにより、3度(?)塗り。

プラネット社のウッドコート、色はダークブラウンです。

基材の木材はレッドシーダー・ラフソーン(粗仕上げ)。

窓:シャノンウインドーの色=ロイヤルブラウンとの同化を目指しました。

上棟からちょうど2か月。

室内では1階の床フローリング(オークほぼ節なし)が張り終わっていました。

さすがフローリングの王様ですね・・・。

ここに自然オイルでクリア塗装すると、グフフです♡

フローリング材はたいていの場合長さが決まっていて1.8m。

継ぎ目をあえてそろえず、ランダムに貼っています。

当然ながら無垢材は木目や色目が一枚一枚違いますから大変な作業なんですよー。

そしてブログ今号のテーマである、「省令準耐火構造」について。

実は自身初めての試みなのですが、木造軸組み工法による準耐火構造でつくっています。

いつもと何が違うのか?

ポイントは大きく2点。  

1、室内の天井という天井にすべて厚さ12.5㎜の石こうボードを張る。

1階(上に床があるところ)は「強化石膏ボード」というより燃えにくい素材が混入された石こうボードを。

下地である木の棒=野縁(のぶち)はいつもより細かめに(@303)。2階はいつも壁に使っている厚さ12.5㎜のふつうの石こうボードを。 

2、間仕切り壁の最上部に、ファイヤーストッパーと言っている、

「火が壁の中を走り抜けてゆかない措置」をするということ。 写真は床から天井を見上げたアングルのショット。

ここではグラスウールが入っています。 

省令準耐火構造とする前提として、天井や外壁で使う断熱材は、グラスウールやロックウールなど、 ”不燃材”であるものでやらないとダメです。 

ネオマフォームやスタイロフォームなどの石油由来のものは当然NGですが、セルローズファイバーもNGです。

2階の天井の断面。

上から、高性能グラスウール16K マット品、厚さ20cm

防湿・気密シート

ネダレス合板24㎜

高性能グラスウール35Kブローイング、厚さ18cm

石膏ボード12.5㎜厚

という構成になっています。

これは初めての断面設計なのですが、非常にうまくいきました。

小屋裏にマット品を用いることで小屋裏の点検がしやすい上に、断熱性能も相当高く、U値=0.10です!  

この家の設計では、家全体で暖房し、暖まった熱は、窓から全体の38%が逃げてゆきます。

それに対して、天井からはわずか7%。

旧来からの木造住宅は、実のところ、圧倒的に天井から熱が逃げていっています。

まあ窓からもそれ同等、いやそれ以上に熱が逃げています。

逃げるスピードも相当なもので、暖房してもしても設定温度に辿り着かないこともあるんんだということは皆さんも体験したことがあるかと思います。

ご覧ください!このいかにも熱が逃げなそうなこのさまを!  

このところ、私も斜め天井の家を多く設計しますが、 やっぱり2階は平天井とした方が、コストをかけず断熱性能を出しやすいと感じています。

変化のある空間としたり、家全体のプロポーションを低く抑えることは当然できるので、2階斜め天井は好みで自邸もそうしていますが、

コスパの良さでは圧倒的に2階平天井が優位です。

大工のKさんいわく、 施工上の問題はほとんど感じないとのこと。

省令準耐火構造とすることにより、石膏ボード12.5㎜は重く、下地も少し手間が増えますから、作業量としては全体で2,3人工ほど余計にかかるかもしれません。

また、普通の石こうボードに比べて、強化石こうボードは金額的に倍します。

このあたりを勘案すると、35坪ほどの住宅で、コストアップは¥4,000~5,000/坪だと踏んでいます。

延べ床面積35坪の家だと¥140,000~¥175,000アップ

それに対し火災保険が約半額になります=T構造が適用。  

火災保険加入期間を35年だとすると、その差額はなんと約100万!!

省令準耐火構造の家は、ランニングコストに優れていると言わざるを得ません。

当然ながら燃えにくい材料や工法でできているので、火事には強い=逃げる時間がある、延焼防止、火の回りを防止etc. ということが言えます。

これら壁や天井に石こうボードを張ることが前提とはなりますが、この上から木の板を張ることはまったく問題となりません。

ただ、古民家風に構造体である梁を室内にあらわしにしたりはできませんのであしからず。

 参考資料PDF~省令準耐火(公庫仕様)  

2017.12.28 Reborn塩原

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