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屋根断熱工法

2018.03.24|断熱職人
塩原真貴

暦というのは本当にすごいですね! ちゃ~んと毎年春が巡ってくるのですから。 

この「待つ感じ」、 あるいは「我慢ができる、粘り強い」という日本人の性格は四季によって形成されているのだと感じます。

 

松本市のキューワン新築工事が盛り上がってきました^^

電気配線や水道管や換気ダクト配管工事直前の、 全体的に骨組み状態の写真です。

この家は2階がすべて斜め天井で設計しました。

窓の高さは通常、窓の上=床から2m、というのが標準的ではありますが、 H1.8mに抑え、斜め天井のスタート位置を2mとしています。

耐力壁が白い(モイスTM)ため、非常に明るく軽やかな印象です。

アメリカ・デュポン社の「タイベック」という商品ですが、 このシートの機能がすごい! なんと、水は通さないのですが、水蒸気はたやすく通り抜けます。

水と水蒸気、何が違うのか?

「水は物体(液体)として見えるけど、水蒸気は見えない」 はい、正解!(笑) つまり大きさがちがうのですな。

このタイベックを屋根の裏にまず張りましょう。

これで断熱材が風にさらされることなく100%の力を発揮できるのです。

また、室内では常に水蒸気が発生されるわけですが、ほんの小さな穴があると、そこから水蒸気が外恵と向かって入り込みます。

その水蒸気がお外に出やすいように、このタイベックというシートが適しているのです。

この後、大工さんにて木で屋根ナリ天井の骨組みをつくり、断熱材を充填。

最後に防湿シートで覆います。

これを俗に「屋根断熱工法」と呼んでいます。

屋根は直接太陽の熱が伝わり易い部分です。

外壁よりも直接、モロに熱が伝わりやすい。 ですから、ちょっと断熱材を厚くする必要があります。

最低でも20cm、できれば30cmほどの厚みがあると、かなりの熱を遮ることができます。

屋根断熱に対して、平天井断熱という設計手法もあります。

平天井断熱の場合、一般的にこの上には小屋裏(こやうら)と呼ばれる△の無駄な空間が存在しています。

「無駄な」と書きました。

生活上は不必要で無駄といえばムダですが、家の構造で考えると屋根勾配を形成するのに必要です。また、雨漏りの点検もできますし、はたまたここを小屋裏収納として活用することも可能です。

小屋裏は温熱環境的には”屋外”です。

屋根に受けた熱が直接室内天井に伝わるのではなく、ある意味、熱の緩衝地帯となっているのです。

この屋根裏は常に外の空気が出入りしていることが大切です。

屋根の軒裏に空気が入るスリットがありますね。そこから空気が入ってきます。

屋根のてっぺんには「棟換気(むねかんき)」と呼ばれる空気が出てゆく換気口を設けます。

この画像ではぱっと見分かりませんが、手をかざると屋根裏の暖かい空気が出てくるのがわかります。

真夏だと50℃くらいはあるでしょうか。

軒先から入った外の空気が、いったん屋根裏に滞留し、じわじわ温められ、 気球と同じ原理で、空気は温められると上に昇ってゆきまして、この棟換気から抜けてゆく、 そして出ていった空気とほぼ同等の空気がまた軒先から入ってくる、そんなイメージです。

ですから「無駄」とも言えない働きをしているのです。この一連の空気の動きを「掃気(そうき)」と呼んでいます。

断熱的には不利の屋根断熱工法ですが、 それでもこのようにのびやかで広い空間が生まれるのです。

中間に床をつくってロフトを設けたり、斜め天井部分に天窓を付けることもままあります。

ただ構造的には、四角い箱にかぱっとフタをすることができないので、 2階の天井を平らにする方が構造的にはたやすく強くなります。

斜めの天井の場合は、屋根面を強くすることでその代用を検討してゆくことになります。

場合によってはご覧の「火打ち梁(ひうちばり)」を設けざる得ない場合もあります。

私たち設計士はいつもこの辺りで悩んでいます。

勾配天井はコストも手間もかかります。断熱材も厚くする必要があります。

しかしお客さんからのリクエストも多く、構造計算を慎重に行い、耐力壁を増やすことで、 耐震等級3が出せるようリクエストに応えています。

最近では自信もつき、積極的に2階の屋根断熱工法をおすすめするにまでなっています(笑)  

2018.3.24 Reborn塩原  

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