リボーン県外新築第1号棟は山梨県甲府市!
昨年の9月からスタートし、約半年間の大事業でした。
内装はフローリングの塗装を含め、壁・天井を西洋漆喰左官仕上げで、 のべ500m㎡を超える面積がありましたが、そのほとんどを建築主Mさんが完工! Mさんらしい、またRebornらしい、素晴らしい家に仕上がったと感じています。
職人はほとんどが長野から出張。 たくさんの方のご尽力により、 4/1ついに完成引き渡しの運びとなりました。 3/31にはご予約いただいた5組の方のために見学会を開催しました。 ご都合がつかなかった方に向けて、解説を交えながら、WEB上でちょっとその様子をご覧いただきたいと思います。 けっこうカット数が多く撮れました。また塩原のくどいほどの解説も加えてまいりますので、全3回に分けてアップしてゆきます。
外観は、シンプルな切り妻屋根。総2階ベースで、玄関を含むフラットルーフな下屋と、 太陽集熱器を搭載した、フラットルーフ下屋(6畳の多目的ルーム~サンルーム風)がくっついている、というけっこう実はシンプルな箱の組み合わせなんです。
軒の出寸法は、壁芯より900㎜としましたが、100㎜厚の付加断熱により、 結果的に外壁より750㎜ほど軒が出ています。
甲府市内ではほとんど樹脂サッシの採用がないようですが、 Rebornの標準仕様であるエクセルシャノンの樹脂サッシで、 ガラスはアルゴンガス入りのLOW-Eペアガラスとし、長野県で建てる場合と変わらないスペックとなっております。(Ua=0.27)
バルコニーの手すり越しに設置された真空管式太陽集熱器。
ドイツIVT社のLATENTO(ラテント)の集熱パネルCPC-12を3台設置しました。
一般的には、こうしたソーラーシステムは給湯の補助装置として設置される場合が多いようですが、 設置して翌日には、500リットル貯湯タンク内の温水温度は59℃にまでなっていました。
59℃のお湯(不凍液)が入ったタンクの中に、約10mほどにもなるステンレス管をらせん状に通しておき、 その管の中に水道水を通過させると・・・^^
通常お風呂で使うお湯は40~42℃ですから、10mの灼熱トンネルを通過してきた水道水は40℃以上になってしまうのです。
この時期ですでにこんな状態ですから、夏は80℃、いや100℃近くまで集熱するはずです。
「夏はそんなに集熱しても使い切れない」、そんな状態になるはずです。
ですからもったいないのですが、集熱器に遮熱シートをかけるなどして集熱量をセーブする必要があります。
それじゃあ、もっと集熱器の面積を小さくしたらどうかって?
いえいえそういうわけにはいきません。
冬がかんじん
冬は給湯に加え、温水暖房、つまりパネルヒーター用の熱源として活躍してもらわねばならんのです。
給湯だけならLATENTO集熱パネルが2枚、温水で全館暖房するならやっぱり3枚はほしいところ。
窓は外壁面より引っ込めて納め、三方は左官を巻き込み、 下台にはアルミ製の水切り(これまたドイツ製)を。 また、この写真ではわかりませんが、将来的にサッシを枠ごと交換ができるように作ってあります。
30年後、ライフスタイルが変わり、サッシもかなり進化しているかもしれません。 その際には、外部の足場が必要となりますが、外壁をはがすことなく、サッシを入れ替えられるようになっているのです。
2階の大きな窓には外ブラインドを設置しました。
これもドイツ製で、納期は約3か月かかりました。
一部露天になるウッドデッキは、松本市ランバーテック謹製、 ACQ加圧注入品の杉材で、無塗装で30年ほどの耐久性がある見込みです。
テラスドアからのステップを1段設け、地面から30cmほどの高さに抑えたデッキは、 ベンチとして最適な高さです。
普通ここはリビングからの掃き出し窓にする方が圧倒的に多いのですが、 あえてこの窓を高さ1.37mの腰窓とし、ソファー掛けのリビングに、 落ち着きを与える結果となっています。
腰窓の下には定石通り温水パネルヒーターを配して、 コールドドラフトを防いでいます。
このカットは、玄関からリビングに入った時の様子(夜)
左官の内壁は、夜がなんともいい感じです。 やわらかい、というんでしょうか、 陰影が面白い、というんでしょうか。 この辺りはなかなか画像では表現しにくいです。
実際にはソファーの脇にスタンドライトを設けて手元灯とします。
世の中には珪藻土やしっくいなど多くの左官材料が存在しています。
なかには珪藻土配合率が20%に満たないような左官材料も、「珪藻土左官材」として販売されているそうで、 気を付けていないと、変なものを塗ることになりますのでご注意を。
この窓は実際には幅2.6m、高さ1.37mもある大きな窓ですから、 日射の取得も期待できますが、夜は熱ロスが大きくなりやすい。 そこで夜間はスタイロフォーム断熱材が入った断熱引き戸を閉めて、 家の中の熱がガラスに奪われないような仕組みとしました。
パッシブな設計をすると、必ず問題になる大きなガラス面の夜間の冷輻射。 一般的には厚手のカーテンやハニカムサーモスクリーンが用いられる場面ではありますが、 すっきりとしたインテリアを目指した結果の「断熱戸」、でした。
2階の子供室の南面窓には、外ブラインドを。 日射を遮るには、なんといっても家の外側で行うのが◎です。
羽の角度をかえることにより、室内の雰囲気はガラッとかわります。 ちょっとでもまだ晋作ですね。(たかすぎ) ~前編おわり(全3編の予定)
2018.4.3 Reborn塩原
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