遊びに来た友達が「何!?これが人生のデスクトップか?」と羨ましがります。
記者:
なぜこの場所で家を建てようと?
ご主人:奥様:
とにかく景色が気に入りました。裏が市街化調整区域になったことも大きかったです。あと、安曇野と松本どちらにもアクセスしやすい場所がよかったです。
記者:
この景色をいつまでも独占できるわけですね。
ご主人:
景色のよさが毎日いつまでも続く。都会の友達にも「何!?これが人生のデスクトップか?」なんて言われました。(笑)
奥様:
「四季を感じられる」のが良いですね。
ご主人:
妻の実家にも歩いて行ける距離(車で2~3分)なのも良かったです。
記者:
不動産屋の紹介ですか?
ご主人:
いや、妻の実家に行く途中の道で、造成段階で目をつけていた土地だったので、
奥様:
宅地情報が表にでる前の早い段階で押さえていました。
【記者感想】
眼前に邪魔なものが無く、これほど大きく開けた北アルプスと安曇野の景観を望める場所はそれほど多くは無いでしょう。それほどまでに好条件のこの場所に都会的ではなく安曇野の景色に似合う家を建てたいと考えられたご夫婦。安曇野に対する深い愛着を感じました。
奥様の実家に近いということも小さなお子さんを抱える夫婦には心強いですね。
図面から家がイメージできない!「そんなことありえない」と思うことを自信満々に言うんです
記者:
家の中でのこだわりの部分は?
奥様:
吹き抜け、対面キッチン、収納をたくさんという希望でした。最初は薪ストーブ希望もあったが却下されました。
ご主人:
仕事してるし手間を考えると、薪ストーブは趣味的な物になる。年をとってからでもできるから、それから考えても良いのではと塩原さんから助言をされました。
奥様:
あとはウッドデッキが欲しいという要望を出しました。
ご主人:
シュークロークの話もしてたよね。お客さんが使う玄関と家族用の玄関を分けたい希望もあったけど、結果的には分かれてないけど…
記者:
外観的な部分でいえば
奥様:
外観的には景色に似合う温かみのある外観が良くて。こてこてのログハウスは嫌かなと。
ご主人:
住んでいたアパートの近くに建設中の家があって、その家が理想的な外観だったんです。そこを設計したのが塩原さんだったのが縁でお願いしました。
記者:
近所の○○さんの家がいいんですけどと話して進めていったんですね。
ご主人:
そうです。話が早かったですね。で、提案してもらった図面はほぼ今の家そのままです。
奥様:
今までいくつかのメーカーで図面を書いてもらったけど、塩原さんの設計は他と全然違ってました。
ご主人:
そうだね。最初の提案の段階で北向きのデッキが盛り込まれていたり、家の中に扉がなかったり、家の真ん中に階段があったり、図面から完成した家のがイメージがなかなかできなかったです。
ドアが無いこととか、冬の暖房とか、北向きのデッキなんてどんな風に使ったらいいか想像できなかったですけど、今となっては景色を見ながら朝食を食べる第二のダイニングとして使ってますね。むしろ南より北のデッキの方がよく使ってますよ。特に夏は北向きで屋根付きなのでとても涼しいです。
記者:
塩原の第一印象は?
ご主人:
同世代とは思えない貫禄を感じましたよ。(笑)
記者:
やはりそうなりますね。いい言葉ですね貫禄(笑)
ご主人:
何を言っても自信満々だったという感じでした。
たとえば扉が無いこととか、冬の暖房の話とか、夏は朝換気をすれば夕方まで涼しいとか、全然イメージできないこと「そんなことありえない」と思うことを自信満々に言うのが印象的でした。
奥様:
人間的にはフレンドリーというか話しやすい人って感じです。
ご主人:
とにかく引き出しが多い人です。
記者:
ほかの業者を検討は?
ご主人:
予算的なことや借入などで実現はしませんでしたが、ほかのハウスメーカーで手付金を入れたこともありましたが、話はあまり進みませんでした。
記者:
その中で塩原とも話をして
ご主人:
そうですね。デザインや提案は気に入ったのであとは借入次第ということなり、無事借入ができたのでお願いすることになりました。
【記者感想】
提案された図面に驚いたとのこと。
扉が無いことで家の中全体がオープンなスペースとして活用できることも、全館暖房でどこでも暖かいことも、北向きデッキから見える安曇野の景色が素晴らしく開放的で、真夏でも涼しい空間だということも、この段階ではイメージできなくて当然ですね。
理想的な立地と家のデザイン、独創的でワクワクする設計図、設計士との関係も良好で、無事に借入できる事になり全てが順調に進んでいたんですね。
突然ストップした我が家の工事 請け負った会社は倒産、社長は自己破産。どうしてこんなことに!
ご主人:
地鎮祭などはきっちり行い着工し基礎工事から始まリましたが、基礎用の鉄筋の太さが1.5倍~2倍、ピッチはより細かくほかの家と全然違うことに驚きました。塩原さんは、「仲間にはオーバースペックなんて言われることもあるけど、そこは手を抜けない。」と言っていました。それを見て「ここなら大丈夫」と確信しました。
記者:
実に順調に進んでますね。そこから?
ご主人:
建て方、棟上げが終わった段階で工事が完全にストップしました。
奥様:
うちの工事が進まない…職人さんもいないなぁと。
ご主人:
年末年始のタイミングだったんですけど、年明けいつまで経っても工事が始まらないな。となったんです。
奥様:
嫌な予感がし始めたんだよね…
ご主人:
社長とも塩原さんとも連絡がとれない事態になってしまい焦りました。ようやく塩原さんと連絡がとれた時に「社長が命に関わる病気で入院した」「工事は進められない」と言われ…
記者:
で、詳しく話を聞かせてくれないかと塩原を呼び出したんでしたよね。
塩原が「増山さんには助けてもらった。もう、どうにもならない時に「とりあえず一回来てよ」と呼び出されたのが立ち直るきっかけになった」と話してくれました。
ご主人:
「倒産しました」の通知が届き、社長の自宅まで行ったが会えず。
奥様:
近所の方の情報で奥さんがパン教室に通ってると情報を聞いて、病気の話はウソだと確信しました。
記者:
結局社長とは会えなかったんですか?
ご主人:
奥様裁判のときだけですね。
記者:
では裁判所から連絡がきて
ご主人:
破産したのでどれ位の損害があるのか報告してくださいということでした。
記者:
当時の工務店で契約したときは分離発注方式ではなかったんですよね。
奥様:
そうです。費用も全額ではないものの前払いで2/3程度は支払った後でした。
記者:
その後、塩原が一念発起して「続きをやらせてください」という話になったんですね。
ご主人:
そうですね。で、そのときに完成させるには分離発注しか方法がなく、さらに借り増しして何とかなった感じです。
記者:
途中から分離発注と
ご主人:
そうです。そこから個別に業者さんと契約して工事を進めてもらいました。
【記者感想】
人生とは分からないものです。夢のマイホームが順調に作られていると思った矢先にとんでもない事態に見舞われてしまった増山家。
計画倒産だったという前の会社の社長は自己破産したことでお金を取り返すこともできず、完成させるために追加融資を受け、分離発注に切り替え、自分たちにできる事は自分たちでやるスタイルの家づくりに。
その心労は想像できる範囲を大きく超えていますが、よく完成させたと感心します。
ようやく再開した工事。内壁も柱も梁もできる事は全部自分たちで
ご主人:
ちょうどその頃、高校の同級生が新築した家に住み始めた時で、コンセント辺りから隙間風が吹いてくるなんて話を聞いてたりしたので、我が家はどうかなと思ってコンセントをよく見てみたら断熱材で囲ったうえでコーキングしてたりして半端ない密閉度だと感じました。それを見て断熱性能の違いを感じましたね。
断熱材を入れてその上にシートを貼ったり、床下の合板の隙間にも隙間テープを貼ったり、そこまでしますか!?って感じでした。
記者:
断熱性能の高さを工事の段階で感じていたと。
ご主人:
そうですね。
記者:
先日別のお宅の取材に行ったときに、今日と同じくらい暑かったんですけど家の中は全然涼しくて、西日がガンガン当たってても西側の壁はひんやりしてるくらいでした。増山さん宅と同じように締め切ってても涼しい家でした。ちなみに自分の家は西日が当たってる内壁はかなり暑くなります。
記者:
増山さんも壁塗りは全て自分たちで塗ったんですか?
ご主人:奥様:
全部塗りましたよ。友達や塩原さんの人脈でいろんな人に助けてもらいました。
プロにやってもらいたいという人もいますけど、それぞれの家の味が出て良いと思います。あまりキレイにビシッとなってると病院ぽい感じになるので、これくらいで味があっていいと思います。
みんなに手伝ってもらったので良い思い出にもなりました。
記者:
プロに依頼するとどれくらいかかるもんなんですか?
ご主人:
うちの場合は全ての壁から天井までなのでかなりかかる計算ですよ。
数十万とか軽くかかる感じだったと思います。
記者:
それだけ節約できるんですね。
ご主人:
その代わりプロに頼めば、材料費は少し安くなるかもしれませんね。
プロがやれば効率よく塗れるところを、素人がやるもんだからボタボタ垂らしたりして、捨てる方が多いんじゃないか?みたいな。(笑)
記者:
あと、柱や梁を塗ったりは?
ご主人:
全部自分たちで塗りましたよ。
奥様:
仕事が終わってから家に帰ってくる前に夜塗ってたね
ご主人:
手すりとかも全部そうですよ。
元々プレーンな木の色に、塗料を塗って乾ききらないうちにふき取りをしなくちゃいけなくて、それが結構きつかったかな?
記者:
重ね塗りで何回か?
ご主人:
いや、塗りは一回でした。
ふき取ることで木の目がきれいに出てくるんです。
天井は塗るのが大変でしたね。
記者:
他のお宅でもおっしゃってたんですが、家一軒塗ると最終的にうまくなって自信がつくのでどっかで依頼してくれないかなみたいな感じらしいですね。
奥様:
分かります、分かります。コツつかめてきて(笑)
ご主人:
でもうまくなったころに終わっちゃうんですよね。(笑)
奥様:
床のワックスも自分たちで塗りましたね。蜜蝋ワックス。
ご主人:
ウチは無垢の板(1階は楢材、2階は樺桜)なので、これに慣れると普通のフローリングはなんかベタベタした感じがしますね。
奥様:
引き渡し前のクリーニングも普通は業者の方がやってくれるんでしょうけど、それも自分たちでやりましたね。
ご主人:
部屋の幅木や廻縁なんかにしても全部自分で塗ったんですけど、大工さんが切ったものを塗って、それをまた大工さんが取り付けるという流れ作業で遅れちゃいけないとドキドキしながらやりましたね。
記者:
職人さんに煽られながらですね。家づくりにどっぷりはまった時間だったんですね。
ご主人:奥様:
そうですね。
ご主人:
外壁の木の部分も全て自分で塗りましたよ。
塗り壁は左官屋さんに塗ってもらいましたが、あっと言う間にきれいに塗る技とか、細かいところもキレイに塗ってあって感心しました。
記者:
どんな流れで塗っていくんですか?あと塗りの期間はどれくらいあったんですか?
ご主人:
内壁は2階から始めて1階に、和室が最後でしたね。狭くて難しいところは塩原さんが塗ってくれました。
塗り壁は2週連続くらい?塗装は仕事あがりにしばらくやってましたよ。
壁とかが塗りが終わっていないと、素人的には未完成な感じがするんですけど、塩原さん的には「ここまでくればほぼ完成」みたいな感じがありましたね。プロと素人の差みたいですね。
記者:
プロとしては構造的な部分と断熱的な部分が終われば、終わりが見えてる状態なんですね。
ご主人:
そうみたいですね。こちらからするとまだ全然終わって無い感じだったんですけど。
記者:
だから、後の行程はお施主さんに任せて「壁塗ってください」とか「木の塗装してください」とかって話になるんでしょうね。
ご主人:
そうだと思います。壁塗りのための下処理としてパテ埋めとかもやりましたからね。ただマスキングは難しかったので塩原さんにお願いしましたけど。
奥様:
そうだね。あれは難しそうで出来る気がしなかった。
記者:
ほかに何かこんな経験までしました!みたいなことはありませんでした?
ご主人:
大工さんと一緒に断熱材が入る前の構造から手伝ってますからね。本当に色々な経験ができましたよ。
【記者感想】
色々積み重ねていくと、最終的な額はかなりの差になりそうですね。
奥さんはその頃2番目のお子さんの妊娠中で、最後は入院になってしまったそうです。
会社が倒産して工事がストップしてしまったことは確かに悲劇ですが、そこから切り替えて自分たちで家を完成させるパワーに変えた増山家のバイタリティに本当に感心します。
設備選びは大変。おかげで目が肥えた
奥様:
ハウスメーカーとかだと、この中から決めて下さいという感じですけど、
うちの場合は、窓ひとつとってみても「ここの窓はこれにする」とか「ここの照明はこれにする」とか分厚いカタログから選んで決めるようにと選んだんですが。
ご主人:
照明は、全部決めたら金額的にまったく合わなくて却下されました、最終的には塩原さんが全部決めてくれましたけど、じゃあ最初から決めてよみたいな。(笑)
奥様:
その辺が大変でもあり楽しくもありでした。
ご主人:
でも間接照明の造作なんかも、余った材料で塩原さんが作ってくれたりしてありがたかったです。
記者:
では設備選びはなかなか大変だったと
奥様:
素人の手には負えませんでしたね。
ご主人:
そのおかげで目が肥えて、近所で新築してる家とか見ると「この家結構暖かそうだな」とか「良い窓使ってんな」とかわかるようになりました。
記者:
あぁ
ご主人:
窓もアルミサッシと樹脂サッシがあって、星のマークがついてるやつは断熱が良いとか、引き違い窓じゃなくて掃き出し窓使ってるとか、色々気が付くようになりましたよ。
【記者感想】
照明や水回りは奥様が楽しみながら決められる領域だとおもいますが、ご予算的に難しい部分もあったということで残念でした。しかし「まぁしょうがないか」と明るくお話しされる様子に後悔の念は感じられませんでした。
だまされたと思ってパネルヒーターを入れてほしいと言われ
記者:
冬はやはり暖かいですか?
ご主人:奥様:
半端ないです!
奥様:
薪ストーブも良かったんですけど、今は蓄暖が主流だし、リーズナブルだから蓄暖がいいなと思ったんですけど、塩原さんがパネルヒーターが絶対イイ!だまされたと思ってパネルヒーターを入れてほしいと押されました。
ご主人:
結構高かったんだよね。
奥様:
そう、高かったんで私たちはちょっと…と思ってたんですけど。
「絶対に損はさせない」と強く勧められて「塩原さんがそこまで言うなら」ということでパネルヒーターにしました。
奥様:
で、結果は大正解でした!
子どもたちが触ってもやけどしないし、空気は汚れないし、とにかく暖かいしどこの部屋にいても温度差がなくて本当に快適に過ごせますよ。
記者:
全館暖房ですね。暖かさを人に伝えるのに、どういった表現が良いでしょうか?
奥様:
何といえば伝わるかな…?
熱風が吹きだす嫌な暖かさは無いですね。やさしい暖かさというか
ご主人:
空気が暖かいんじゃなくて、家中の家具や壁なんかも全部暖かいんですよ。
真冬にちょっと窓をあけて、暖かい空気が逃げちゃっても、家中が暖かいのでそんなに寒くならないんですよ。
記者:
なるほど分かりやすい話ですね。
奥様:
真冬の朝でもお布団からサッと出られます。さくっと起きられます。
記者:
良いワードがでましたね。
パネルヒーターはタイマーか何かで起きる時間に快適な温度に設定したりするんですか?
ご主人:
いえ、寝ている間もずっとつけっぱなしです。
奥様:
毛布もいらないくらいです。
記者:
他のお宅では冬でも子どもたちは半袖で過ごしているとのことでしたよ
ご主人:
設定次第だと思いますけど全然いけると思います。
記者:
それだけ暖かい状態を持続するということは、普通に考えると熱を発生させるための燃料代がかなりかかると思いますが、そこらへんについては?
ご主人:
燃料代は普通ですね、以前のアパートの頃と比較して大きく変化した感じはしないです。特別高いわけではないと思います。
記者:
では、冬は基本的にはパネルヒーターつけっぱなしで過ごしていると。
奥様:
一度消して温度が下がってしまうと、また快適な温度に戻すために多く燃やさなくちゃいけなくなるから一度つけたらそのままが良いと聞きました。
記者:
熱が下がらなければあげる必要もないから、アイドリング状態でOKってことですかね
ご主人:奥様:
そうですね。
【記者感想】
断熱性能とセットで出てくるパネルヒーターによる全館暖房のお話。
パネルヒーターによる全館暖房は優しい暖かさ、空気が暖かいんじゃなくて家具や壁も含めて家中暖かいとのことでした。
一度暖まった家は、断熱によって外気の影響を受けず、弱めの暖房を続けることでいつまでも優しい暖かさを持続するということですね。
失敗と感じないのはアイディアも含めて塩原さんのデザインが良かったから
記者:
理想と現実、実際住んでみてここは良かったけど、ここは悪かったとか具体的な事があったら教えて下さい。
ご主人:
理想としては、もっと造作家具を作りたかったというのはありますね。
奥様:
あーそうそう
ご主人:
こういうの(カウンター)とかキッチンの棚とか、パントリーの中とかもっといっぱい造作家具が欲しかったです。
あと外構とかもちゃんとやりたかったですね。でも、全て予算の問題です。
奥様:
そうだね
そういう点でうちの実家なんかだと、住んでからああすれば良かった、こうすれば良かったとかが沢山あるんですけど、そういった問題が全然ないです。お金さえあれば実現できたのにって問題ばかりです。
これは失敗したなっていうことが本当に無いね。
ご主人:
そうだね、無いね。お風呂も大きいし
ご主人:
設備メーカーとかに対しては「もっと何かアイディア無いの」って思うことはありますけど
記者:
たとえば?
ご主人:
断熱性能を考慮して掃き出し窓を多く使っているんですけど、掃き出し窓の網戸に問題があります。窓を開けて網戸の状態から窓を閉めようとすると、一度網戸を上げないといけない。夏の夜なんかは、網戸にいた虫が窓の中に入ってしまうことになります。
奥様:
友達とかも「もう一度建てれば失敗しない」とか「今度はもっと満足できる家ができる」とか言いますけど私は全然そういうのはないですね。
記者:
うまくいった原因は?
ご主人:
アイディアとかも含めて塩原さんのデザインですね。
うちは玄関の屋根が大きくて周りの家から羨ましがられたりしますけど
記者:
羨ましいですよ。。。
ご主人:
雨の日とかもすごく良いですよ。
そういった所とかも後から「あぁもっとこうだったら」と思う部分が本当に少ないです。
記者:
完成してからの設計士との関わり合いは?定期的に検査とかありますか?
ご主人:
ウチはとくにないですね。塩原さんからは「増山さんちは大丈夫」と太鼓判を押されてます。
奥様:
でも関係は全然切れないですね。
ご主人:
こちらからはブログやfacebookで塩原さんの動きはチェックしてますけど(笑)
記者:
やはり情報発信は重要ですね。
ご主人:
近所の家にすだれを設置したと聞いたら「うちにはつけてくれないの?」とか言ったりして(笑)
【記者感想】
大変な思いで完成させた家には特に不満は無いとのこと。
完成後にも設計士と関係が続くのも何かあった時に安心ですね。
職人さんは本当にすごいな、かっこいいなと
記者:
こだわりのポイントとか
これから家を建てようとしている人にメッセージ。ハウスメーカーとは違う良いポイントなどありますか?
ご主人:
断熱性能はきちんと評価したほうが良いと思います。ランニングコストにもかなり影響があるはずですから。
記者:
断熱性能はしっかり見極めて契約するようにということですね。
奥様:
大変だと思うけどしっかり話をできて、自分たちで選んで、自分たちで決めることができたのが、「失敗した」と思わなかった理由だと思う
記者:
お任せで家を建てて「こんな感じになっちゃったか」みたいな事が少ないと
ご主人:
現場調整ができるのも魅力ですよね。
記者:
それは大きいですね
ご主人:
たとえば書斎の窓も大きさが決まって無かったんですけど、座ってみて「幅はこれくらい」とか「テーブルの高さからすると高さはこれくらい」と自分で決めて、その場で大工さんが作ってくれたりとか。
記者:
実際に家を造ってる職人さんとお話しできるのは大きいですか?
ご主人:奥様:
大きいですね。みんな顔が分かるしね。
ご主人:
もったいないなと思うのは、昔は大工さんが家を建ててる姿を近くで見ることができたのが、今は組立式が多くてそういう大工さんも少ないんですけど、足場とシートで囲われてて職人さんの仕事の様子を見ることができない。かっこいい姿を子どもが見る機会がないのがもったいないなと思います。
ご主人:
左官屋さん、タイル屋さん、設備屋さんにしてもみんなかっこいい仕事をしてるんだよって
奥様:
左官屋さんの仕事は、自分たちでやってみてどれだけ難しいか分かるからこそ手さばきとかスピードとか職人技がかっこいいなと感じましたよ。
職人さんは本当にすごいなと思いました。
記者:
安全上仕方ないとはいえ、囲っちゃうのはもったいないですね。
ご主人:
今は現場でカンナかける大工さんいないですからね
記者:
木造住宅でもプレカット材が多いですからね。増山さん宅もプレカットですか?
ご主人:
基本の躯体はそうですけど、現場でもたくさん細かい加工をしてましたよ。
記者:
そうなんですね。
【記者感想】
昔ながらの木造軸組み工法の家づくりを目の当たりにした増山さん。
大工をはじめ職人さんの仕事のカッコよさが世間の目に触れないのはもったいないと感じたようですね。
エアコンつけるのは1年に一度あるかないかですね
記者:
家づくりにおいて妥協してよい、悪いポイントは何ですか?
ご主人:奥様:
やはり断熱性能ですね。でも、建ててみるまで分からないですよね。
記者:
そうですね。どこのメーカーでも「ウチの家は断熱性能低いですよ」とは言わないですしね。
そこらへんを数値で明確にして、一般の人に理解できるように説明するってことが必要な事じゃないかと思ってます。
ご主人:
Q値ってやつですよね
でもなかなか理解するのは難しいですよ。
記者:
そうですね。でも、そこを何とか啓蒙していかなくてはというところなんですよ。
ご主人:
だから、実際に体験するのが良いと思いますよ。
ウチもいくらでも連れてきてもらって構いませんよ。冬に来てもらって体験するのが一番ですよ。
記者:
おっ!ありがとうございます。
他のお宅でも全く同じこと言われました。人に体験してほしくてたまらない感じでしたよ。
ご主人:奥様:
本当にそうだね。
奥様:
暖房器具はウチはパネルヒーターで本当に成功だったので、お金が無いからファンヒーターでいいやと妥協しない方が結果としては良いと思います。住み続ける限り一生続く問題ですからね。
ご主人:
あまりにも良かったんで、職場にも電気式のパネルヒーター入れちゃいましたよ。
この断熱性能で薪ストーブ入れちゃうと暑くていられないと言ってました。
記者:
以前の住んでいた家と比べてどうですか?
ご主人:
前に住んでいたマンションやアパートも機密性は高かったですけど、断熱性は良くなくて寝室の壁や家具の裏なんかにはカビが生えてましたね。
記者:
結露の原因はファンヒーターですか?
ご主人:
それもあると思いますけど、外気との温度差が大きいと思います。
記者:
つまり冷たい外の気温が壁まで伝わってきていたということですね。
ご主人:
そうですね。なので今は壁が結露するようなことは一切ないです。窓には多少結露しますけど。
記者:
断熱性能の高さは、今日みたいな暑い日に締め切っていても室内が暑くないことで分かりますね。
ご主人:
一応さっきエアコン(吹き抜けの最上部)つけましたけど、あれ付けるのも1年に一度あるか無いかですね。断熱性の高さはやっぱり体験してもらうのが一番だと思うので、是非来てもらった方が分かりやすいですね。
家に入ってきたとき外と温度差感じませんでした?
記者:
えぇ、普通に涼しいなと思いましたよ。
ご主人:
あの時はエアコンも入れてませんでしたから。
記者:
そうでしたか
奥様:
私も4時に仕事から帰宅して、締め切っていた家に入っても「暑い」とは思わないですね。
これが断熱性能の低い家だと、もっと「ムァ」っと来るのかな?と。全然不快ではないです。
ご主人:
西日の対策とかしてればもっと違うんでしょうね。
さすがに2階は少し暑いですけど。
奥様:
冬も同じで、玄関はいった瞬間もう暖かいみたいな
記者:
雨風しのいで暑さ寒さから守ってくれる家ですからね。
やはりそういうところを重要視して家を建てないといけないですね。
ご主人:
でも、僕たちも最初から断熱性能を重視して選んでいた訳では無いですし、
ドアが全然ないけど大丈夫なの?みたいな感じでしたから。
奥様:
以前はJazz君(犬)がいるから心配で、日中留守にするときはエアコンつけたままで出かけてましたけど
記者:
へー!そうですか。
ご主人:
設定は一番弱くでしたけどね。
奥様:
今はそんな必要はなくなりましたね。
記者:
話を聞くにつれ、我が家の残念なところが分かってきますね。もっと色々考えて建てるべきだったかなとは思います。
ご主人:
多分、記者さんがハウスメーカーさんとキャッチボールしてる量と、ウチが塩原さんとキャッチボールした量が圧倒的に違うんだと思いますよ。
記者:
それは感じますね。
ありがとうございました。
【記者感想】
インタビュアーとして数軒の家を取材させていただき、真夏の太陽が照りつける中、エアコンの効いていない締め切った家の中で普通に涼しいを体験しました。
これから家を建てようとする人にザックリした内容で断熱性能が重要と話したところで、「どこのメーカーでも変わんないでしょ」となってしまいます。実際に建てられたRebornの家を見学してもらえば、その性能の違いを実体験していただくことは可能ですが、そこのレベルにまでお客様の断熱に関する意識を高めてもらう必要があると感じています。
これから家を建てるお客様に断熱に関する意識を高めてもらえるよう、このWebサイト内でも啓蒙活動を進めたいと思います。