暮らしのことば

断熱・耐震リフォーム 小川村 その①

小川村|大日方様|2012年
リノベーション・リフォーム

見てくれだけではなく暮らしを考えた本気のリフォームを決断

記者:リフォームのご予算はいくらくらいで考えていましたか?

ご主人:当初は1,000万円くらいで考えていましたが、実際には1,700~1,800万円くらいになりました。

記者:当初のご予算からオーバーした要素としてどの部分が大きかったですか?

ご主人:断熱ですね。

記者:断熱改修によって考えていた予算よりオーバーしたと

ご主人:そうですね。見てくれだけのリフォームなら1,000万位でできるということでしたが、断熱をしっかりすると1500万円以上になるという話でした。

記者:では、外壁は全て剥がして断熱材を入れて、躯体は手を付けていないんですか?

ご主人:耐震性を高めるという意味では柱を追加するなど手を加えています。

記者:耐震性を高めた上で、例のピンクの断熱材が壁の中にぎっしり詰まっているということですね。

ご主人:そうですね。

【記者感想】
1,800万円というと小さな家なら新築できてしまうような金額に少々びっくりしましたが、それより断熱や耐震の改修をしなくても見た目だけのリフォームでも1,000万円かかるというところにさらに驚きました。
断熱改修の効果でどれだけ光熱費に差が出るのか?費用対効果のほどに興味がでてきました。

断熱リフォームにより激減した冬の燃料代

記者:リフォーム開始するにあたってイメージしていたことは?
例えば外観を和風から洋風にするとか、間取りを変えるとか。どういったことを重視してリフォームされようと考えたんですか?

ご主人:とにかく寒かったので暖かい家にしたい、あとは水回りの設備を新しくしたいと考えました。
細かいところは他にも色々ありましたけど、リフォームの大きな理由はそんなところです。

記者:小川村の冬は寒さがきついですか?

ご主人:長野県内の他の地域に比べると、特別寒いというわけではないですけど…
ただ、断熱改修したことで冬は暖かく過ごせるようになりました。

記者:そんなに違いますか?

奥様:違いますね。
改修前は部屋を締め切って暖房をつけると、その部屋は暖かくなっても廊下に出ると息が白くなる感じでした。

記者:ははは

奥様:とにかく廊下、玄関とも寒かったです。
部屋の中は暖房つけないと寒くていられない状態でしたし。

記者:では、今は全館暖房でどこにいても暖かいですか?

奥様:そうですね。パネルヒーターもあるし薪ストーブもあるし。

記者:パネルヒーターは全部で何台設置したんですか?

ご主人:トイレやお風呂などの小さい物も含めると、一階で8台、二階で3台。合計11台です。

記者:すごい数ですね。薪ストーブはどのように使われてますか?

ご主人:実際にはパネルヒーターよりも薪ストーブで家全体を暖めてる感じです。
冬場は、日中の日が射しこむ2~3時間以外は薪ストーブを朝から晩まで焚いてる感じですね。
ほぼ薪ストーブだけで温めて、夜に火を落とした時に家が冷えないようにパネルヒーターを付けています。

記者:そうすると、薪ストーブがメインの暖房で、パネルヒーターを補助的に使っている感じですね。

ご主人:そうですね。
当初はその逆で考えていたんですが、実際に暮らし始めたら薪ストーブがメインになりました。

記者:リフォーム前とリフォーム後の燃料費の変化はどれくらいありますか?

ご主人:現在の燃料費としては、昨シーズンの冬の灯油代が2万円(200リットルくらい)でした。
あと薪代なんですけど、自分で調達した時に謝礼として払うくらいで購入はしてないです。
一度原木を購入して、後はいただいたりしたものを使っていました。

記者:では、薪代としてはほとんどかかっていない状態ですね。
1シーズンで2万円というのは長野県の暖房費としてはかなり安く感じますが、以前はどうだったんですか?

ご主人:以前は母が一人で住んでいたので、単純比較はできないですね。
ただ、以前私たちが住んでいたアパートでの灯油代としては、月に1~2万円くらいはかかっていました。

記者:以前は月に1~2万円、今はシーズンで2万円ということですね。
すごい節約になりましたね。

ご主人:薪ストーブの存在が大きいですね。

【記者感想】
同じ長野県に住む人間として冬シーズンで燃料代が2万円とはにわかに信じられない金額でした。
薪が安く調達できる環境ならば、イニシャルコストが少々嵩むとしても薪ストーブをメインの暖房器具にする選択も大いにアリなのではと思ってしまいます。

薪ストーブはめんどくさいんですけど、薪が燃えているところを見るのが面白い

記者:薪ストーブはどうですか?実際に使うとめんどくさくないですか?

ご主人:めんどくさいんですけど、面白いんですよ。

記者:どういったところが?

ご主人:薪が燃えているところを見るのが面白いんですよ。(笑)

記者:確かに火を見るのは面白いですよね。(笑)
ずっと見てられるのが不思議ですね。料理とかにも使えますか?

奥様:鍋とかに使えます。
煮込んだり、保温したりに使ってますよ。

記者:実際に導入した薪ストーブについて教えてください。

ご主人:一台28万円の薪ストーブで、安いモデルですがサイズ的に家のスペースにピッタリで形が良かったので採用しました。
薪の投入方式や間口の大きさ、ガンガン燃やせるタイプで大きくて気に入っています。

記者:薪ストーブに対するあこがれは以前からあったんですか?

ご主人:そうですね。以前から薪ストーブにあこがれてまして、今回リフォームのタイミングで薪ストーブ導入を決めました。
実際に使ってみてやっぱりいいな~と思っています。

記者:既存住宅に薪ストーブを入れるのは、やはり大規模な改修が必要だったりするんですか?

ご主人:近所でも既存の家に導入した家がありますけど、大掛かりにやらずに煙突が横に抜ける構造なので煙の抜けが悪そうです。
薪ストーブ用に改修した自分の家は煙突がストレートで抜けがよく、最初の火の付きもとてもよいです。
よく乾燥している薪ならマッチ一本と新聞紙程度で簡単に火が付きますよ。

記者:一本当たりの燃焼時間はどのくらいなんですか?

ご主人:ウチのストーブは良く燃えるタイプなので1本1時間くらいで燃えてしまう。で、1時間したら補充する感じです。

記者:設計士の塩原は薪ストーブ推し進めたくて仕方ないようですけど、ご主人の希望とばっちり当たったんですね。

ご主人:そうですね(笑)

記者:奥さんは薪ストーブ導入に対して反対されなかったんですか?

奥様:私聞いてなくて(笑)
突然「薪ストーブ入れるから」って言われて、「そんなの聞いてない」って返したんですけど
「大丈夫!大丈夫!」って感じで話が進んでました。

記者:ははは

奥様:「わたしは薪割やらないよ」って言ったんですけど、結局長男と私と主人で薪割してます。

記者:薪割りは辛くないですか?

奥様:最初は過酷な重労働だな~と(笑)
全然割れないし大変だと思いましたけど、慣れたらパッパと割れるようになりましたよ。

ご主人:奥様:ははは

記者:薪ストーブを検討している人に何かアドバイスありますか?

ご主人:とにかく燃料代が大幅に節約できるのが大きいです。
雰囲気もよく炎を眺めて過ごすのは楽しいです。

【記者感想】
自慢の薪ストーブについて説明してくれるご主人の様子から、長年の憧れがかなった嬉しさと楽しさが伝わってきました。
薪ストーブと生活した者だけが味わえる、他の暖房器具にはない魅力と豊かな暮らしがあるのだろうなと、火の入っていないストーブを撮影しながら思いました。

なぜ新築が可能なほどの金額のリフォームを面識のない設計士に依頼したんですか?

記者:塩原とはどういう経緯で知り合われたんですか?

ご主人:高校の同級生がガス屋で、以前から付き合いのある塩原さんを紹介してくれた流れです。
友達経由です。

記者:初対面の印象はどうでした?

ご主人:固い人なのかと、はっきり物を言う人だなと思いました。
年齢はわからなかったですね。

記者:年齢不詳ですね。
塩原以外に話はされましたか?また、どういった経緯から任せようという話になったんでしょうか?

ご主人:住宅展示場的なところには行ったことはありますが、他の業者としっかり話をすすめたことはないです。

記者:リフォームではなく新築というお考えはなかったんですか?

ご主人:ありましたが、予算的な部分で断念しました。

記者:今ある家を大事にしたいという思いは?

ご主人:それは特に…

奥様:え~あったよ。

記者:ありましたか。
ご先祖様が暮らしてきたこの地で、ご主人が生まれ育った家を改修して大事にしていこうと考えたということですね。

記者:実際にリフォームの契約に至るまでにどのようなステップがありましたか?

ご主人:塩原さんにプランを提示をしてもらい、こちらの要望と塩原さんの勧めで折り合いをつけていった感じです。

記者:先ほどのお話で、本格的な断熱改修を行うことで当初の予算を超えてしまったとのことでしたが、塩原からはどの段階で話しがありましたか?

ご主人:かなり早い段階でした。設計してこういう仕様で進めるとこれぐらいになりますよと提示がありました。
見た目だけのリフォームと断熱・耐震改修どちらにしますかというお話がありました。

記者:断熱性能については、具体的な例は示されましたか?たとえば、塩原がこれまで携わってきた家を見学されたとか?

ご主人:実際には急いでいたこともあり、言葉だけで決めたところはあります。

記者:では、家を新築できるくらいの金額がかかるリフォームを元々知り合いだった訳でも無い設計士の塩原に依頼したと。
決断のポイントはなんですか?

奥様:ははは

ご主人:提示された金額と、話が正直でやり方に透明感があったのが大きかったです。

記者そ:うですね。出来ることは出来るし出来ないことは出来ないとはっきりと話をしてくれる人ですね。

ご主人:えぇそうですね。

記者:今後、Rebornでリフォーム事業を進めるにあたり、競合する企業も多い現状でどうやって選んでもらえる会社になるかというのが一番の課題と思っております。
そういったお話を聞けてとてもよかったです。

【記者感想】
ご主人が言葉少なでしたので、元の家にどのくらい思い入れがあったのか聞き出すことはできませんでしたが、かなりの金額をかけてリフォームに踏み切ったということ。
また、大切なのは広告宣伝でネームバリューをあげる事でも、聞こえのよいセールストークでもなくて、どれだけお客様と真摯に向き合い話を聞けるかということ、その上で、正直に分かりやすい提案をすることで信頼を得ることが重要ということを再確認できました。

住みながらリフォームの精神的負担と蟻の被害による追加工事

記者:では、正式に契約されて、実際の工事は住まわれている状態で進められたんですよね。

ご主人:その時には、母親一人で住んでいた状態だったので色々と大変な思いをしたようです。

記者:たとえば

ご主人:部屋の工事の度に家の中を転々としたり、水回りの工事の時は家事や入浴などができずに大変だったと聞いています。
お風呂は村の温泉に行ったり、料理なんかも大変だったようです。

記者:職人さんとの関係は?良好でしたか?

ご主人:古い人間なので、大工さん達には賄いを出したりしないといけない、という意識でやっていたようです。

記者:お母さん一人でもそれだけ大変だったとなると、もし現状でご家族が住みながらリフォームとなると、ちょっと考えられないですか?

奥様:そうですね。
子どもも小さいし、ちょっと無理ですね。
別にアパート借りて完成するまでそちらで生活しないと、私たちでは無理ですね。

記者:そこらへんはシビアに判断すると無理となるわけですね。

奥様:そうですね。

記者:作業進む中で印象に残った出来事はありましたか?
たとえば、職人さんとたくさんお話しできたとか、工事している中で追加のお願いをしたとか

ご主人:特にないですけど、一カ所だけお風呂の土台がダメになってて、その部分だけは追加工事になりましたけど、それ以外は順調に進んでましたよ。

記者:土台というと基礎の部分ですか?

ご主人:いえ、柱が一本蟻に食われてましてダメになってました。
白アリじゃなくて黒蟻だったんですけどね。

記者:怖いですね。

ご主人:リフォームの時って、そういうトラブルが付きものだって言われてたんですけど、そこだけだったので良かったです。

記者:開けてみないと分からないですからね。

記者:他のお施主さんとかでは、工事のお手伝いをしたりしたようですが、そういったことは?

ご主人:特にないですね。

奥様:私は廃材を薪用に取っておいたくらいですね

記者:脱衣所の木の棚は奥様のリクエストで先入れ先出しのタオル置き場を追加してもらったとのことでしたが。

奥様:既製品で同様の製品があり、こんなのが欲しいと話をして、なかなか分かってもらえなかったんですけど何とか理解してもらい思った通りのものができました。

【記者感想】
やはり住みながらのリフォームは住人にストレスを与える可能性が高いということがよく分かりました。
それは当然で、自分の住んでる家に毎日他人が来てドタンバタンと作業するわけだから、プライバシー面でもかなり精神的負担は大きかったのではないかと推測されます。
とはいえ、せっかく無駄なく最小限の費用で依頼出来たのに、仮住まいのための費用が大きくなってしまうのはとてももったいないと感じます。
この辺りをスマートにすることでリフォームはもっと気軽に考えられるものになるのでは?という気がしました。

薪ストーブは予想外の大活躍だがパネルヒーターによる全館暖房は必要だったのか?

記者:実際に住まわれて理想と現実の違いなどはありますか?

ご主人:暖房については、薪ストーブがこんなに活躍するとは思っていなかったです。そのかわり、パネルヒーターは導入にかなりコストがかかった割に、あまり出番がないなぁと感じています。

ご主人:実際、パネルヒーターは12月いっぱいまで使わず、厳冬期の1月、2月しか使っていない状態です。

記者:では、もしかしたら薪ストーブをメインに考えて、パネルヒーターはもっと数が少なくても良かったかも?と

ご主人:その辺は良くわからないですけど、設計段階でパネルヒーターを入れるという話の中で、一部だけでいいんじゃないかと話をしましたが、入れるなら全部入れないと意味が無いという話をされました。その辺はどういうふうにシミュレーションしてるかわからないんですけど…

記者:そうですか、やはりパネルヒーターによる全館暖房というのをメインとして考えていたからでしょうね。

ご主人:そうですね。パネルヒーターじゃなくて別の暖房器具でもいけたのかな?と思ったりもしています。ちょっと分からないですけどね。あとは特に私は不具合を感じていません。

【記者感想】
部屋数が多く、大きな大日方邸でも暖房過多の状況になるということはパネルヒーターと薪ストーブが互いに補完し合う性質の暖房ではなかったということでしょうか?
右の提案書を見る限り、少なくとも提案時は薪ストーブでの全館暖房は無理と考えていたことから、予想よりも断熱性能が上がってしまった結果、薪ストーブとパネルヒーター併用の暖房効果と実際のアンマッチが生じたといえるかもしれません。
パネルヒーターによる全館暖房と薪ストーブ。Rebornが推し進める二つの暖房を、今後どのように組み合わせて提案していくのか注目したいと思います。

結露なんてしたことない!冬は洗濯物がよく乾きます。でも湿度で変形?

奥様:2階の天窓が欲しかったかな?と
天窓から光が入れば冬とかもう少し明るかったかなと思ったりしました。

ご主人:そうだね、構造上仕方ないけど明かりが足りないね。

奥様:そこらへんをもうちょっとよく考えればよかったです。
あと、玄関の一段上がる所が横と正面で幅が違うのが個人的に気になってます。
玄関を広くするためだと思うんですけど同じ幅だったら歩きやすいのにと…

奥様:あと冬の乾燥がすごい

ご主人:今までとは打って変わって乾燥がすごいです。

記者:では、逆に言うと結露なんかは?

ご主人:結露なんてしたことないです。

奥様:湿度30%切ることも

ご主人::頑張って湿度30後半をキープしてます。
加湿器はほぼ24時間まわしっぱなしですよ。あと洗濯物を家の中に干したりして対策してます。

奥様:なので、冬は洗濯物がよく乾きます。
真夏と冬がよく乾いて、春と秋よりも冬の方がよっぽど乾きます。

記者:ははは、それだけ吸い取ってくれてるんですね。

ご主人:特に生活に支障はないですが、無垢の木(床)が湿気を吸ったりしてくれる良さはあるんですけど、木が変形します。
今は詰まってますが、乾燥してる冬はフローリングの目地が開いているのがよくわかりますよ。
木が湿気を吸って調整してくれてるから影響はないと思いますが、家全体で考えたら影響ないのかな?と思ったりします。

記者:湿度による変形が気になるということですね。

ご主人:奥様戸の閉まり具合が夏と冬でだいぶ違いますよ。

記者:木の家ならではですね。

記者:夏の暑さはどうですか?

ご主人:奥様涼しいですよ。

奥様:でも、締め切ってないといけないので換気したいなと思うことはあります。

記者:塩原の思想としては、朝一で空気の入れ替えをしたら、あとは一日締め切っててね。ということを他のお宅で聞いたんですが、やはりそうですか?

ご主人:えぇ、集中換気もしてるので問題は無いけれど、気持ち的に換気したいなと思うことはあります。

【記者感想】
木は湿気を吸って収縮と膨張を繰り返します。木の吸湿機能によって湿度が一定に保たれやすくなりますが、ご心配のように木の変形によって家の構造が弱くなる可能性も無いわけではありません。
しかし木造を得意とする一級建築士の設計した家です。いつまでも安心して暮らしてください。

※その②へ続く

大日方様
小川村 大日方様
家族構成ご主人様、奥様、お母様、お子様3人
敷地面積不明
建築面積60坪
家の仕様木造軸組構法、高断熱高気密・耐震改修
竣工2012年
補助金小川村住宅リフォーム補助金(20万円)適用
家のスペックエネルギー使用量:次世代省エネ基準クリア
その他部屋数:1階7部屋(リビング、居間×2、和室、寝室、お母さん寝室)、2階3部屋(子ども部屋×2、アトリエ)
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