「住まいづくりを誰に依頼するか」。新築やリノベーションを計画した人が、まず直面する課題です。ここを決めずして計画は進められませんが、簡単には決断できないもの。ハウスメーカー? 工務店? 設計事務所? 世の中には途方もなく情報があふれていて、口コミも千差万別。調べるほど混乱する人も多いでしょう。
東御市に暮らす花岡さん夫妻も、大いに悩んだ経験者です。長男の将太朗くんの誕生をきっかけに「家を建てよう」と決めたものの、分からないことだらけ。どのようにRebornに依頼するに至ったのでしょうか。
家を建てた義兄の信頼ある口コミから
現在、そろって33歳のお二人。以前は上田市のアパートで暮らしていましたが、30代になってまわりに家を建てた友人が増えてきたこともあり、長男の誕生を機に新築を考えるようになりました。
夫・将寿さんの希望は「暖かい家」。暮らしていたアパートが寒かったこともあり、子どもたちが健やかにのびのび育つ家をイメージしていました。妻の真実(まみ)さんは無垢材を使った家に憧れがあり、「木の温もりがある家」が希望です。ただし、もちろん予算ありき。まずは大手ハウスメーカー数社のモデルハウスを見学しました。
真実さん:
「何も調べず丸腰で行ったので、性能や設備のことはまったく分からなくて(笑)。見た目だけで『なんだかイマイチだね』という感想しか出ず、決め手がありませんでした。ただ、どうやら予算的に無垢材を使った家は難しいということは分かって……。仕方がないのかなあ、と」
家が完成してから次男の慶次朗くんが誕生して4人家族に
新居は念願の無垢フローリング。LDKのある1階はナラ材に
そんなとき、将寿さんのお義兄さんから教えてもらったのがRebornです。お義兄さんはRebornの建築士・塩原真貴さんの設計で家を建てた経験者。その住まいの快適さは、花岡さん夫妻も遊びに行ったときに実感していました。
お義兄さんの家は坂田木材で施工を行いましたが、「設計から施工まで一式でRebornに依頼すれば、価格も抑えられるよ」とアドバイスを受けます。何より夫妻の背中を押したのが、住宅について調べ尽くしたお義兄さんの「塩原さんは信頼できるから」という言葉。すぐに連絡を取ったのは2019年夏のことでした。
「住み手も学ばなければいけないから」
ところが塩原さんの第一声は、思いがけないものでした。
将寿さん:
「『まずは家のことを勉強してください』と言われて、自宅に本がいきなり送られてきたんです(笑)」
送られてきたのは住宅の仕組みや断熱、耐震などについて書かれたやや専門的な書籍。全部で5、6冊あったと言います。人によっては面倒に感じるでしょうが、将寿さんはそれらをコツコツと読破。塩原さんの仕事のブログも、さかのぼって読み込んでいきました。それは塩原さんの話を聞いて、業者任せではなく住み手自身も家について学ばなければ、理想の住まいを手に入れることはできないと感じたから。
現在はリビングにベビーベッドを置いて
家の中でも外でも元気に遊ぶ長男の将太朗くん
将寿さん:
「家づくりは相応のお金がかかることですから、僕たち住み手も勉強しなきゃいけない。本を読んで、『自分は家のことを何も知らなかった!』と思いました。断熱が何かとか窓の重要性なんて考えたこともなかった。窓はただの窓でしょ?って(笑)。窓の開閉方法やガラスにも色々な種類があって性能が違うだとか、屋内側と屋外側でサッシの色を変えられるだとか、初めて知りました。塩原さんは『そういうことも全部、知っておいてください』と。確かに僕らもどんな選択肢があるか知らなければ、いざ決めようとしても適切なものを選べないですよね」
リビングのソファは将寿さんが一目惚れして選んだお気に入り
光を取り入れる南側の窓は樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラスの高断熱仕様
そう考えるに至ったベースが、塩原さんへの信頼です。お義兄さんから話を聞いていたこともありましたが、何回かやり取りをして「塩原さんの熱意と信頼できる仕事ぶりが分かった」と夫妻。
真実さん:
「家づくり全体を通して感じたことですが、塩原さんは白黒ハッキリしていて、いいものはいい、悪いものは悪いときちんと言ってくれる方です。会社の利益より“いい家を作りたい”ということへの想いの強さが伝わってくるから、絶対的な信頼がありました」
リビングの梁の一部に照明を埋め込んで「光る梁」に。見学会で見て気に入り、塩原さんに相談して実現
リビング隣の和室は子どものお昼寝場所。普段から引き戸を開け放して活用
住宅見学会で自分の希望が明確に
住まいの勉強と並行して土地探しをスタート。将寿さんの実家がある上田市に近い範囲で探していたところ、東御市に暮らす友人から「近くに分譲地ができたよ」と情報を聞き、さっそく塩原さんに相談。すると、「一緒に見に行きますよ」と頼もしい言葉。
現地に到着すると、南に蓼科山がきれいに見えるやや高台のロケーション。緩やかに傾斜した地形を造成工事している最中で、3〜4区画から選択できる恵まれた状況でした。
日当たりなどを見た塩原さんが「ここがいい」とアドバイスした区画を即決で購入。プロが土地選びの段階から親身に関わってくれるとは心強い限りです。
分譲地の奥に位置する南向きの敷地。外壁は経年変化が楽しめるスギ板貼りに
2階バルコニーや寝室から蓼科山などを見晴らす
正式にRebornに依頼を決め、自由設計よりも費用を抑えられる規格プランの35坪タイプを選択。真実さん念願の無垢材フローリングが標準仕様で揃っていることも決め手になりました。
真実さん:
「プロが作った間取りなら間違いないと思ったし、Rebornの住宅見学会で同じ規格プランの家を見た時、雰囲気がすごく良かったんです。シンプルだけど温かみがあるというか」
将寿さん:
「見学会は3、4軒行ったかな。同じプランなのに、住む人によってこんなに色が違うんだなと思いましたね。とはいえ元のプランは同じだから『うちもこうしたい』『ここは変えたい』とイメージしやすくて、そのつど塩原さんに相談して。例えばテレビボードは、見学会で見たお宅の造作家具を参考にしています。塩原さんも『どんどん真似してください』と言ってくれました(笑)」
見学会で見たテレビボードを参考に造作。現在、引き出しはオムツ収納に重宝しているそう
キッチンは真実さんの身長に合わせた高さに。雑然としがちなキッチンの手元がリビングやダイニングから見えないよう、カウンター前面に立ち上がりを設けた
これが本当に規格プラン?自由度に驚き
自宅での設計打ち合わせは全10回程度。ゼロから作る自由設計に比べると効率的ですが、他社の規格住宅に比べて打ち合わせ回数は多め。二人が驚いたのは、規格プランと言いながら間取りもデザインも素材も、かなり自由に変えられることでした。
真実さん:
「一つひとつ『ここはどうしたいですか?』『この素材は何にしますか?』と聞いてくれて。まるで自由設計みたいでした」
例えば、背の高い将寿さんが頭をぶつけないよう階段上部の垂れ壁は高めに。キッチンカウンターはダイニング側の壁の一部を引っ込めて、パネルヒーターがぴったり納まるようにアレンジしました。「テーブルをカウンターにぴったりつけて置きたい」という希望から生まれたデザインです。おかげで室内がすっきり見え、家具配置の自由度も上がっています。細かいところでは、キッチンの引き出しのハンドル。真実さんがインテリアショップで見つけたものを「施主支給」という形で取り付けてもらっています。
階段入り口の垂れ壁は頭をぶつけないよう高めに設計
キッチンカウンター前面の壁の一部を引っ込めてパネルヒーターを収納。無垢のナラ材のダイニングテーブルは夫妻の友人が営む家具工房にオーダー
キッチンの引き出しの真鍮製取っ手は真実さんのセレクト。引き出しの高さは入れるものに合わせて一段ごと変えられたので使い勝手がいい
吊り戸棚を設置して収納量を確保し、カウンター下にゴミ箱を置く前提で設計
将寿さん:
「我が家は結果的にそこまでアレンジしませんでしたが、やろうと思えばどこまでもわがままを言って塩原さんを困らせられると思います(笑)。もちろんできないものはできないと言われるけれど、やれることは『頑張ります』と言ってくれました」
真実さん:
「塩原さんは、いつも作業着姿だから営業マン!という感じもないし(笑)、なんでも言いやすかったですね」
希望のプランとデザインを叶えた夫妻。とはいえ、やはり住んでみてから気づいたこともあったと言います。例えばトイレの位置。リビングダイニングから近いので普段は便利ですが、「お客さんが来たときは、ダイニングテーブルの正面にトイレのドアが見えるのでちょっと気を使いますね(笑)」と真実さん。
ダイニングテーブルの右奥に見えるのがトイレのドア
トイレのペーパーホルダーやタオルハンガーも真鍮に
さらにトイレの照明がとても明るく、「夜中にトイレに起きるとまぶしくて目を開けられません」と真実さん。照明は使ってみないと分からない点も多いですが多くの製品から選べるので、細かくプロに相談して決めるのが良さそうです。
玄関が昼間も暗めなのも予想外だった点。さらにポーチのライトを人感センサー対応にしなかったため、「夫は仕事の帰りが夜になることが多いんですが、毎晩ライトをつけるのも消すのも忘れがちになってしまいます……」と真実さん。
夜に使う2階トイレ
自分たちで色を選んで塗装したドアがスギ板に映える玄関ポーチ
冬の早朝もすぐに行動を始められる家
住み始めて感動したのが、室内の快適さでした。全国屈指の晴天率を誇る東御市は、冬も晴れの日が多いのが魅力。その恵みを享受するLDKの大開口からはさんさんと日光が差し込み、室内はぽかぽか。取材に訪れた日も絶好の天気で、「半袖になりたいぐらいですね」と将寿さん。Low-Eトリプルガラスの樹脂サッシを使うなどしてUA値(※)を0.27まで下げているため、夜まで暖かさが保たれます。
※ 家の中から外に逃げる熱の程度を示す値で、小さいほど断熱性が高い
将寿さん:
「冬も太陽の光がたっぷり入れば室温23、24度ぐらいまで上がるし、朝晩に下がっても21度ぐらい。家中ずーっと暖かくて、すっごく気持ちいいんですよ。風邪もひきにくくなりました」
冬も暖かいから家じゅうが心地いい
エアコンやガス給湯器、モニターホンをまとめたコーナー。夫妻の趣味の山登りのピンバッジをここに
将寿さんは、家に帰ったら季節を問わず裸足で過ごすのが習慣になりました。床暖房を敷設していないのにひんやりした部分がなく、「そういえばうち、スリッパがありません」とのこと。無垢フローリングの足触りを素足や靴下で楽しんでいます。
暖房設備は、Rebornが推奨する温水パネルヒーターを各部屋に設置。エアコンのように空気が汚れず、本体に触れても熱くないので子どもがいても安心です。花岡さん邸では熱源に灯油を使い、普段使う部屋は洗面脱衣室も含めてすべて24時間運転させています。
洗面室のパネルヒーターはタオルウォーマーにもなる
リビングにもパネルヒーター。子どもが触れても安心
将寿さん:
「石油ストーブやエアコンのような局所的な暖かさはないけれど、家中がちょうどいい温度で、寒いと思う場所が一切ありません。前のアパートは極寒だったので、ガラッと変わりましたね。子どもって、寝ている間に掛け布団をはいじゃうじゃないですか。前は風邪をひかないか心配だったけど、今は布団をかけていなくてもまあ大丈夫かなと(笑)」
真実さん:
「うち朝が早くて、5時半起きなんです。冬は『寒い寒い!』ってもう、本当におっくうで。でも今は、布団から出るのがつらくないんですよね。1階に下りてきても暖かいから、すぐに行動を始められる。天気予報で『この冬一番の冷え込み』って言われても全然実感が湧かなくて、他人事みたいに聞いています(笑)。で、公園へ遊びに行こうか!って玄関を開けたとたんに『さっぶ!』って(笑)。家の中が暖かいから、外に出るまで分からないんですよね」
家族みんなで眠る寝室。冬も目覚めてすぐにちょうどいい温度だ
北側のバスルームや洗面室も寒くなくて快適
ただし、パネルヒーターの色にはやや納得していない様子。
将寿さん:
「パネルヒーターの色は1台ずつ変えられるんですよ。でも、サンプルと実物の色が全然違って(笑)」
真実さん:
「ダイニングのこれ、本当はマットなグレーを選んだつもりだったんです。でもこれ、白ですよね(笑)」
将寿さん:
「最初、これ色違ってない?って言って。パネルヒーターを入れる人はショールームで実物を見た方がいいと思います」
経験者は語る。インテリアの大切な一部になるからこそ、実物をしっかり確認しておくのが良さそうです。
2階のクーラー1台で家じゅう快適!
夏の冷房設備はクーラー1台のみ。Rebornの住宅では、階段に設置したエアコン1台だけで上下階の冷房をすべてまかなうことが珍しくありません。花岡さん邸がユニークなのはエアコンの位置。階段に設置すると掃除などメンテナンスがしづらく稼働音も気になるため、2階の廊下にコンパクトな「エアコン室」を設置。扉と床のルーバー越しに、家じゅうに冷気を行き渡らせる実験的なプランです。
2階廊下。右手のルーバー扉の奥がエアコン室
扉のルーバーはずらして隙間を開閉できる。写真のように開けた状態だと2階に冷気が流れる
扉を開けたところ。床もルーバーで1階に冷気が流れる仕組み
階段からエアコン室を見上げたところ。「階段が一番涼しい」と夫妻
冷気が下へいく性質を利用して、床をスノコのようなルーバーにしています。1階を冷やしたい時は2階扉のルーバーを閉めて、階段を通じて1階に向けて冷気を届ける仕組み。2階を冷やす時は扉のルーバーを開けて、冷気を導きます。
真実さん:
「正直最初は、エアコン1台で本当に大丈夫なの?と半信半疑だったんです。でも、暮らしてみたらなんとかなりましたね。家で長時間過ごしているとちょっと暑いかなと思うこともありますが、外から帰ってくると『あ〜涼しい!』と声が出ます(笑)」
2階廊下の奥にも吹き抜けがあり、空気が循環する
吹き抜けをリビングから見上げたところ
将寿さん:
「ホームパーティーで大人が6、7人集まった時はさすがに温度が上がって暑かったですが(笑)、普段の生活では不便はないですね」
真実さん:
「あとは夜。日中は1階に冷気を下ろして快適に過ごしているんですが、夜になって2階の寝室に行くと、けっこう暑いんですよ。だから寝る前は設定温度を下げてエアコン室の扉を全開にして、2階の廊下でサーキュレーターを回します。そうすると冷気が寝室に流れて、快適に眠れるようになります」
夏は寝室のドアを開放して廊下でサーキュレーターを回し、クーラーの冷気を入れる。右手は4.5畳の広いウォークインクローゼット
夏に大人数が集まると、1階はさすがに暑くなるそう
夏はエアコンを24時間運転。家の断熱性能が高く一度室温を下げると涼しさをキープできるため、アイドリング状態で維持する方が一回ずつ冷やすよりも電気の消費量を抑えられるためです。最初は「もったいない」という気持ちがあったそうですが、試してみると一番たくさん使った月も電気代は10,000円程度。高い断熱性能を実感する結果となりました。
DIYの思い出が住まいを特別にする
取材のために家の中を案内しながら、天井や壁を見回して「塗装も大変だったんですよ」と笑う将寿さん。Rebornといえば、住み手自身に内装の塗装を任せるのが恒例です。花岡さんも壁や天井、家具など「目に見えるところは全部!」自分たちで塗装しました。
将寿さん:
「こんなに塗らされるとは思わなかったですよ(笑)。塩原さんが『○日までにお願いします。次の工程が決まってるから急いでね』って大量の材料を置いていくんです。休日は全部DIYに充てるぐらいじゃないと間に合わなくて、1カ月ぐらいずっと塗っていました」
土日は仕事の将寿さんに代わり、週末は友達や親戚がDIYに大活躍
壁はローラーや刷毛で塗るタイプの漆喰をDIY施工。「ハケなどの道具もホームセンターで色々買ってきて試しました」と夫妻
「自分たちだけでは間に合わないかも」と週末のたびに親族や友達に声をかけ、にぎやかにお祭り状態でペイント。ウォークインクローゼットから始めて2階を塗る過程でコツをつかみ、上達してきた頃に1階にきてメインのLDKを塗る計画です。
将寿さん:
「後で見ると『ヘタだなあ』と思うところも多いですが(笑)、味ですよね。家族や友達との思い出にもなりました」
真実さん:
「DIYは大変でしたが、やりながら家を建ててくれている職人さんの仕事ぶりも近くで見ることができたことが良かった。たとえば我が家の外壁はスギ板を一枚ずつ縦貼りにしているんですが、工事の様子を見ていたら、真夏の暑い時に職人さんが一枚貼る度に足場を登って降りて、を繰り返していたんです。そんな大変な仕事をしてくれた大工さんには、頭が上がりません。現場を生で見なかったら気づかなかったことです。それも含めて、DIYをやってみて良かったですね。お昼ご飯を一緒に食べながら、職人さんのお話を聞く時間も楽しかったです」
リビングのパイン材の天井と化粧梁もDIYでオイル塗装
「この辺りは最初の頃に塗ったからムラがあるね」と思い出すのも楽しい
コロナ禍で出かけづらい日々が続きますが、「家が快適だから楽しいです」と笑顔で話す夫妻。特に将寿さんが大好きなのが、デッキテラスでのBBQや流しそうめん。好きすぎて肌寒い秋や冬も「やろう!」と言い出すそうで真実さんも少々あきれ気味ですが、友人家族を呼んでにぎやかに過ごす時間は、家族の大好きなイベントです。
山好きの夫妻。真実さんは山小屋で働いた経験もあり、お子さんが生まれる前は二人であちこちの山へ出かけていたそうです(ちなみに塩原さんと一緒に登ったことも!)。今はお子さんが小さいこともあってなかなか行けていないそうですが、山小屋をイメージしたスギ板貼りの外壁や家族で過ごせる広いデッキテラスが、新しい遊びのフィールドになっているようです。
友人を招いてBBQや流しそうめんを楽しむデッキテラス
デッキは無塗装仕上げ。だんだんグレーに変化するのも味わい
外壁は山小屋をイメージしてスギ材貼りに。時間とともに飴色に変化してきた。雨が当たるバルコニー部分はグレーにエイジングしている
山好きの夫妻。子どもたちがもう少し大きくなったら山デビューを計画したいそう
記者感想
住まいの中でも印象的だったのは、4人家族には少しだけ広いように思えるダイニングテーブル。家具工房を営む友人にオーダーしたものだそうで、「食事も勉強もここでできるように、広めのサイズにしました」と話してくれました。南からの日差しがぴかぴかと入るこのテーブルが住まいの中心。みんなで食事をしたり、遊んだり、いつかは並んで勉強をしたり。にぎやかで明るいご家族を象徴するような場所でした。
こうして住まいを構成するもの一つひとつに思い出があると、暮らすことは楽しく、幸せなものになると思います。花岡さん家族がDIYで仕上げた壁や床も同じ。自分たちで手をかけたり、惚れ込んだ店や人から買ったり。そうした経験も、住まいを楽しくしていくのだろうなと感じました。
ライター:石井妙子
写真:FRAME 金井真一