最初は理解できなかった分離発注方式。しかし、どの業者にいくら支払うのかはっきり分かるので透明性がある
記者:
他には何か?
塩原さんほったらかしじゃんか!とか他に何かクレームなどありますか?
ご主人:
実際、何て方式か忘れちゃったんですけど、塩原さんが全て面倒見る訳ではなくて、各業者さんと直接契約して工事も保守もお任せしてるので不具合は無いですよ。
何ていうんでしたっけ?
記者:
分離発注方式ですね。
ご主人:
そうそう
一回電気関係が調子悪くなったことはありましたけど、業者さんに連絡して直接やってもらいました。
記者:
契約の段階で分離発注についての説明はありましたか?
ご主人:
もちろんありましたが、最初はよく理解できませんでした。進んでいくうちに分かってきましたけど。
ただ、そうは言っても塩原さん全部やってくれたんで助かりましたけど。
記者:
そうですね。
これまではハウスメーカーでもリフォーム専門業者でもない設計事務所でしたから、お施主さんの支払額をなるべく抑える目的で必要な事だったんでしょうね。
ご主人:
そう思います。
記者:
そうでないと、お金があまりにブラックボックスの中にありすぎて、「これは一体何のお金を払ってるんだろう」みたいな気分になりますね。
ご主人:
そういう感覚は無かったですね。
どの業者にいくら払うのかがはっきり分かってるので、そういう意味でも透明性があると感じましたね。
記者:
やはり塩原は仲介料的なものは取らなかったですか?
ご主人:
監理、設計料だけです。
ただ一般的な料金と比較するとかなり低い数値なのでオフレコでお願いしますとのことでした。
ご主人:
キッチンやお風呂も自分たちで見に行って、塩原さんから指示された仕様の物をメーカーに直接発注しました。
記者:
分離発注は素晴らしい事だと思う反面、家を建てる人すべてがその手間をかけられるかどうかというのは微妙な所だと思うんです。
これまでは、それが一番であると考えて勧めていたと思うんですが万人に受け入れられることなんでしょうか?
ご主人:
そうですね。最初は意味が分からなかったです。
記者:
奥さんはどうでした?
奥様:
私はノータッチ
ご主人:
お金のことは全て私がやってましたから。
記者:
その分メーカーも含めて自由に選べるメリットはありますね。
奥様:
そうですね。
ご主人:
外壁塗装にしても、家の隣が塗装屋さんなので頼んだりして、お任せする業者も融通が利いたので助かりましたよ。
記者:
全部でこれくらいかかります。というのがはっきりした段階で、通常のリフォーム会社に頼んだらこれくらいにはなってましたよ。という話はありましたか?
ご主人:
それはないですね。ただ、こういう方法なので安くなりましたよという話はありましたけど。
記者:
そこでザックリでも他でやったらこれくらいになってましたよ。というのがあれば差額で「おぉー」となりますよね。
ご主人:
そうですね。
記者:
必要なアピールですね。
でもアピールあんまり上手な感じはしないですね。(笑)
ご主人:
そうですね。(笑)
【記者感想】
大日方さんが最初戸惑ったように、分離発注は必要最小限の費用で家が建てられるということで、手間を惜しまず自分で色々やりたい施主にとって良い方式だと思う反面、すべての施主にとってベストな方法であるとは言えないと思います。
これまでは設計事務所ということで採用しやすかった分離発注方式ですが、リフォーム会社となった今後はどのように取り組んでいくのか注目したいと思います。
奥様「うちの親がタンス置き場とパントリーを絶賛してました」
記者:
リフォームした家についてお母さんは何と?
ご主人:
夏は涼しい、冬は暖かいと言ってますよ。
リフォームの時は大変だったとも。
記者:
出来上がったものに対しては?
ご主人:
満足しているようです。
記者:
薪ストーブについては?
ご主人:
気に入っているようですよ。
自分でも積極的に焚きつけしてます。
記者:
こだわりのポイント、気に入ってるポイントを教えてください。
ご主人:
私はとにかく薪ストーブですね。
あとは木の内壁が気に入っています。
奥様:
私は収納というかタンス部屋が気に入ってます。
あれが無いとタンス全部むき出しで置いておくことになるから。
部屋がきれいな状態でいられます。
記者:
あそこはなんていう名称なんですか?
奥様:
タンス置き場?
ご主人:
最初は扉つけてウォークインクローゼットにしようって話だったんですけど、
オープンで良いということになってああなりました。
記者:
タンスが露出しなくていいと。あまり見ないですね、タンスだけが置かれてるスペースって。
奥様:
そう、なので気に入ってます。
記者:
洋服の関係が全てあそこで済むわけですからね。
奥様:
そうなんですよ。子どもの服も管理しやすいし、いいなと思ってます。
記者:
あとは脱衣所のタオル置き場ですね。
奥様:
ははは。あれの下の棚が個人のスペースになってるんですが、あれもいいですよ。6人家族の一人一カ所割り振って使ってます。
記者:
なるほど、いいですね。
ほかには何か?
ご主人:
パントリーは収納力が高くていいですね。
記者:
あそこはリフォーム前は何のスペースだったんですか?
ご主人:
昔ながらの台所に壁入れて収納スペースを作りました。
記者:
パントリーいいですね。あれだけあれば何でも置いておけますね。
奥様:
そう!私の親が家を見に来た時に、パントリーを絶賛してました。
キッチンはどうでもいいけど、置き場が広いのが素晴らしいと。
ストックする場所が広いのはすごく良いです。
記者:
人に見せて羨ましがられるところは?
奥様:
パントリーとタンス置き場は親が絶賛してました。
あと、玄関も広くて好評です。
記者:
ご主人は?
ご主人:
やはり薪ストーブですね。
記者:
これから家を造ろう、リフォームしようとしてる人にアドバイスを。
妥協して良いポイント、だめなポイント、業者選びの注意点など
ご主人:
最初に考えていたよりお金はかかってしまいましたが、断熱は妥協しなくてよかったと思ってます。
奥様:
水回りはそれほどこだわらなくてもいいと思います。実際に使い始めれば、そんなに高級品じゃなくても気にならないです。
記者:
ありがとうございました。
【記者感想】
薪ストーブについて語るご主人、収納について語る奥さん。後で庭を眺めながらお話を伺ったお母さん。みなさん良い表情でお気に入りのポイントを語られてる様子が印象的でした。
お母さんにはインタビュー形式ではなく雑談の中でお話しを伺いましたが、昔から居間から見る庭が好きで「私が嫁に来た40年前に庭に植えた小さな木があんなに大きくなったんですよ。」なんてお話を庭を見ながら聞いていたら、建物自体はそのままで安全面と生活環境を改善するリフォームの意味を改めて教えていただいたような気がしてグッときました。
3回目の取材にして、初めてのリフォーム案件でしたが、新築とは違い全てを自分たちの思う通りに改修することは難しいだろうと、ある程度厳しい感想もあるかと少し心配しながら訪問しました。
お話を伺って皆さんがリフォームされた家に概ね満足している様子が分かり安心した反面。薪ストーブとパネルヒーターのアンマッチと、住みながらリフォームのストレスに関しては、これから断熱・耐震リフォーム取り組む以上検討すべき課題ではないかと思いました。
貴重なご意見ありがとうございました。
リフォームのビフォーアフター
01Before 亡くなったお父さんとお母さんが協力して建てた築40年の大日方邸
01After 美しい自然の中に佇む生まれ変わった大日方邸
02Before トタンの外壁と風が通り抜ける基礎が寒々しい外観も
02After 高性能グラスウールと樹脂サッシで断熱した上で外壁張替
03Before 収納も少なかった昔ながらの台所が
03After 大容量のパントリーを備えた対面キッチンに
04Before 台所続きの昔ながらの居間が
04After キッチンから繋がる居心地の良い居間へ
05Before 断熱不足で寒かった和室
05After 暖かな寝室兼第二の居間に変身
06Before 二間続きの手前の和室を
06After 柱を追加して耐震性を高めた上で断熱リフォーム
07Before 二間続きの和室が
07After 薪ストーブのある大空間のリビングに大変身
08Before 寒くて使い道の少なかった縁側は
08After 半分が大きな玄関、半分がリビングの延長分になりました
09Before 前回リフォーム済みでしたが、とても寒かったトイレも
09After 断熱サッシとパネルヒーターでもう寒いなんて言わせません
10Before 見るからに寒いタイル壁&ステンレス浴槽の浴室が
10After 床下に分厚い断熱材を敷き詰め暖かさが持続するユニットバスに
11Before お母さんの趣味のアトリエだって
11After 断熱材+断熱サッシ+パネルヒーターで寒さ知らずです
12Before 日本の和室らしいふすまや欄間は
12After 調和を心がけなるべく残しました