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松本市15年点検の床下で考えたこと。

2025.02.22|住まいの点検・メンテナンス
塩原真貴

キンキンに冷えた松本エリアへ―

前職工務店で担当した松本市・T邸15年点検!

「いったいOB何人いるの?」

って最近聞かれることがあるんですが、たぶん350棟くらいです。

前職工務店の家が250棟くらいで、

独立後、しおはら住宅デザイン設計(3年間)、Reborn(11年間)あわせて100棟ほど。

合計すると350になるわけですが、前職の250棟は全国津々浦々にございまして、

なんとか今のところ一人で週末を中心に年間50~70棟ほど回っています。

設計や現場管理にフィードバックできる事象も多く、なかなかほかの人に委譲することができません。

てか、ほかに適応できるスタッフもいませんが・・・。

今年塩原も52歳になります。

イチローといっしょです。

そろそろ将来的なOB・OG宅の点検やメンテナンス(コンサル含め)をどうするか、

または自分自身のアフター60を考えなければなりません。

たぶん命ある限り建築に携わってゆくことと思いますが・・・(ほかの業界のことはまったくわからないので)

T邸の完成直後の写真が残っていて手元にありました。

まだ仮説トイレやユンボがありますね。

最近また人気が出てきた気がしますが、2階がしっくい、1階が板貼りのツートン外壁カラー。

15年後の今回の点検時がこちら。

カーポートが増築され、左のほうをよく見るとエコキュートを木製の柵で囲って存在感を消しています。

北側道路に面する2階の窓が規則正しく並んでいるのが印象的な外観デザインです。

南面の完成当時の写真も残ってました。

デッキ材はアンティークな感じになっていますが、ひのき材にウッドロングエコを塗装したはずです。

そして今回15年経ったショットがこちら。

ずいぶん植木が大きくなりました(‘ω’)ノ

外壁(べいすぎ)の塗装が落ちて明るいブラウンに。

接写しました。

表面はもともとザラザラ仕上げの材ですが、浮造りみたいにすじすじになっています。

お寺や神社で見られるような木の経年変化の表情です。

腐ってはいません。表面がすこしずつ風化している状態です。

これをみずぼらしいと感じるか、美しいと思えるか。

当時外壁に板を張る、というのは防火の観点からなかなかハードルが高く、T邸ではあらかじめ難燃処理された「ウイルウォール」というレッドシーダー材を貼っています。

ニセモノが出回ることも多く、出荷の際にこのような金属プレートが発行され、どこか目立たぬところに張っておくというルールがありました。

WILL WALLを発売していたチャネルオリジナル社とは今も取引がありまして、15年前の担当営業マンは、今ではかなり高いポジションにまで出世され、最近は恐れ多くて近づくことができません。

近年同社からは北海道産フローリングや宮崎県産のオビスギ外壁材を仕入れさせていただいております。

ちなみにもう一つ情報を挙げておきますが、

当時難燃処理し国土交通大臣から認定された板だけが、いわゆる延焼のおそれのある範囲に採用されましたが、

数年前に「不燃断熱材を外壁に付加断熱&充填断熱し、室内側に石膏ボードを張った場合は、外壁に種類を問わず板が貼れる(北総研仕様外壁)」という泣けるような認定がおりまして、Rebornでも外壁に板を張る物件が飛躍的に増えました。

全国の建築士さん、建築営業のみなさん、現場監督さんでもあまり知られていないようなのですが、この認定を活用して、全国に国産木の外壁がもっともっと増えてほしいな~と私は思っております。

ちなみに腐りにくいとされているヒノキ材+ウッドロングエコのデッキ材は、やはり軒がかかっていない露天部分はそろそろ貼り替えの時期を迎えていました。

この打診棒が置いてある3列分は貼り替えをお勧めしてきました。

数年毎に再塗装を繰り返していればそうならない、と信じている人も多いかと思いますが、

木の割れ目やビスを打ったところ、木口(こぐち)と呼ばれる切断面からやはり腐ってゆくものです。

デッキ材の塗装は見た目にはかなり影響しますが、再塗装を繰り返しても腐るところは腐るので、都市伝説は信用しないこと。ある意味消耗品とわりきるか、屋根がかかっている状態にすることが肝心だと思います。

「下水の流れが少し悪くなった気がする」

という声を受けまして、各下水マスの中も点検を。松本市の下水桝は松本てまりが表現された蓋になっています。

下水のマンホールは各地方でいろいろ柄があって実はおもしろい。

敷地内のマス蓋まで頑張っていることはまれですが、みなさんもこんど道路を歩く際にマンホールの柄に着目してみてくださいね。

一般の方には知る由もないのですが、床下に潜ると、このように下水管の途中に「掃除口」と呼ばれる点検できるキャップがついている場合があります。

きつ~く締めてあるので、ドライバーかなにかでぐっと緩めないとあかないんですが、下水管の途中を床下から除くことができます。

下水管の中は経年で汚泥(水道屋さんは「スケール」と呼びます)が少なからず溜まっていて、最終的には下水管を完全に詰まらせることも。

高圧洗浄機を用いて、下水管を洗ってくれる専門業者もいるくらいで、

「10年に一回は下水管の高圧洗浄を!」

というような広告が回覧板でまわったりもするようです。

そういえば回覧板はいつまで続くんでしょうか。

長野のような地方では、隣組(となりぐみ)という近隣グループが固定集団的に形成されており、市や自治会からのお知らせがバインダーを使って情報共有される仕組みです。

また、地域のお祭りの準備や災害時の相互支援を安定的に行うためとも考えられてきたと想像できるわけですが、

朝6時からの一斉河川清掃、廃品回収日の告知、赤い羽根共同募金の集金予定日など、

もっと違う方法で伝達や情報共有ができないもんでしょうか。

どなたかが家族で長期旅行なんかに行ったりすればまったく機能しない。

かといってLINEでグループつくってやるってのもどうかなと思うけど。

 

 

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