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火事こわい

2017.12.16

先週、火事になってしまった家に行きました。 当然ながら消火後です。 私は前職で、長年工務店に勤めていたことを知る人は少ないと思います。 実はその工務店は7年程前に倒産してしまい(経営者ではありませんでした)、 300棟弱のお客様の大多数から、現在も点検やメンテナンス、増改築のご相談をいただいております。 そんな中の1棟が先々週、全焼してしまいました。 私が入社する直前にお引渡しされたそのお宅(築22年)には、過去に何度かおじゃましたことがあり、 たまたま点けたお昼のニュースで、「ログハウスが火事に」というアナウンサーの声が耳にとまり、じっと画面を見ていたのですが、 まさかまさか・・・。 このことは、このブログで紹介すべきか1週間ほど悩んでいたのですが、 私を含め、みなさんにも同様のことが起こりうることなので、 静かに、 薪ストーブユーザーである自分自身への戒めの意味も込めて紹介したいと思います。   Exif_JPEG_PICTUREすでに雪景色となっていましたが数日前には火災現場でした。 現地に到着すると、外観はさほど焼けていない。 骨組みはしっかり残っているし、ログ壁の防火性には驚きましたが、 窓ガラスは吹っ飛んでいるし、煙突や天窓なども脱落。 屋根に穴が開いている様子でした。   Exif_JPEG_PICTURE次に家の中に入ると、あの鼻をつくにおい。 そして真っ黒な世界。 木の表面は真っ黒に炭化こそしていますが、表面の1~2cmほどか。 ただ屋根の下地の合板は完全に消失し、屋根板金の裏側が見えています。 このまま雪がもっと降れば、きっと屋根材ごと雪崩のように崩れてしまうかもしれません。   出火原因は、リビング先の外のデッキに出しておいた薪ストーブの灰、だとのこと。 完全に火種が消えておらず、デッキの床に燃え移り、たまたま置いてあったガソリンの携行缶に・・・。   Exif_JPEG_PICTURE誤解を招いてしまってはいけませんので、もう一度言っておきます。 薪ストーブの灰をビニール袋に入れてデッキの床に出して置いておいた・・・、 それが原因だそうです。   きっとこれまでも同じことをしていたんだと思いますが、たまたま火種が残っていた。   灰は必ずフタのある金属など燃えない容器に移してください   そしてこの写真を、あなたの目に焼き付けておいてください。     オーナー様ご家族の皆さんは全員無事だったのでなによりですが、 思い出のつまった我が家を失った今の心境を思うと、なかなか言葉がでてきません。   近隣への延焼もなく、また地域の方の助けもあって、現在は仮住まい生活を続けていらっしゃいます。 火災保険も加入していたとのことですので、物理的な復興はそれほど難しくないはずですが、 このように寒い時期ですから、どうぞお大事にしてください。   大事な書類は引出しタンスに仕舞っていたそうで、 プラスチック製のケースに入れてあったものは跡形もなくなくなってしまったそうですが、 木の引出しにあったものは、おおよそ書類として残ったそうです。 木は表面は当然黒く燃焼しますが厚みがそれなりにあると燃えにくい、ということになります。   このブログをみて、「あ、」と思った方は、木の引出に、あるいは耐火性のある金庫に、趙大事な書類なんかは仕舞った方がよさそうです。   折しも現在甲府市で、省令準耐火構造の木造在来工法の家を新築工事中。 記憶に新しいロンドンの高層マンションの火災の原因は、外壁通気層から入り込んだ火が、石油由来の断熱材に燃え移ったことが原因だと聞いています。 木造の家が圧倒的に多い日本でも、火災を考慮した建物がもっと研究されるべきだと思います。 工事期間中の建物であっても、弊社ではその建物に火災保険をかけています。 それも大事なことの一つではありますが、 命というものは一つしかありません。   燃えにくい、とか 逃げる時間がある、 燃えたとき有毒ガスが出ない、 そういうことも知識としては知っていても、 ぐるり今自分がいる廻り見回すと、なんとも危険といえば危険だと思ってしまうのです。 地震もこわいが火事もこわい。   2017.12.16 Reborn塩原  

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